◎内山高典

 サバ缶がブームで原材料が不足している、なんて話しもありましたが、今冬も外房〜南房にマサバの群れが押し寄せています。

 サバの産卵期は諸説ありますが、外房〜南房の沿岸でこの時期に釣れ盛る通称「寒サバ」は、産卵に備えて栄養を蓄え、魚体が充実し、食味が最もいい時期とされています。

 私の大好物は「しめサバ」です。寒サバ釣りに行く機会に恵まれたので、さっそく作って味わいました。

 作り方はスタンダードです。三枚におろした身の両面に粗塩をたっぷりまぶし、冷蔵庫で30〜40分置きます。すると余分な水分とともに青魚の臭みが抜けて、マサバ本来のうま味が引き立ちます。

 漬けだれは、穀物酢と日本酒少々。ビニール袋にサバと漬けだれ入れ、空気を抜いて口を縛り、冷蔵庫で5〜10分置きます。身の表面が白くなったらでき上がりです。

 

 刺身の表面がテラテラ輝くほど脂が乗っていて、血合の薄紅色が食欲をそそります。チョンとしょう油を付けて食べるとウマイのなんの。ペロッと半身を完食しました。

 脂の乗りなら輸入物のタイセイヨウサバも相当なものですが、やはり生で味わうなら「寒サバ」が最高です。


 脂が乗ったサバは加熱しても身が硬くならないので、塩焼きや干物もおすすめです。とくに味噌煮は朝食のおかずに重宝します。

 多めに作った味噌煮を、一切れずつラップフィルムに包んで冷凍保存すれば、電子レンジでチンするだけですぐに食べられます。冷凍保存で1〜2カ月はおいしくいただけるので、常備食にぜひ!