◎尾川 泰将
Wednesday尾川です。
本誌を創刊当時から愛読してくださっているという大先輩から、写真が届きました。
アマダイです。……が、よく見れば憧れのシロアマダイ。
しかも一挙に3尾、すべて40センチオーバーです。
四国か九州に遠征したのかと思いきや「西伊豆で釣れました。長年通っていますが、こんなことは初めてです」と書かれていました。
船長が内緒にしてくれと言ったのかどうかは分からないけど、詳しい場所は書かれていません。ただ水深は50メートルを切る浅場だった、とあります。
これまで、駿河湾におけるシロアマダイの実績釣り場は、沼津〜清水一帯の湾奥部が中心。
西伊豆エリアからの報告もあるにはあるけど、数年に一度耳にするかどうかのレベルでした。沖釣り歴40年の釣り人が驚いて報告してくれたのですから、これはもう、西伊豆沿岸でもシロアマダイ が増加しているに違いありません。
これから年末にかけて「紅白アマダイ」が達成できそうな有力地として、西伊豆をリサーチする必要がありますね。
もう一つ、詳しくは11.15発売の12月1日号のボート釣りコーナーで掲載しますが、関東沿岸でやたらと見かける魚が。
ヒラソウダっぽい風貌ですが、腹部の斑点が目印のスマ(ガツオ)です。現在、相模湾〜外房沿岸の広域に回っていて、コマセ釣りで普通に交じっているのです。
このスマも滅多に釣れない幻の魚として知られていて、大きな個体は本マグロと肩を並べるおいしさ……との高評価を耳にします。
これまで「個体数が少なく、大きな群れも作らないのでなかなか釣れない」という説を信じてきたのですが、現況からするとソウダガツオ類同様、かなりの大群を形成しているとしか考えられません。
シロアマダイは四国と九州の間の豊後水道や対馬暖流があたる対馬近海に多い。
スマは黒潮洗う四国〜九州の太平洋沿岸で見かける魚。
かつてはそんなイメージが強かったものの海水温上昇を含む温暖化の影響か、関東周辺で釣れる魚の顔ぶれが年々「四国化」しているように感じます。キハダを筆頭として、アカハタやオオモンハタなど南方系のハタ類が増えているのもその現象の一つでしょう。
憧れの魚がよく釣れるようになったことを喜んでいいのか、憂うべきか。
釣り人にとっては悩ましいところですが、シロアマダイやスマ、さらに今年はなぜかあまり釣れないオオニベなどの情報を引き続き編集部までお寄せください。
ともあれ今週の土日は最高の天気予報、みなさん素敵な一日を!