◎尾川 泰将

 Wednesday尾川です。
 台風での被害、そして熱中症などで亡くなられた方々へお見舞い申し上げます。そして猛暑のなか懸命な復旧作業にあたっている皆様、本当にお疲れ様です。ご自身が倒れないよう、だましだまし作業してください。
 なお現時点の最新情報では、本誌加盟の関東〜東海エリアで大半の釣り船は、ひどくても、なんとか直せる損傷で済んでいる模様。徐々に出船も始まっています。

 大変なのが大規模停電、一部断水、電話もケータイもつながりにくい内房〜南房地区。昨夜なんとか電話がつながった千葉県館山市の知人によると、ニュースで流れたコンビニの半壊などは氷山の一角とか。
 屋根や壁、看板が吹き飛んだ家屋や店舗が多数あり、電線は千切れて、陸に倒木、海には流木、港を覗けば係留船の半沈没に陸揚げした船の横転などが、内房〜南房沿岸の至るところで見られるそうです。
 それより何より、
「水道が使えない富津方面に比べればましだけども、やはり停電がつらい」とのこと。エアコンなし、冷蔵庫もダメ、電源を要す固定電話も不通(昭和の黒電話は大丈夫だそう!)。電源がないので港のスベリでウインチも使えず、船の上げ下げすらできない。自宅や施設での療養・介護も医療機器が使えず他地区の病院などへ救急搬送などなど、ゆゆしき事態です。

 

 上図は台風15号の進路で赤いほうが今回の径路。当初は伊豆下田をかすめて相模湾を縦断する黄色いラインの予想で、神奈川県藤沢市に住む私は天気予報サイトWindyのアニメーションや、GPVを見ながらビビりました。
 中心付近の最大風速40メートル、瞬間最大風速60メートルの台風がこのラインでくるとしたら、最も風が強いとされる「台風中心部の右側」が直撃。日中のうちに屋外の自転車を横に寝かせ、バイクを家屋の影に隠し、マイカーが風でズレてもストップするように壁ギリギリまで寄せました。台風銀座の瀬戸内海西部に生まれたサガというやつです。
 実際は三浦半島の横須賀を横断するように進路がずれて、台風の右側が当たる内房から南房に大被害を与えたわけです。また、干満差が少ない若潮まわりにもかかわらず三浦半島東岸を中心とした東京湾側で、高潮らしきもあった模様。係留した船が陸や桟橋に持ち上げられたり、貸しボートが流されたところもあります。

 下図は気象庁のtenki.jpから転載したイラストで、気圧低下の「吸い上げ」と強風による「吹き寄せ」のメカニズム。

 

 若潮とはいえ満潮が夜中の0時前だったこと(三浦半島)、そににとてつもない強風が加わってこの状況が起きたと推測されます。ちなみにこれは、開けた海域よりも海峡部や内湾部でパワーが増大するようです。

 それにしても本日復旧予定だった千葉県西部〜南部の停電が「見通しが立たない」という表現に変わったのが、いらだたしいばかり……。それでも現場作業チームは、確実に、きちんと休みながらの、復旧をお願いいたします。
 その間、政府・行政は発電・電源車両や電源船舶なんかをどんどん送り込むべし! 民間メーカーも世界のトップニュースになるくらいPHV、PHEV車両なんかを無償でじゃんじゃん提供してほしいものです。
 金は天下の回りもの、きっと自社の売上げに跳ね返ることでしょう。

追記

9.12の時点で、台風の通過ルートでありながら情報がつかめず気がかりだった伊豆諸島にも甚大な被害があるとのニュース。

また伊豆半島の知人からも「小屋が全壊」「沈船あり」「貸しボートが吹き飛んだ」との報告あり。

まだまだ被害の全容が不明です……。