◎沖藤武彦
暑中お見舞い申し上げます。
今朝、バルコニーに置いてある温度計が42度を振り切っていたので、壊れちゃったかと思って部屋に入れたとたんグングン下がり始めたのを見て、日の当たるバルコニーが50度近くになっていたことを初めて知った沖藤です。
いやはや、家にいて熱中症になるってのも分かります。皆さんも海に出るときはもちろん、家の中、寝るときも熱中症には十分気を付けてくださいね。って、おれは気象予報士か。
8月1日の相模湾で本誌近田記者が激写(禁・無断複製)
コマセ釣り開幕と同時に相模湾内にキハダ・カツオ突入、コマセに着くのはいつ?
さてさて、今週のトピックといえばもう8月1日の相模湾キハダ・カツオコマセ釣り解禁でしょう。もちろん本誌でも取材に行っていますし情報にも目を光らせております。
で、初日と今日の結果からいえば……
キハダ・カツオともに群れは確認できるものの、コマセに着かず!
まあ、これは正常な展開とも言えるのですが、イワシを追いかけてガシャガシャナブラになっているキハダはなかなかコマセに着きません。
初日はコマセ船に同船していたルアーの方が各船で20〜30キロのキハダを釣り上げましたが、その中の動画を見たところ、なんとまあ魅力的なナブラだこと! これ、ルアー船は最高でっせ。
しばらく、一週間ぐらいはルアー船を仕立てている人はかなりの確率で釣れそう。
で、コマセ釣りに関しての展望としては、
◎ポジティブファクター=キハダだけでなくカツオの群れも発見された、湾内に入ってきた、潮が澄んでいる
◎ネガティブファクター=コマセに見向きもしない、全船が群れを発見したわけではない
といったところ。明日あたり、カツオ・キメジの混成群がコマセで釣れ始めたらいいんですけどねえ。
来週末あたりに台風が来そうな予報も出ていますので、コマセ釣りにとって、この一週間が第一ラウンドです。
じ
7月30日、締切サボって行ってきました
JAMSTEC主催のシンポジウム
「脱プラスチックオーシャン」
続いては海洋プラスチックごみ。
環境省と日本財団が主催した「海ごみゼロ国際シンポジウム」に続く、注目の講演会が先日おこなわれました。
主催は皆さんもご存じ「JAMSTEC」=海洋研究開発機構で、今年で15回目を数える「地球環境シリーズ」の、海洋プラスチックごみに焦点を当てた講演。
これがとても興味深く、考えさせられる内容でした。不謹慎かもしれませんが、面白かった!
皆さんも、「海洋プラスチックごみがやばいらしい」というのは知っていますよね。でも、「何が」「どのぐらい」「どう」ヤバいのか、ぼやーっとしてません? それを具体的な数字を提示して、分かりやすく説明してくれるのです。その中で、最もインパクトがあったのが、
「このままのペースでプラスチックごみが海洋に出続ければ、2050年には地球上の魚類の総重量をプラスチックごが上回る」
という話。詳しくは書き切れませんが、シンプルに言うと、今後、何の対策も取らずにいると、こうなるそうです。網を引いたら半分以上プラスチックごみ? というか、その前に生態系はどうなってしまうのか、人類、生きていられるのか不安です。
そして、海洋に出たプラスチックごみのうち、軽い物は表層を漂っているはずなのですが、
「表層に浮かんでいるはずのプラスチックごみの99パーセントの行方が分かっていない」。
もちろん研究者は日々探していますが、全球規模の話なので難しいとか。もう、全人類でモニタリングしなくちゃ無理です。
さらに話は5ミリ以下の「マイクロプラスチック」におよび、いよいよ深刻さの度合いを増していきます。なかでも個人的に認識を新たにさせられたのが、
「海面近くの魚類、沿岸の貝類の多くのほか、水深1万メートル超の超深海の生物からもマイクロプラスチックが検出されている」
ということ。食物連鎖ですべての生き物、もちろん人間にも取り込まれていると解釈できる話です。
これらはすべて研究、観察で実証されていて、マイクロプラスチックが生物にどのような影響を与えるのか、消化器官のほか筋肉などに移行することがあるのか、多毛類や魚類を使った実験も行われていて、データを示しながら説明してくれました。
で、だれもが一番気になる「人間にとっての害」ですが、これは平たく言うと(現在分かっている範囲であればと前提したうえで)、今のレベルでは影響はないのではないか……とのこと。
ホッとしますか? ビビりますか?
これはあくまで、これ以上プラスチックごみが海に増え続けなければ、の話です。
では、どうやって食い止めるか、端的に言えば、今、自分たちにできることは、
プラスチック製品の全否定ではなく、
「使い捨て」プラスチックを減らすこと。
たった一回で捨てられるプラスチックを減らし、ゆくゆくはゼロにして、リサイクル率を高めていくこと。まずはそれに尽きると思います。
個人的には、引き続きシンポジウムへの参加や、研究者、環境活動をしている方、そしてメーカーにもコンタクトを取りながら自分の関わっている業界として「楽しく使い捨てをやめる釣具」の可能性の提案や、取材でのバックアップをしていきたいと思っています。
ここではざっくりとしか紹介できませんでしたが、今回の内容は本誌連載「魚眼海眼」で、鈴木剛さんが数回にわたって紹介していきます。
地球温暖化に続いて海洋プラスチックごみと、待ったなしの環境問題が続く世の中ですが、どうか皆さん、やれることからトライして、くれぐれもビニール袋を飛ばさぬよう気をつけて、楽しい釣り、よい週末を過ごしてくださいね!