オニカサゴ1

南伊豆神子元島周辺の海域はマダイやイサキ、モロコ、マハタやイヤゴハタなどハタ類が周年の釣り物として確立され、シーズンになるとシマアジやカンパチなど多くの回遊魚が住み着く一級フィールド。加えて100メートル台の中深場ではオニカサゴ、200メートル以深ではムツなど深海の美味魚が顔を出す。 取材した下田須崎港の八倉丸では、ムツとオニカサゴのリレは、ムツとオニカサゴのリレー釣りが人気メニュー。当日の早朝はムツ狙いで1キロ級が上がり、2〜3キロ級のハチビキも登場。後半のオニカサゴも1.5キロ級の良型が取り込まれ釣り場のポテンシャルの高さを見せつけた。 水温が上昇する初夏は深場の根魚も活性が高まる好期。型にこだわるファンにイチ推しだ。

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好調好調!!南伊豆の豪華リレー良型ムツ&オニカサゴ連発

オニカサゴ2

今回の私のレポートはムツとオニカサゴのリレー釣り。 トロトロに脂が乗ったムツと、甘みに満ちたプリプリ食感のオニカサゴの料理が同時に堪能できるチャンスはそうはない。 そんな素敵な根魚リレー釣りを受け付けてくれるのが南伊豆下田須崎港の八倉丸。 釣行したのは3月下旬。釣り人が5人ということもあり、この日は全員が右舷に並ぶ片舷流しのスタイル。「ムツ狙いの水深は250〜300メートル。キンメ釣りのように順番に投入したほうがオマツリを軽減できるし、オマツリしても対処がしやすいからね」と船長。 6時に出船。北東風がやや強い中、ゆっくりと航行することおよそ50分で神子元島周りの釣り場に到着。 仕掛けは飾り物などは一切付けていない胴つき5本バリ。サバの身エサを付けたハリを船ベリに並べ終えたところで、「やってみようかぁ」のかけ声。ミヨシから順に200号のオモリが投じられる。

ムツにハチビキも!

 水深260メートル。ミヨシの田辺さんのロッドには着底と同時にガクガクガクッと力強いアタリ。 私の仕掛けも着底。糸フケを取り、さらに底から5メートルほど切ってから再度底を取り、1メートル底を切る。 ミヨシ側の3名はすでに巻き上げを開始しているが、4番目の私のロッドにはアタリがない。 底ダチを数回取り直したところで、ようやくガクガクガクッとアタリがきた。 水深はさほど変化していないのでそのままの状態で追い食いを待ち、ころ合いを見計らって巻き上げを開始する。 その間に、ミヨシの田辺さんが2尾、胴の間の松本さんが1尾のムツを取り込む。 続いて私の仕掛けが上がり、金色味を帯びた魚影が浮上し、ムツ2尾をゲット。サイズも1キロ弱と申し分ない。 この調子でと思ったが、2流し目は途中でサバに捕まる。 しかし、この釣りたてのサバこそがムツ狙いの特エサ。この後のオニカサゴにも有効だ。さっそくさばいて、幅1センチ、長さ12センチくらいにカットしてハリに付ける。 答えはすぐに次の流しで現れ、船内これといったアタリがない中、私だけがムツをゲット。サバのおかげだ。

「どんどん浅くなるから根掛かりに気を付けて」 290メートルからのカケ上がり。ここではオモリが底をたたくたびに10メートルほど巻き上げながらアタリを待つ。 250メートルまで上ったとき青物のような強いアタリ。隣の松本さんがメダイを釣り上げたので、てっきり私もそれかと思ったが、見えてきたのは鮮やかな赤い魚影。 2〜3キロ級のハチビキが4点掛けで浮上。暴れん坊の異名のとおり、海面下で大暴れ。仕掛けをたぐる指が痛いこと。ところが最後の魚影はこと。ところが最後の魚影は金色味、いや黄金色。ひと際輝かしい大きなムツが海面に浮上。「いい型だ!」と船長が声を上げる。 後検量1.3キロ。グッドサイズの登場に私より船長のほうがうれしそうだ。

超微速巻きで連発

 9時半、サバの反応が多くなり、釣りづらくなったところでオニカサゴに転じる。 テンビン仕掛けに交換し、まずはマシュマロボールとタコベイトなどのアピールアイテムを付けた3本バリをチョイス。 付けエサはサバとアナゴの切り身、イイダコ、タチウオのハラモ、カツオのハラモを持参した。 色いろなエサを持ち込んで試してみるのがこの釣りの楽しみの一つでもあるが、いざどれを付けようかと考えると悩んでしまう。 とりあえず、先バリから実績が高いアナゴ、中央のハリはお試しにタチウオのハラモ、テンビンからじかに出した上バリには定番のサバを付けてみた。 水深160メートル。ゆるい斜面にツブ根が点在しているような地形だ。

 開始早々にアタリをキャッチしたのはミヨシの田辺さんと胴の間の松本さん。25センチと30センチ級がタモ取りされる。 底を1メートルほど切り、少し待ってからゆっくりと竿一杯まで誘い上げ、繰り返してみたが反応がない。 そこでオモリで底を10回ほど小づき、ロッドを抱えたままベタ底から超微速の電動巻き上げで誘い上げてみる。 ココンッ。オニカサゴの最初のアタリは意外と小さい。

飲み込んでいるハリを引き出し口周りに掛けるイメージで、ゆっくりと聞き上げるとゴゴゴンッ。まるで岩石が転がるようなアタリに変わり、ロッドがたたかれる。 巻き上げ中も大きく頭を振る抵抗はオニカサゴで間違いないだろう。姿を現したのは30センチ級。先バリのアナゴに食っていた。 超微速巻き上げの誘いが功を奏したのか、同じパターンで続けてヒット。「デカイ!」 タチウオのハラモに食ってきたのは後検量1.3キロ。 これを皮切りに船中バタバタとアタリが連発。ムツ狙いではいいところがなかったトモの澤田さんが1.5 キロ級の良型を連発。 ミヨシ2番の小川さんは1〜2キロのカンコを4連続で上げた後、しっかりオニカサゴもゲット。 私も画撮りの合間に良型カンコを2尾追加。釣れているときの時間はアッという間だ。ころ合いよく12時半過ぎに沖揚がりを迎えた。 当日の釣果は0.7〜1.3キロのムツ0〜4尾、0.5〜1.5キロのオニカサゴ1〜4尾。 メバル、ハチビキ、カンコ、ユメカサゴなど多彩なゲストも交じり、釣果の数字以上に楽しめた釣行となった。 水温が上昇するこれからの時期はタイやイサキばかりではなく、根魚も活性が高くなる時期。ムツ・オニカサゴのトップシーズンはこれからだ。


南伊豆下田須崎港 八倉丸

オニカサゴ3

10558・22・2796(詳細は巻末の情報欄参照)▼料金=ムツ・オニカサゴ乗合一人 1万2000 円(氷付き)▼備考=予約乗合。付けエサは各自持参。 ほかマダイ・イサキ、キンメへも出船

 

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