多彩な魚が釣れる楽しさ満載
夏の相模湾でウイリー五目

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※料金等データは2020年6月のものです。

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季節に応じて多彩なターゲットを狙える相模湾のウイリー五目は手軽に楽しめる釣り物の一つとしてビギナーやファミリーにも人気。 取材した腰越港の喜久丸はこの釣りを周年看板に掲げる老舗船宿。夏場は腰越沖の水深25〜70メートル前後を探り、ポイントごとに狙う魚種が分かれている。 目下は最初に浅場でタイ類を狙い、続いて深場でアジ、サバをメインに据えて土産を確保。そして後半は再びタイ類を狙うという、リレー釣りのようなメニューが楽しめる。

 田村船長によれば、今後もマダイやクロダイ、イシダイ、ハナダイ、メジナ、アジ、サバなど多彩な魚が釣れ、さらに8月はワカシなどの青物が増えるとのこと。ウイリー五目らしい賑やかな釣りが楽しめることだろう。

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 タイ類が狙える夏もチャンス
相模湾のウイリー五目順調!

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「マダイやクロダイが釣れているので、長ハリスの1本バリ仕掛けを持ってきてください。ウイリーはアジやサバがメインで釣れてお土産は十分です」と、相模湾腰越港・喜久丸の高橋増彦船長。 同宿は相模湾のウイリー五目のパイオニアで、船長が親切ていねいに釣り方を教えてくれるし、レンタルタックルも充実しているのでビギナー連れのグループに人気だ。 魅力はなんといっても四季折々のターゲットが狙えること。目下は1キロ前後のマダイやクロダイのほか、25〜35センチ級のイシダイ、20〜30センチ級のハナダイ、アジ、サバ、メジナなどが釣れているそうだ。

 

クロダイで幕が開く

 多彩な魚種が釣れる模様をお届けするため、腰越港を訪れたのは6月16日。受付で高橋船長にあいさつして、船着き場へ向かう。 この日、第十八喜久丸の舵を握るのは田村勇太船長。私は左舷ミヨシに座りタックルの準備をする。 6時15分に私を含めて3人で出船。港を出るとすぐ右手に江ノ島が見えるものの海上から眺められるはずの富士山は雲で隠れてしまっている。楽しみにしていたのにちょっと残念だなあ、と思っていると…。「まずはマダイやクロダイを狙います。ハリス3号6メートルの仕掛けを準備しておいてください」と船長。

 10分ほどで水深25メートル前後のポイントに到着。「はい、どうぞ。水深25メートルです。タナは底からで、ハリス全長に合わせてください」とのアナウンスでスタート。 船長に釣り方をうかがうと、「夏場はエサ取りが多いのでコマセは数回に分けず指示ダナで1回だけ振り出すようにしてください。 タナ取りして5分たったら、仕掛けを回収して付けエサを確認します。オキアミがなくなったり、かじられているときは次の投入も5分間隔で手返し、エサが残っているようでしたら10分待ちましょう

」 アミコマセをカゴに8分目ほど詰めて投入。着底したら糸フケを取り、道糸のマーカーで正確に6メートル巻き上げてからコマセを振り出して置き竿にして待つ。 アタリがないまま5分たち、仕掛けを回収すると付けエサがかじられている。しかし、手返しを繰り返すうちエサが取られずに戻ってくるようになった。 次の投入からは10分待つつもりで置き竿にして撮影していると、なんと私の竿にアタリがきた。

 釣り座に戻り、竿を立てると重量感のある引きが伝わってくる。引きの感じから掛かっている魚が分かるほどの経験値はないので、相手はマダイと想定、竿尻をお腹にあてて慎重に巻き上げると時折、ギュンギュンと引き込むのがたまらなく心地いい。 やがて海面に姿を現したのはクロダイ。船長にタモ取りしてもらい、1キロ級をキャッチ。教わったとおりに釣れました。田村船長、ありがとうございます!

 

でっかいマダイが浮上!

 その後はアタリが遠のいたため、9時過ぎに移動となる。「お土産用にアジとサバを狙います。ウイリー仕掛けに交換してください」 5分後、水深70メートル前後のポイントに到着。「はい、どうぞ。水深70メートルです。底から5〜6メートルに反応があります」とのアナウンスで再開。 今度はウイリー仕掛けの釣り方を船長にうかがうと、「仕掛けが着底したら仕掛けの長さ分巻き上げてから、1回シャクるたびにリールのハンドルを1回巻いて5秒待つ、を繰り返しながら底上10メートルまで探ります。

 これを2セット行いますが、2セット目は1セット目にまいたコマセが効いているのでヒット率が上がります。アタリが遠いときは待ち時間を10秒にしてみてください」 コマセカゴの調整はそのままでいいとのことなので、アミコマセをカゴに詰めて投入、着底したら糸フケを取り、3メートル巻き上げてからシャクり始める。 すると底上8メートルまで誘い上げたところでアタリがきた。手巻きで魚の重さを感じてから電動リールのスイッチをオン。上がってきたのは35センチ級のサバ。

 ほぼ同じタイミングで右舷ミヨシの永井さんが同サイズのサバを取り込み、続いて右舷トモの方はムシガレイをキャッチ。 その後、アタリが遠のいたため11時過ぎに朝イチに反応が濃かった水深25メートル前後のポイントへ移動、再びタイ類を狙うことに。 アタリがないまま1時間が経過したころ、サバが回遊してきたようで、船中ポツポツ取り込まれる。

 ややあって、置き竿にしていた右舷ミヨシの永井さんの竿先が海面に突っ込んだ。竿を持って巻き始めると、掛かった魚が走り出して道糸が出されていく。 巻いては出されを繰り返しながらのスリリングなヤリトリが続き、やがて船ベリから5メートル先の海面にボコンと魚が浮き上がる。 船長がタモですくい上げたのは、65センチ、3.2キロのマダイ。「最初はサバがヒットしたと思っていたら、突然走り出したのでタイだと分かりました。本当に釣れてよかったです」と永井さん。

 やがて12時45分に沖揚がり。釣果は船中3.2キロのマダイと1キロ級のクロダイほか、30〜35センチ級のサバ、ムシガレイ。 今回は多彩な魚種を紹介することはできなかったが、田村船長によると、今後もマダイやクロダイなどのタイ類をはじめ、アジ、サバ、メジナ、ハナダイなど多彩に狙っていくとのこと。夏のウイリー五目はこれからが本番ですぞ!


相模湾腰越港 喜久丸

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10467・32・8615

▼料金=ウイリー五目乗合一人 1万円(エサ、コマセ、氷付き)

▼6時15分出船。駐車場500円。 WEB割引プランあり詳細はHP(https://kikumaru.net)参照

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