◉沖藤武彦

   台風10号による被害が出ていないことを願いつつ、残暑見舞い申し上げます。

   まだ台風が小笠原の南にある間に三宅島でカンパチを釣っちゃおうと向かったものの、予想以上のウネリの高さに本命場所を断念、こりゃ帰れなくなるぞと日程前倒しで帰ってきたものの、釣具と撮影機材の一部は船に間に合わず、いまだに三宅島の集配所というありさまの沖藤です。ああ……着替えが発酵してるんだろうなあ。

   関東の場合は南から上がってくる台風はけっこう直前まで出船できるもので、今回も西日本に台風が上陸した15日まで出船していた船があったほど。

   で、気になる週末の予報がこちら。

 

★GPV気象予報(気象庁)の、日曜朝6時の波浪予想は、ほとんどのエリアで1〜2メートル以内。風も穏やかな予報。茨城方面では早ければ土曜から、他の地域も日曜には出船を再開できそうです。

 

 

茨城の夜イカはムラサキ入れ乗り

フグ、タイ、ヒラメは底荒れ次第

   台風前にムラサキイカの入れ乗りで盛り上がっていた茨城の夜イカは引き続き注目。イカメタルでのムラサキゲームという、西日本にはない遊びができるのはココだけ。徐々に大型化していくので楽しみです。

   同じく茨城ではフグが好調だったものの、こちらは底荒れすると釣果に直接響くので、東京湾ともどもちょっと心配。たぶん、今ごろはフグが砂の中に潜ってるんだろうなぁ。

   底荒れとくれば銚子、飯岡、九十九里、そして福島で大型が釣れ盛っていたヒラメも影響が出やすい釣り物。もし、笹色に濁っていたら、ベタ底狙いで、少ないアタリを確実に釣っていく展開になるかもしれません。

   また、浅場がメインになってきているテンヤマダイも、この時期は底荒れが心配。とはいえ、マダイの場合はシケの後にドカーンと大釣りがあったりもするから侮れません。この時期は夜明け前と日没直前、どちらかにビッグチャンスがあります。

   また、外房大原ではイサキに交じって釣れるシマアジがピーク。船宿によっては特製の仕掛けを販売していますので、ぜひ、チャレンジを。

 

 

東京湾はほとんど台風の影響なし。

アジ、キス、カサゴは盤石

主役のタチウオもチャンス

マダコはそろそろ終盤?

   ほとんど台風の影響を受けなかった東京湾はアジ、キス、カサゴといった浅場の釣りが盤石のはず。むしろ、8月に入って湾奥で増えていた貧酸素水塊が南風で撹拌されて解消される期待もあります。

   一番人気のタチウオは観音崎周辺で引き続き釣れそう。濁り潮の入り方によっては、再び釣り場が広範囲になる可能性もあり。ただ、大潮〜中潮にかけてで、潮が速い場合があるので、オモリやメタルジグは重めも忘れずに。

   タチウオと人気を二分してきたマダコは例年ならお盆を境に下降線をたどり、いったん終わるのですが、今年はどうか? さすがに一時の勢いはなくなりましたが、まだ釣れています。

 

 

キハダ&カツオ、ワラサは

台風通過後も釣れ続くハズ!

   湾内に入ってすっかりコマセに着いたキハダは、過去の例からみてもシケ後も釣れ続くはず。台風の影響で一時的に水温が下がったとしても、黒潮が房総半島に向けて突き上げるように流れている現在は影響も少なそうで、相模湾一帯は27〜28度の潮に覆われています。

   その様子がこちら。

★一都三県海況速報(神奈川県水産研究センター)15日。前日よりやや離れたが、黒潮は房総半島に突き上げており相模湾一帯は高めの潮に覆われている

 

   魚類学者に聞いたところでは、キハダ&カツオや大型の青物(ブリ、ヒラマサ、カンパチなど)は、ちょっとやそっとのシケではほとんど影響を受けないそうで、もし、シケの影響を受けるとしたら、それは急激な水温変化とのこと。

   つまり、急激に水温が変わりそうにない今回のシケは、むしろ、好材料になるかもしれません。と、ポジティブに捉えていきましょう。

   ちなみに、この海況はカツオにも好条件で、相模湾だけでなく房総半島、茨城にかけての広範囲で釣れていました。ただ、14日以降、ちょっと黒潮が房総半島から離れ気味なのが気になりますが……。

 

 

真鶴から南伊豆は

ハタ類とスルメ天国か

   キハダ跳ねまくる相模湾の西部、真鶴では今、アカハタ、オオモンハタをメインとしたロックフィッシュゲームが絶好期を迎えています。

   1オンス(28グラム=8号弱)ほどのシンカーとワームを使って釣るハタ釣りで、西日本を中心に盛り上がっているのですが、いよいよ伊豆半島、その付け根の真鶴でも楽しめるようになったわけです。

   まあ、温暖化の影響もあるのでしょうが、キハダ同様、有効に活用して楽しみたいものです。

   ハタ類といえば南伊豆では昨年以上にモロコ(クエ)が上がっています。釣行の際は、エサのサバ釣りに苦戦することも想定して、冷凍サバやマルソウダを持参できればベスト。なにげに、冷凍マルソウダがモロコ釣りでは最強エサではないかと思っています。

   そして全国的にスルメ不漁のなか、ブッチギリで釣れていたのが石廊崎沖のスルメイカ。釣果は釣り手にもよりますから、上手な人が乗った日は釣果がグーンと上がります。つまり、イカ自体はかなりいるってことです。

   台風後も続くと思われますから、腕に覚えのある沖イカファンは、ぜひ!

 

   さてさて。関東周辺ではまだまだ釣り物があるのですが、それ以外に、ちょっと足を伸ばして楽しんでみたい釣りを最新号では特集しています。

   新潟のアラ&タラ、福島の大ビラメ、御蔵島遠征、そして本場関西のテンヤタチウオ&餌木タコなどなど。

   そのほか、編集日誌でも報告している海洋プラスチックごみに関する記事(連載・魚眼海眼)も載っています。

   まだまだ夏は続きますから、ぜひ、ちょっとぜいたくな大人の遠足を楽しんでください。

   では皆さん、よい週末を!