◎尾川 泰将

 世の中、プチ・パニック。不眠不休で研究と対策に勤しんでいる現場の方々にエールを送りつつ、一刻も早く不安が消え去ることを願います。

 そんなわけで湘南⇔東京の遠距離電車通勤を止めようかと検討中、いやぜひとも止めたいWednesday尾川でございます。実はすでに昨年から「令和2年はICTに乗っかったテレワークってやつで仕事をしよう」とマジで考えてましてN発行人にも進言ずみ。区切りのいい頃、発動予定。

 

 さて。嫌なことも海へと向かえばサラリと忘れちゃうのが釣りきちの習性。華やかな乗っ込みの「桜鯛」の季節が迫ってきたところで、桜を見る会に参加し……じゃなくて取材の合間に「伊豆半島の早咲きのサクラ」をここ1カ月ほど追いかけた画像をご紹介。
 いんやぁチェックしてみると、サクラについて非常に無知だったことが判明しました。

 それでは、伊豆半島で出あったサクラたちを「早咲きの順」でどうぞ。

 

 
●トイザクラ(土肥桜)

 ここ十数年で、西伊豆土肥の名物になりつつある、真冬に咲くサクラ。花は濃いピンク色です。日本一早く咲く品種の一つらしく、12月ごろ開花して1月が見頃。早いものは11月に開花しちゃうんだとっ!

 そんなわけで2月初旬にはご覧のようにほとんど散っていましたが、それもまた風情があっていいですね。

 

 

●アタミザクラ(熱海桜)

 転じて東伊豆、熱海特産のピンク色のサクラ。1月中旬〜2月初旬が見頃のようで、恥ずかしながら「あわわ、カワヅザクラがもう満開じゃん、まさに温暖化だぜ!」なんて勘違いをしていたのがこれ。
 熱海市では「梅園&熱海桜」のお祭りを、毎年開催。アタミハヤザキ(熱海早咲き)とも呼ぶ、歴史のあるサクラだそうです。

 

●カワヅザクラ(河津桜)

 あまりにも有名。2月が見頃となる、早咲きサクラの代名詞ですね。ただいま東伊豆河津町でお祭り開催中です。昔は一般への株分けを規制していたらしいけど、今は各地に植樹。私の地元、湘南・江ノ島の島内にも本種が植えられた公園があります。

    あ。まったくの余談ながら、天城越えの歌詞が頭に浮かんできたぞぉ……めちゃ怖いぜ、あの女性の情念。でも、なぜか惹かれる。肩ごしに山が燃えて見えるというドーパミンだくだくのひと時、ぜひとも過ごしてみたい。

 

 

●オオカンザクラ(大寒桜)

 薄紅色の花弁に「うわわソメイヨシノがもう咲いてる、狂い咲きだ!」と叫んだら、そばにいた売店のおばちゃんに指摘されて大恥かきました……。おかげで、オっ、オカンサクラで完全にインプット!?
 まさに今、伊豆半島沿岸を走っていると点々と見かける、大木に咲くサクラです。ソメイヨシノが開花する直前に満開を迎える種として、園芸マニアには有名だとか。

 

 ちなみにオオカンザクラを撮影した同日のソメイヨシノはこんな感じ。

 

●ソメイヨシノ(染井吉野)

 ……寒っ。

 とはいえここに並べた今シーズンのサクラの面々は、間違いなく満開が早まった模様。

 ならばもしやと、ソメイヨシノのつぼみの開き具合、さらにお月様の満ち欠けを睨んで、早まりそうな「乗っ込みダイ突撃の日」をカンピューターで真面目に黙考する、昭和の釣りオヤジでございます。

 それにしても初冬から初夏まで実に半年にわたって、多様なサクラが沿道を走る釣り人の目に飛び込む伊豆半島って、とてもスペシャルな場所。
 それぞれの季節に釣れるマダイに、年末年始は「金賀の土肥桜鯛」、早春のころは「熱海早咲き桜鯛」……なんて命名して名物にすれば、地域活性化に一役買うかも。うあっと、謹賀じゃなくて金賀としたのは土肥金山とかけたダジャレです、お粗末。