◉沖藤武彦

 

ども。赤だしのインスタントみそ汁が大好物の沖藤です。

 

もっと言うと、生みそタイプではなく、フリーズドライ。そう、粉末の赤だしのみそ汁、具体的には「永谷園のひるげ」が大好物。

 

一人暮らしのころは、ひるげがあればご飯山盛り2杯は食べられましたよ、まじで。

 

とはいえ、船橋周辺ではあまり見かけることがなく、ここ最近は遠ざかっていたんです。聞くトコロでは東京周辺では、ひるげを置いている店舗は少ないとか。ほんまかいな。

 

ならAmazonでと「ひるげ」と入力したらどーです、一瞬で出てきてポチッ。

 

 

で、昨日の今日で宅配ポストに届きました。いやはや、便利な世の中ですな。この日誌を書き終えたら、ひるげをすすりますよ。

 

 

さて、話は変わって先日の相模湾。カツオ&キハダを探して早朝はルアー、7時からはコマセ釣りの二刀流仕立。

 

もちろんナブラを探してルアーをキャストするワケですが、この時期、沖には「流れ藻」がたくさん漂っています。

 

 

▲主に東海、西日本からやってくる流れ藻には暖かい海の魚たちが着いています。写真に写っている大きな魚はウスバハギ

 

 

で、普通、釣り人は流れ藻があれば「シイラ着いてんじゃね」ぐらいのノリで見過ごしていくのですが、この日はナブラを見つけたかのごとく船を寄せてキャッチ。

 

▲磯ダモを改良したタモを使用。ガチです

たびたびネットを出しているので、遠くから見て「なんだあの船、また何か釣ったぞ!」と不思議に思ったハズ。実際、プレジャーボートが何回か近づいてきたし。

 

で、この流れ藻をどうするかと言うと、海水を循環させた桶に入れ、藻を上げると……ほら!

 

 

▲小さめの流れ藻でこの量

 

たくさんの小魚が着いているんです(大きい魚はネットに入れる際に逃亡します)。

 

これは流れ藻を隠れ家にして大海を旅してきた稚魚たち。ざっと見て、カワハギが非常に多く入っています。

 

 

▲カワハギは小は1センチほど、大きくで2センチほど

 

そのほか、ワタリガニ、オヤビッチャ、イシダイ、アイゴ、エビの仲間など、色んな種類がいます。

 

で、その中にはこんな方も。

 

 

▲釣り人なら頭から目にかけての線で分かるはず!

 

そう、カンパチの稚魚も入っておりました。

 

いやあ、こんな小さいころから頭に「八」の字が出ているんですな。こいつが10キロ、20キロ、はては50キロ以上に育つと思うと、感慨深いものがあります。

 

これら流れ藻の観察と稚魚の採取は、釣り大好き水産学者・工藤孝浩さんによるもの。

 

工藤さんはこの日、ルアー、コマセ釣りとまったく同じテンションで「流れ藻採取」に夢中になっておりました。

 

ちなみに当日は本誌連載「熱血!照英の釣りバカ紀行」取材での仕立船。

 

さかなクンの友人である照英さんにとって、さかなクンの師匠にあたる工藤孝浩さんは友人の師匠。船の上で色いろ盛り上がっておりました。はい。

 

 

▲照英さんと魚について話す工藤さん。でも、2人ともナブラが出るとそっちのけで釣りまくってました

 

と、ここで気になるのが……

 

カワハギが多かったぞ!

 

ということ。

 

工藤さんに聞いても、例年に比べてカワハギが多いように思われたそうです。

 

関東地方で私たちが釣っているカワハギは地元での再生産のほか、西日本から流されてくる稚魚によって魚影が維持されており、その比率は半数近くになることもあるとか。

 

西日本のカワハギは関東に比べ早生まれなので、まだ関東でカワハギの産卵がすべて終わっていない夏ごろ、2~3センチに成長して関東沿岸の藻場などに定着、秋には「ワッペン」と呼ばれるサイズのエサ取り名人として釣り人を悶絶させます。

 

カワハギの好不調は、西日本からどれぐらい稚魚が補給されるかが影響しており、一昨年までは黒潮大蛇行の影響もあり非常に少なかったとか。冬にかけて模様が上向いた昨年は、夏~秋にカワハギの稚魚がよく見られたそうです。

 

そう、流れ藻や沿岸の藻場の生物調査は、その年の沖釣り模様を占うことができるんですね。

 

で、今年は多くのカワハギの稚魚が来遊している可能性が高い。これは期待したいところです。

 

ここで気になるのが、流れ藻に着いていたカワハギの大きさ。

 

何十年と流れ藻と藻場で稚魚を見てきた工藤さんによると、全体に小さかったので紀伊半島より東で生まれたカワハギと思われ、冬にはエサ取り名人として釣り人を悩ませてくれるでしょう、とのこと。

 

 

そうかあ、君たちは中京~東海方面から来たんだね。

 

 

ここで話は冒頭に戻って赤だしのみそ汁。

 

豆みそと、だしのビターな味わいの赤だしは紀伊半島より東、中京の味。

 

そういえば、味噌煮込みとか、味噌カツとか、ワタクシ好きです。中京、名古屋つながりでいけば、ひつまぶしも、味仙本店の台湾ラーメン・イタリアンも大好き(関係ないか)。

 

なんて思い出しつつ、流れ藻に着いてやってきたカワハギたちに会える日を楽しみに西の空を眺めて「ひるげ」をすする残暑の金曜日でありました。

 

 

 

▲麩とワカメのインスタント感がまたいいんだよなあ。だしの塊みたいな味わい、たまんねえっす

それではみなさん、くれぐれも無理せず、穏やかな週末をお過ごしください。

では、また来週!