◎尾川 泰将

「11月12日、真鶴の定置網で、オオニベが1.2トン水揚げがあったようです」
 小田原の友人からショッキングな最新情報が届きました。

 Wednesday尾川です。ちょっとマニアックでしたが、前号のミニ特集「オオニベ追跡」への反響はそこそこあって、いろんな情報が寄せられています。
 それにしても1.2トンはすごい。1尾あたり3~5キログラムと仮定すると、300尾前後のオオニベが入網したことになりますから、ワラサのように大群で移動していることは間違いないでしょう。
 これから年末にかけて、冒頭のような現象が茨城県~静岡県で見られるのではないかと予想しているので、皆様からの最新「現場情報」を、読者のページ・おでこ長屋まで投稿願います。

 

 このオオニベに先行して関東沿岸で増えているのが、オオモンハタとアカハタ。なかでもオオモンハタはここ10年の間に勢力を強め、すっかり定着した感があります。というのも幼魚はもちろん、最大寸の60センチ2キロ級まで釣れているんですから。
 これはもう間違いなく、冬を越して再生産を繰り返していると考えていいでしょう。
 思い出すのは10数年前に訪れた、四国高知のスーパーマーケット。鮮魚売場に見慣れないハタが並んでいて、図鑑で調べてみるとこのオオモンハタだったのです。
 従業員の方によると「こちらじゃ普通に獲れますよ」とのこと。へー、さすが南国、変わったハタがいるもんだなぁと感心したものでしたが、今や関東でも普通種ですからね……。

 オオモンハタ、そしてオオニベは本来なら四国~九州南部が本拠地。それが海水温上昇ほか様ざまな要因によって、勢力を北方へ拡大している様子です。
 関東の海は、今や四国の環境に近づいている……。そんな気がしてなりません。