◎沖藤武彦

ども。10万人あたりの新規感染が0.5人未満ながら「東京都と接している」という理由で緊急事態宣言の解除が見送られた千葉県民、沖藤です。

まあ、東京ディズニーランドとか、東京ドイツ村とか、自ら東京を名乗る千葉県ですから(東京都知事選のほうが千葉知事選より感心が高いし)仕方ありませんが。

でもね、この調子なら20日過ぎには全国的に解除だって浮かれちゃいけません。治療薬が行き渡るまでは、新型コロナウイルスを甘く見ちゃいけません。

各船宿は座席間隔を空けるなどの対応をしていますが、ドッと人が押し寄せちゃうと、あらゆる点で対応しきれませんから、緊急事態宣言が解除されても、できるだけ予約を取ったり、平日にしたり、配慮しましょうね、マジで。

さて。

5月14日に39県の緊急事態宣言が解除されたのを機に、営業再開に際して、飲食店など各業界団体では新型コロナウイルス感染防止策のガイドラインが続ぞくと発表されました。

飲食店で席の間隔を1メートル空けるというのは、かなり厳しいという意見もあったりしますが、地域、現場など、できるかぎり柔軟に対応しつつ、感染再発防止、または再拡大のリスクを最小限にとどめる目安として、業界ごとに共有していくことになるのでしょう。

もちろん中小企業にもガイドラインは示されていて、私も今朝、新聞を読んで編集部のテレワーク人数を確認したりしています。

とまあ、皆で力を合わせて、このやっかいなウイルスとうまく付き合おうと知恵を出し合い、生活様式(=ライフスタイル)を変化させていく中、はて、釣り船は感染予防のガイドラインってあるの? と思った方もいたのではないでしょうか。

皆さんご存じのとおり、遊漁船は緊急事態宣言が発令される前から、場所によってはかなりしっかりと感染防止策を打ち出して実行しています。

編集日誌でも3月30日に取り上げており、その時点でかなり具体的な対策が採られています。

以下、その例。

 

〇 乗船人数を減らし、座席間隔を開ける
〇 船で人の手が触れる場所などの消毒
〇 乗船名簿記入時のペンや乗船札の消毒
〇 キャビンの入室制限(船長の指示にしたがう)
〇 人数を事前に把握するため予約制の導入
〇 ごみの各自持ち帰り
〇 できるかぎりマスクの着用の呼びかけ
〇 屋外または人数を限定しての屋内での受付

 

今見ても効果的と思われる立派な対策ばかりですが、これらはあくまで自主的(一部自治体では協力の要請が出回りました)に行われているもので、ガイドラインではありません。

 

そうなんです。まだ、遊漁船に関しての広範なガイドラインは提示されていないんです。

 

そもそも、遊漁船には全国規模の業界団体はありませんから、この場合は水産庁が該当するのでは? と思い、水産庁に「遊漁船業のガイドラインについて」問い合わせてみました。

担当者がテレワークということでメールにて11日に質問し、14日に回答をいただきました。それによると、

「遊漁船業者の約4分の3は漁業と兼業されている実態もあることから、全国漁業協同組合連合会(全漁連)が作成したガイドラインを、遊漁船兼業者にも周知」

するとのことで、

「残る4分の1の事業者については、当該ガイドラインを入手し、水産庁より都道府県経由で、周知する」

とのこと。

 

で、14日に全漁連より、新型コロナウイルスに関するガイドラインに関する資料が提示されていました。

https://www.zengyoren.or.jp/information/detail.php?type=press&id=152

まあ、詳しくは本誌6月1日発売号で説明する予定ですが、ざっとプリントしたのがこちら。

https://www.zengyoren.or.jp/cmsupload/press/152/guidelines.pdf

分かりやすいリーフレットもあったのですが、ガイドラインが改正されたのでこちらの文書になります。いやはや。

内容は大まかに5つに区切られていて……

1 新型コロナウイルス感染症の予防対策の徹底
2 出航前及び航海中の対応
3 新型コロナウイルス感染症患者発生時の患者、濃厚接触者への対応
4 船内及び設備等の洗浄の実施
5 業務の継続

そのうち予防に関するのは1。

大まかに言うと、

 

◎とにかく「3つの密」をさけるべし
◎事務所や船内の手洗い、手指の消毒
◎できるだけマスク着用、咳エチケットの徹底
◎船内の人がよく触れる場所の拭き取り作業

 

となっています。

※なお、人と人の間の距離はソーシャルディスタンスとしか書かれていませんので、厚労省のすすめる1〜1.5メートルと解釈できます。またマスクを着用しない際は2メートルを目安に適切な距離を取るようすすめています。

で、この全漁連のガイドラインを元に、遊漁船業者向けに都道府県に周知、ということになる……わけですよね。

内容としては、首都圏の船宿さんや、防疫に積極的な船宿さんからしてみれば「そんなのとっくにやっている」レベルで、逆に、あまり気にしていない宿では「やらなくちゃダメ?」といった感じかと思います。

まあ、いずれにしても、ガイドラインはあったほうがいいと思います。コロナ対策で正解か否かのジャッジはできませんが、水産庁など公の機関が示すことで、業者間の軋轢や非難の応酬を防ぐことができるでしょうし、何より利用者として安心材料のひとつになります。

 

でも、イマイチ伝わりにくいんですよね……内容が。

やっぱり、一日も早く、釣り船向けの分かりやすいリーフレットを作成してほしいと願うのですが、それに関しては、今のところ予定がないとか。

「事故防止のお願い!」なんて、水産庁と海上保安庁の連名で、分かりやすいリーフレットを作っていただけに、頑張ってほしいものです。

ちなみに、現時点で分かりやすいのはどれかと言うと、これが該当するそうです。

 

 

 

https://www.zengyoren.or.jp/cmsupload/press/152/yoboutaisakupr.pdf

……うーむ。遊漁船というより、専業の漁師さん向けですよね。

もちろん、役所は何をやっても遅いとか、気が利かないとか、必ず文句を言われるでしょう。でも、それも仕事。地道に、でもスピード感を持って頑張ってほしいと願っています。

 

この内容は先日の「新しい沖釣り様式」に含め、取材を進めたのち、6月1日発売の『隔週刊つり情報6月15日号』に掲載されます。

なんて調べ物や連絡をとりあっているうちに、今日も本誌の仕事が1ページも進まず週末も仕事が決定的な沖藤でした。

 

というか、最新号の宣伝したかったのになあ……。

 

マジで編集アルバイト(ネコ秘書はいます)を募集しようと思う今日このごろ、皆さん、くれぐれも無茶せず、よい週末を過ごしてくださいね!