◎尾川 泰将

   4キロアップ! というのは私の体重でございまして、画像は2.1キロのアオリイカ。

    久びさに休めた日曜日、知人の伝馬船を借用して葉山沖へ繰り出したんです。釣り船では剣崎の喜平治丸、佐島の鶴丸、葉山の五エム丸、腰越の蒼信丸、茅ケ崎の沖右衛門丸、ボート店では葉山釣具センターで2~3キロオーバーが上がっていて、燃えまくっての出撃でした。
 シャクった直後にゴッ!と止められ、一呼吸おいてズギューーーーン! ドラグが滑りまくる官能的なジェット噴射は、この時期の巨大アオリでしか味わえません。とにかく今、ビッグサイズが接岸中。この感じなら梅雨時まで勝負できそうです。
 使った餌木は、往年のアオリファンなら泣けてくる故・大塚貴汪さん監修「プレミアムアオリーQマーブルサクラダイ4号」……がベースの、釣具やぎたオリジナルブルーライン入り。伝説は健在? 
 ボートエギングで浅場のメガ級アオリを狙うテクニックについては、館山のアジロボートへ取材した本誌6/ 15号(6.01発売)の連載「ボート釣りコマンドー」で、薩摩隼人の新鋭・橋口レポーターが紹介。ぜひ真似してみてください。
 自慢話と宣伝はさておき。
 今日22日に取材してきた内房の沿岸線も「やっぱり」でした。この時期なら、ボートのオールや船外機エンジンに絡まって仕方なかった海藻が、ない……。

   「磯やけ」です。ここ10数年、日本各地で問題視され、近年は関東~伊豆半島沿岸もひどい状況。館山、葉山ほか、どこへ行っても海藻がなく、気が滅入ります。
 磯焼けとは沿岸に生える海藻が死んで、海産物全体が育たなくなること。海藻を食べるアワビ、サザエはやせ細って育たず、稚魚や稚イカの隠れ家もない……。その負の連鎖が続くと海底が砂漠化していきます。

    磯やけの原因は複合的で解決策も見つかっていませんが、どういうわけか海藻のタネが減少、一方でガンガゼなどのウニ類やアイゴなどの海藻を食い荒らす生物が増えて、延々と悪循環が続いています。
 それを少しでも食い止めるべく水産関係機関や漁業者が協力し、日本各地でガンガゼを駆除したり侵入を防ぐフェンスを設置したり、海藻のタネをまき、植樹のようなことまでして、藻場の再生作業が細々と行われています。そうすればしっかりと藻が育つらしいのですが「予算もない」しで、小規模な範囲の実験程度にとどまっているのが現状。
 豊かな藻場の再生に資金が回るなら、私はぼーんと1万……あ、いや、1000円くらいはすぐにでも募金したい。

私的提案として、水産、環境を守る国策として、うん万人の釣りきちが任意で出資できる安心で誠実な「藻場再生プロジェクト・募金システム」の構築を、政治・行政に要望します。

    サスティナブルな海洋資源国になるために、そして釣りきちパラダイスのニッポンを後代に残すために。