◎内山高典  

 

 124年ぶりに2月2日が節分に。ならば記念に! と縁起を担いで初めて恵方巻きを食べてみました。今年の恵方は南南東。恵方を向いて、黙って一気に食べるのがしきたりとか。

 

 大食漢の私はペロッと完食しましたが、子供や小食の女性にはきついかも……。なんて思っていたら、ハーフサイズの恵方巻きも売っているよと、娘が教えてくれました。

 

 

 

 さて本題です。この時期、南房や相模湾で出船軒数が増える中深場の五目釣りでクロムツ(ムツ)が好調です。

 乗合船で上がるクロムツと呼ばれている魚の大半は標準和名ムツ。背が褐色で腹が銀色なのがムツの特徴で、写真の魚は相模湾で釣れた30センチほどの個体です。

 

 

 一方、標準和名クロムツは、全体的に濃い褐色で、その名の通り黒に近い体色をしています。

 写真の魚は、数年前のキンメ乗合の取材で東伊豆・初島沖で上がった4.8キロの大物。釣ったのは私ではないのでクロムツを食べたことはありませんが、脂の乗りがハンパじゃないとか。一度は味わってみたい憧れの魚です。

 

 

 

 

 とはいえ、クロムツを狙って釣るのは難しいといわれています。その点、群れを成すムツは多点掛けでバリバリ食ってくる好日も。

 ムツといえばまずは刺身。皮を引いた刺身は、ほんのり甘みのある上品な味わいです。

 皮付きの身をガスバーナーで炙った「炙り刺し」もおすすめ。したたる脂と香ばしいにおいが食欲をそそるワイルドな一品です。

 

 

 

 そしてムツ料理で外せないのが「煮つけ」。できたてホクホクのおいしさは言わずもがな。多めに作って一晩寝かせて、プルルッと煮こごりになったタレと身を熱あつのご飯に乗せていただく。日本人に生まれてよかったと感じる瞬間です。

 

 

 次の休日はムツを狙ってみませんか?