◎沖藤武彦
ども。釣具店でスナップサルカンやハリを買うたびに、家に帰って同じ号数ばかり増えてることに頭を抱える沖藤です。
まあ、仕掛けを作っていればサルカンやハリはどんどん減って行くワケなんですけど、なぜか増えちゃう号数ってありますよね。
ところで、関東周辺の沖釣りって、何種類ぐらいターゲットがあると思います? 以前、ワタクシもシンポジウムで話をしたことがあるのですが、東京湾だけで40種以上、関東周辺になると50種にのぼるんです。
そのすべてに専用の仕掛けがあって、それぞれ地域型、アレンジ、派生型があります。
たとえばアジなら、ビシアジ、ライトアジ、サビキアジ、バチコンアジング。
マダイならコマセダイ、エビタイ、一つテンヤ、タイラバ、タイジグ……。
それぞれにタックル&仕掛け、作り方、結び方がありますから、その数は50魚種で計300ちかく。もう、趣味というより漁労文化ですわ。
それをドーンと一冊にまとめたのが、8月22日に発売されたタツミムック『最新版・沖釣り仕掛け全集』。
▲『最新版・沖釣り仕掛け全集』タツミムック[タツミつりシリーズ]
編集部員が長年にかけて取材、蓄積した沖釣り仕掛けの種類や結び方をまとめた一冊なのですが、担当した斉藤前編集長の変態チックなこだわりがギッシリ詰まった本になっています。
今の世の中、フツーは、予算いくらで、何ページで作って、何部売れれば採算がとれて……と、予算とページ数ありきです。まあ、当たり前だけど。
それが、サイトーさんの場合はとにかく、
「これが載ってないと困る」
「これが出ているのなら、これが載っていないとおかしい」
「だからハゼっちゅうのはだなあ」と、入れるべき材料をガンガン詰めて行って、その結果が228ページでした!(予定大幅オーバー)という感じで本を作っちゃうわけです。
▲たとえばヒラメ仕掛けでは準備のしやすさと現場での結びやすさを優先した仕掛けの作り方、エサの大きさが分かっているときの仕掛けの作り方と、複数のバージョンを掲載
▲仕掛けの作り方が載っていて仕掛けの収納方法が載ってないってのはおかしいだろ、と、小物から大物、深海、イカまで、各種収納方法を紹介するヘンタイっぷり
もちろん採算の面でも、労力の面でも、めっちゃ大変です、本人が。でも、パラリとめくれば「うわっ、なんだよコレ!」と思うほどの濃さ。これぞ出版、好きな物を、好きなように、読む人のことを思って、熱中して作った本です。
ちょっと長くなりますけど、ワタクシがつり情報に携わるきっかけも、渓流釣りとフライフィッシングの別冊でサイトーさんと仕事をして、効率を完全に無視して好きなことをトコトン突き詰める編集方法に感動したからなんです(まあ、体力と予算はマジでキツかったですけど)。
で、本書のうち、ワタクシが最近取材したものではキハダのエビング、タイジグ、タイラバ、イカメタル、バチコンアジングなどの仕掛けパターンとタックル例、作り方が収録されています。
全228ページで、収録している仕掛け&タックルと結び方は280種以上。図版作成を担当してくださったコジマノリオさん自ら、実際に結んで作図しています。もう、完全に採算度外視です。打ち合わせで鰻を食べたのが運の尽き、ありがとうございました。
「この魚って、どんな道具と仕掛けで釣ったんだっけ?」
とか、
「この仕掛け、どうやって結ぶんだっけ?」
というときに、必ず答えが載っています。
ハゼからマグロまで、イイダコからベニアコウまで、エサもルアーも、すべて網羅した沖釣り仕掛けの広辞苑といえる一冊は、本体価格2000円。ぜひ、お手元に!
https://www.amazon.co.jp/沖釣り仕掛け全集(仮)-つり情報編集部/dp/4777823407
追記:次号の巻頭特集は「東京ドラゴン研究所」。
ドラゴンの釣り方(ほぼ都市伝説?)だけでなく、東京湾でのドラゴンデータ分析、ドラゴンの定義、基準となる指幅とは何か? など、急ピッチで編集作業を進めています(写真はツキノワグマを捕獲・調査している様子ではありません)。
それではみなさん、よい週末を!