◎加藤 智晴

 みなさん、アナゴ釣り行ってますかぁ~⁉︎ こんにちは、このところ餌木タコとアナゴのリレー釣りにハマっているエディターKです。

東京湾奥のマダコは6月末現在、絶好調継続中。もちろん餌木タコでも楽しめます!

 前回はアナゴ釣りがテクニカル系ターゲットで、釣果に大きな開きが出る釣り物だということについてお話ししたわけですが、今週はなぜそんなに差がつくのか、その原因と対策を考えてみたいと思います。

 先週はアナゴとマルイカは似ていると言いましたが、実はちょっと違う面もあるのです。例えば、同じくテクニカル系ターゲットのタチウオでは、仮に三石忍がミヨシで80本釣ったとしても、そこそこ腕のある人なら胴の間で40本くらい釣れてもおかしくありません。

 マルイカも同じで、仮に100杯釣った人がいても、同じように腕のある人ならどこの席でもそれなりの数は取れるはず。

 要するに、おこぼれがあるってこと。確かにアナゴもマルイカに似た部分はあるのですが、決定的に違うのは、アナゴの場合は関所が存在するということです。

 これは、アナゴの場合はアンカーを打ってのカカリ釣りになるため、どうしても潮流の影響を受けやすいからだと思われます。例えば潮先に超名人がいると、向こう三軒両隣はおろか、ヘタをすると斜向かいの村まで全滅、なんてことにもなりかねません。さらに厄介なのは、名人クラスになると、中級者以下が相手であれば、釣り座や潮先どうこうなんてことは問題ではなくなります。しかもそんな名人が二人も三人もいたら……もう恐ろしくて戦う前から白旗を上げざるを得ません。

 なんのこっちゃと思われるかもしれませんが、実際それがよく分かるのが、6月13日に釣行したときの釣果です。次の写真をご覧ください。

かみやHPより。竿頭の超名人は一番最後にやってきて、ガラ空きだった左胴の間に入っただけ

 この日は南寄りの風で下げ潮だったため、ミヨシ側が有利と思われていたのです。だから自分も、空いていた右舷ミヨシに入ったわけです。ところが、結果はご覧のとおり。完全に右舷は左舷の闘魂三銃士に殺られました。かろうじて自分とお隣の方はおこぼれにあずかったものの、そのほかの方がたはご覧の有り様。もしかしたらこの日は左舷が有利の潮で、三銃士たちはそれを読んでいたのかもしれません。だとすると、名人が潮先に入ったらもう手に負えないってことですよ。

 ね。絶対とは言いませんが、マルイカやタチウオでこんな結果になることってほとんどないですよね? これがアナゴとのそのほかの釣り、言い換えれば流し釣りとカカリ釣りの違いなわけです。

 じゃあどうすりゃいいのよ? いの一番に駆けつけて自分が特等席に入っちゃえばいい? まあそれも一理あるのですが、もし隣に名人が幅寄せしてきた場合、簡単に殺されます。アイツ、潮先入ってなんてザマだよ、って恥の上塗りです。

 う~ん、じゃあどうすんのよ。答えは一つ。自分が名人になればいいのです。自分が名人になってしまえば、あとはただひたすらに、己の道を突き進むだけなのです。

 だけどまあ、それがそう簡単にいかないのがまたアナゴ釣り。こっちだってもう20年以上はアナゴ釣りやってるわけだし、恥をしのんで名人に仕掛けやエサ付け、誘い方のアドバイスとかいただいたりしてるんですが、もう貯めた経験値の差が開き過ぎ、シャア専用ゲルググとザクくらいスペックが違い過ぎるんですね。一向に追いつくことができません。

 じゃあもういっそのことアナゴ釣りやめちまうか⁉︎ ってわけにもいかないんですよね。シーズンも残り少なくなってきましたが、あと何回行けるのかなぁ……。え? なんでそこまでして行くのかって? アナゴマニアなら多分みなさんこう答えるんじゃないですかね。

 アナゴ船が出るからだ。

 ではまた来週、バイナラ~。