◎尾川 泰将

 先日、連載・諸国漫遊ボート釣りの執筆者である小野信昭さんから「南房のスキューバ・ダイビングで、オオニベを見かけましたよ!」との報が入り、いやはやこの魚、すっかり関東〜東海エリアに定着したんだなぁと感慨深いWednesday尾川です。

 そんなところへ「黄色い頭のオニが釣れました。突然変異でしょうか?」と知人からEメール。

 

 脱皮したばかりのカニの甲羅にも見えますけど、れっきとした魚……たぶんフサカサゴの仲間……でしょうから、皮はむけませんネ。
 言われてみれば色素異常のようにも見えますが、こんな画像が新発見につながることもよくあります。
 現段階ではさっぱり分からないけれど、あれこれ調べて、次号6.01発売のおでこ長屋「超キテレツ」コーナーで取り上げるつもり。ただしモノクロページですから、この画像でしっかりと色合を覚えておいてください。

 それにしてもここ1〜2年、かつていなかった場所で変わった魚、とくに南方系の魚をよく見かけるようになりました。冒頭のオオニベのほか、底物ではアカハタなどがその代表。
 個人的に印象に残っているのは、昨年、駿河湾で目撃したこれ。

 

 なんだよ、ヒメコダイじゃんかと言うなかれトサヒメコダイという南方系のヒメコダイ。尾ビレ上葉が「伸長しない」ところが判別のカギです。
 最近は相模湾で記録されたとの情報もあり、勢力図が広がっている様子。

 そして昨年の秋、さらに驚きの南方種を目撃しました。

 

 西伊豆で撮影したアザハタです。本種は主に沖縄や小笠原などのサンゴ礁に棲息しているはずなのに、ここ2〜3年、西伊豆で目撃情報が増加中。
 また、南国で見かけるアザハタは真っ赤な個体が多いのですが、この個体は地味なカラー。カラフルな南国の海に比べると、海底が地味な色合だからでしょうか……?

 皆さんも「変な魚」「食べられそうもない魚」を釣り上げたら、ポイする前に超キテレツコーナーへ投稿を。空前絶後の大発見につながるかもしれません。