◎尾川 泰将

 本日午前中まで2カ月近くも、大瀧詠一「雨のウェンズデイ」が頭の中でぐーるぐる回り続けたWednesday尾川です。とくに雨から逃れられない野ざらしのボート釣り、今年の長雨はシビレましたなぁファンの皆様!
 んが、その梅雨もようやく明けそうな気配。ボート店はもちろん閑散としていた海水浴場や海の家関係者の皆様も、こっからガッポリかせいでね。
 まぁ明けたら明けたで秋口まで猛暑、そして台風に苦しめられるんですけども、あーあ、さっそくデキちゃいましたぜ熱帯低気圧。喜んでるのはサーファーだけ、今度はビッグ・ウエンズデイのサウンドトラックがぐーるぐるですわ……。

 そういや台風明けに街を歩くと、ぶっ壊れた傘が吹き溜まっております。それをジーッと見つめていたら十中八九わたくしか、ほぼ同類のヘンタイ様。すなわちボート釣りマニアでございましょう。
 やらない人にはちんぷんかんぷんでしょうけど「パラシュートアンカーの材料になる」といえば、なんとなくお分かり? 直径1メートル前後の傘の生地部分が、小型ボート用のシーアンカーにぴったりサイズなんですよ。
 あ〜っと、ビニール傘はフニャフニャで破れやすいから「ナイロン生地」の傘じゃなきゃダメ! なんたって傘ですから撥水性も抜群だし、乾きも早いのでシーアンカーの材料に最適。市販のシーアンカーはうん千円〜うん万円しますけど、傘で作ればうん百円ですむんです。
 てことで、適当に傘をバラして生地だけにしたのが上の画像。乗っかってるのは空のペットボトル(500ml前後)で、シーアンカーの浮き玉代わりです。あとはそこらにあるロープやオモリを用意して組み上げれば簡単に作成できます。
 作り方は次号、本誌8/15号(8/1発売)の連載「小野信昭の 気ままな海のボート釣り入門」に挿し絵を入れといたので参考にしてください。

 以前、本誌女子ボート部のまあこ(現在0才児の母、休部中)が傘で作ったのがこのシーアンカー。写真の位置あたりの生地にスナップ付きサルカンを突き刺し、そのスナップに20号オモリをセット。サルカン側にはペットボトルの浮き玉を結んだナイロンライン(太さ10号、2〜3メートル)を結びます。
 収納時はペットボトルにグルグル巻きにすれば軽〜くてコンパクトに持ち運べますから、とっても重宝します。
「シーアンカーなんざ買う必要なんかないべ、見なよコレ。うちで貸してる24フィートのプレジャーボートに載せてあんヤツは、海岸に打ち上げられてたビーチパラソルで俺が作ったシーアンカーさ。ほぼタダ!」
 20数年前、あるボート店のご主人がドヤ顔でニヤリ。そうです、直径がデカいビーチパラソルなら、全長7メートル前後のプレジャーボートにも使えるんです。ただし、
・ロープはそれなりにしっかりした品を結ぶこと。
・オモリは100号前後を付けること。
・浮き玉代わりのペットボトルは1.5〜2リットルサイズ。
・回収用のロープをもう一本、ペットボトルに結ぶこと……足場の高いプレジャーボートの場合は、これがないとシーアンカーを引き上げられませんからね。

 それでは台風が過ぎたら、できればセクシー水着お姉さま、あるいは親子や女子同士で、最悪はいつものオッサン同士で、真夏のボート釣りを思いっきり楽しみましょう。