◎尾川 泰将

 本日発売の本誌8/1号は、ファイナルラップに突入したマルイカ、絶好調の夏ビラメ、そして出船船宿がどんどん増えている南房シマアジの三大特集。ぜひご一読ください。

 10代のころ、雑誌ポパイやホットドッグプレスでブルックスブラザーズを知り、ボタンダウンやマドラスシャツに憧れたWednesday尾川です。余談ながらその米国老舗ブランドが7月9日に倒産。ファストファッションの台頭、そしてコロナ禍による強制休業が引き金になったと報じられていて、昭和のオッサンはさみしいよ……。

 そしていつまで続くのか、ニッポンも色いろと大荒れ。われら釣り人は豪雨にシケの悪天候、妙な潮の流れなどで苦しめられています。
 三浦半島の南西に浮かぶ城ヶ島西沖ブイの潮流データを見ても、その暴れっぷりが分かります。

 ゲジゲジ模様は潮の向きと強さを、神奈川県水産技術センターがグラフ化したもの。一日ごとに潮の向きが真逆になる、すさまじい混乱ぶりです。
「沖の潮が日々メチャメチャ。まったく読めないので苦労するよ」と船長たちがボヤくのもうなづけます。
 個人的見解としては黒潮大蛇行が原因と見ており、研究機関の蛇行予想によるとまだまだ続く様子。
 しばらくはこの「ねじれた潮」が当たり前と覚悟して、対応していくしかありません。

 海の異変といえば、全国に広がる「磯やけ」も長期化し、伊豆~関東沿岸も海藻が枯渇、それを食べて大きくなるアワビやサザエの不漁が続いています。
 けれど漁業関係者も負けてはいません。磯やけの原因の一つとされるウニを捕獲・駆除すると共に、そのウニ資源を逆に活用する研究が行われているのです。
 例えば神奈川県では小田原や逗子などでウニの養殖実験が進められていて、なんと「キャベツ」などを食べさせて身を太らせているそう。その一部は、少量ながら地元の鮮魚店などで販売にこぎ着けているのです。
 けっこう美味とのウワサなので、キャベツウニをどこかで見かけたら、ぜひとも食べてみたい!

↑これがキャベツウニ(筆者が勝手に命名)で、画像は神奈川県水産技術センターのホームページより転載。

 ちなみに販売価格は……残念ながら通常のウニと同レベルとか。
 ある程度の出費は覚悟せねばなりませんが、磯やけが軽減し、環境保全と水産業の活性化につながるのなら、カミさんに内緒で買います。