◎沖藤武彦

ども。先週末に内房へヤリイカ釣りの取材に行き、ドタバタしていたら明日は土曜日、ええ!? もう平日5日間終わっちゃったの? と、間違いなく時間の感覚が加速している沖藤です。いやはや。

明日はナギだから船に乗るとして(もう前提、日立のマダイ船予約しちゃいました)、日曜日はシケだし、ゆっくり休もう、なんて人も多いと思います。

そうそう、現在発売中の『つり情報3月15日号』第二特集連動ムービー「タイラバの達人はなぜ釣れるのか?」を、先ほどYouTubeつり情報チャンネルにアップロードしました。

 

 

動画のご視聴はこちらから! 次回の達人シリーズはヤリイカの多点掛けがテーマ。チャンネル登録もよろしくお願いします!

さて。自社の動画はさておき、のんびり自宅で過ごす休日に欠かせないのが「映画」と「読書」。

読書は人によるかもしれませんが、「映画」は多くの人が観ますよね。いいですね、休日に自宅でのんびり観る映画は。

で、ですよ。

私の場合は当然、趣味であり仕事でもある「釣り」をテーマにした映画があれば、ほとんど観ます。

 

趣味/映画鑑賞 と履歴書に書くほど観てはいませんが、そこそこ、映画は好きです。

まあ、釣り映画のド定番といえば……

「リバーランズ スルー イット」

説明不要ですよね。最近では

「砂漠でサーモンフィッシング」

外来種問題なんざアラブの金持ちには関係ありません。が、エミリー・ブラントは好きです。

日本映画では

「釣りキチ三平」

矢口高雄先生リスペクトで、ぜひ今一度観てみては。

古典といえば

「老人と海」

舞台装置と登場人物のシンプルさは名作のレシピそのもの。原作の文庫も頁数少ないので一気読みしてから映画、もおすすめ。

また、映画というよりテレビシリーズだけど

「フィッシング・ウィズ・ジョン」

今の脱力系釣り(&紀行)ムービーのエッセンスがすでに90年代初めにアメリカで完成、さすがです。たしかYouTubeで1、2話ほど字幕付きで観られたような気がしたけど、今でも観られるのかな……。

といったところですが、ハッキリ言って、映画としての「釣り」は作品数、幅ともに少ないもので、中にはティム・バートンの「ビッグ・フィッシュ」を釣り映画として紹介しているサイトがあったりして、ずっこけます(とてもいい映画ですが)。

で、ですよ。

釣り映画じゃないけど、釣り人、それも沖釣りが好きなら思わず観ちゃうのが

 

「海洋アドベンチャー」映画

 

簡単に言えば海難事故や冒険・探検を題材にした映画なんですけど、とりあえず超豪華幕の内弁当みたいな「タイタニック」は別格として、沖釣り師なら「これヤバすぎるだろ」となるのが、

「パーフェクト・ストーム」

こんなシケ、ゴジラか隕石衝突でしかあり得ないだろうってレベルのハナシで、映画館で船酔いしそうになったほど。途中から暗闇、暗闇、ラストは暗闇レベルマックス。重いなんてもんじゃありません。

ジョージ・クルーニー主演で世界的にヒットした作品ですが、原作はこれまた高い評価を得ているノン・フィクション。

セバスチャン・ユンガーの同名原作を読むと、映画の重厚さがグンと増します。海難や気象、人体の反応についてまで、細かく、理詰めで、インタビューを交えて読みやすく描写されていて、ぜったいにライジャケは着けようと思わせてくれます。

で、「パーフェクト・ストーム」はヘビーすぎる、という人には

「ザ・ブリザード」

こちらも実際にあった海難事故がもとになっており、寒いは大シケだわ、ぶっ壊れるわで大変なのですが、乗組員の団結、救助に向かう主人公など、まだ「まとも」なハナシです。

比べてはイケナイのでしょうが、パーフェクト・ストームが「プライベート・ライアン」なら、ザ・ブリザードは「パール・ハーバー」的……。

と、まあ、実話がベースになっている海洋アドベンチャー映画はリアリティが魅力なのですが、中には虚構を絶妙に取り入れた、秀逸な「漂流もの映画」があります。それが

「ライフ・オブ・パイ」

賛否はあるにせよ、この映画は多くの人が観たのでは? なにせ、CMなどのプロモーションが「虎といっしょ」「ファンタジー」路線でしたから、子供と観た人も多かったハズ。

これがまさか食人を含めた生死観、生命観、宗教観から差別まで、「命への問い」満載で、海上に登場するいずれの生き物も、島もメタファー(暗喩)なんて、もう、完全にプロモーションと正反対の作品でした。

映画を観て、きょとんとして、ヤン・マーテルの原作を読んで、また映画を観る。このパターンでハマると、かなり深く楽しめる映画です。

パイの家族が乗ったツムツム号=ツシマ丸(児童など民間人1400人以上が犠牲になった対馬丸?)とか、どんだけ伏線があるのか不明ですが、文庫版の上巻は宗教などについて丁寧に、下巻でいよいよ漂流、解釈、伏線の回収となります。

さて、と。

海洋アドベンチャーで忘れてはいけないのがトール・ヘイエルダールです(断言)。

ヘイエルダールについてはとても書ききれませんが、ここまできて、この名作に触れずに終われません。それが

『コンティキ号探検記』←本。

古代の人類がいかに海を渡ったかを忠実に再現・実験したノンフィクション不朽の名作。

冒険・探検、考古学、民俗学、歴史学、海洋冒険、漂流実験、実験考古学、もうあげたらキリがないほど内容が濃く、面白い。学問とはすべからく好奇心である、そのままです。

この漂流実験は「釣り」が重要な食料確保手段で、コンティキ号漂流実験はもちろん、後のティグリス号漂流実験でも、釣り、生食、保存はテーマとして出てきます(ティグリス号では日本人も参加します)。

世界中の子供から大人が愛してやまない名著で、ワタクシの人生でも大きな影響を受けた一冊です。

で、

この『コンティキ号探検記』が2013年に映画化されたんです。

映画「コン・ティキ」!!!!

有力な配給が付かなかったのかミニシアターでの上映だったのですが、もちろんワタクシは観に行きました。

で………………。

で?

 

で?????

きっと、自分の原作への思い入れが強すぎるのだと思い、諦めました。

もし、1時間53分を賭けていい、という人がいたら、観てみてください。Amazonのprimevideoでレンタルもできます。

おっといけねえ、こんな時間だ。

オチない雑文だったけど、船だけにご容赦いただければと思います。

それではみなさん、よい週末を!