◉沖藤武彦

 

ども。昨日、天気予報が思いっきり外れ、期せずしてカワハギ釣りの船上で冬の訪れを実感してきた沖藤で……てっ、へーっくしょん! って、クシャミも冗談にならない今日この頃、いやはや。私はいたって健康です。

 

と、カワハギといえばあーた、『つり情報』の最新号はカワハギ特集、その名も「おかえり カワハギ!」

 

紙版、電子版、読み放題サイトなど、色いろな形態でご購読いただけます

 

特集では入門から名人級のテクニックまで紹介しているのですが、いざ、カワハギ釣りに行って、釣れて、結構なやむのが、

 

小さいカワハギが釣れちゃったとき。

 

10メートル前後なら、すぐに逃してやればピューって戻りますが、20メートル、30メートルを超えると、なかなかそうはいきません。また、

 

リリースしようかどうか悩む大きさが釣れたとき

 

これぐらいのやつとか

 

も悩みます。ついでに言えば

 

1、2枚なら持ち帰らずに逃してやりたい。

 

と、思うことも。

 

ちなみに、カワハギ釣りのメッカ・三浦半島の久比里では、船宿が共同で毎年カワハギの種苗(稚魚)放流をおこなっています。釣るだけでなく、資源を大切にしていこう、というスタンスで取り組んでいるわけですね。

 

そしてこの数年のカワハギの減少は、ファンならずとも知られたところ。ですから、我われ釣り人も、

 

必要以上は持ち帰らない、殺さない。

 

という姿勢を基軸にしていくべきだと思います。まあ、遊びで釣りをするのなら当たり前のことですけど。

 

でも、カワハギはエアー(フキとも言います)が体内で膨らむと腹を上にして、すぐ死んでしまいます。

 

ですから、迷っている間にバケツの中で弱ったり、死んだり、リリースしても浮いてしまいます。

 

そこで、水深20〜30メートル、またはそれ以上の深場を狙う(水圧変化で体内のガスが膨張しやすい)これからの時期は、リリース、またはバケツの中で生かしておくためには

 

エアー抜きが必須となります。

 

こちらがエアー抜き用のハリ(ニードル)。中空になっています。

 

水に浮くJBのトーナメントニードル(右)と、ACTIVEのエア抜き針(左)が、釣具店、通販サイトで入手できます。

 

で、カワハギのエアー抜きは他の魚に比べ、非常に簡単です。

 

通常は浮き袋(多くの場合胸びれ後方にあります)にエアー抜きバリを刺すのですが、

 

※ACTIVのエア抜き針パッケージより転載

 

カワハギの場合は腹部の下端に浅くハリを刺すだけで「プシュッ」とエアーが抜けます。

慣れてくると皮を浅く刺すだけで簡単にエアー抜きができます

 

エアーを抜いたら、いったんバケツの中などで泳がせて、正常に泳ぐかどうか確認してから、移動時などにリリースします。

 

釣っている最中にリリースすると、他の魚が驚く(説)と言われることがあります。まあ、そこまで気にする必要があるかどうか疑問ですが、エチケットではあるかと思います。

 

この「エアー抜き」、慣れれば慣れるほど、早くなり、成功率も上がっていきます。

 

YouTube「つり情報チャンネル」にも動画をアップしておいたので、ぜひ、参考にしてみてくださいね。

 

↓動画はこちら!

https://youtu.be/rbXMVY8NbSA

 

ちなみに、カワハギはハンドリング(手で触れること)に強く、比較的タフな魚で、以前、城ヶ島沖40メートルダチから釣り上げ、エアー抜きした個体5尾を飼育してもらったところ、すべて2カ月間以上生存しました(その後、お造りになりましたが)。

 

海水循環している船や、バケツの水を定期的に入れ替えてやれば、エアー抜きしたカワハギはいたって元気に泳ぎ回ります。釣り上げられたばかりだというのにカワハギ同士で威嚇しあったり、まれにアサリを食べる個体までいます。

 

ですから(持ち帰りに迷うサイズはとくに)沖揚がりまで生かしておき、食べる量をよーく考えて、必要な分だけ生き絞めにして、あとは逃してみてはどうでしょう。

 

もしエアー抜きに失敗したときは、おいしくいただきましょう。

 

それでは皆さん、マスクはしていても風邪に気をつけて、手洗い、うがいを欠かさずに、よい週末を過ごしてくださいね!