マダイ1

三浦半島剣崎沖は関東屈指のマダイ釣り場。例年は乗っ込みもそろそろ終盤を迎える時期だが、今年はまだまだ釣れ続きそうな気配が濃厚だ。5月中旬の取材時も体色の黒ずんだ2.5キロを筆頭に1〜2キロ級が立て続けに取り込まれ、「この調子なら少なくとも6月まで乗っ込みダイ狙いで楽しめるはず」と当地の船長も期待を寄せる。 仕掛けはハリス4号10〜12メートルが標準。大ダイに備えてハリの結びなどは万全を期し、投入ごとにドラグ調節しておくことを忘れずに!

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※料金等データは2021年5月のものです。

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朝イチから怒どとう濤の入れ食い!剣崎沖の乗っ込みダイへ急げ

マダイ2

5月中旬の週末、朝5時半。曇り空の下、剣崎松輪港前に整列していた無数の船が一斉にスタートを切った。我われ14名を乗せた第三大松丸は、その中でも群を抜いて高速で進む。そして5分後。剣崎沖の目指したポイントに船を停めた鈴木裕喜船長が、即座に開始をアナウンスした。「はい、いいですよ。海面から26メートルでやってみてください。タナはリールのカウンターで合わせないで、必ずPEラインのカラーと目印で合わせてください」 このポイントの水深は46メートル。計算しやすく仕掛けを10メートルとすると、海底付近を泳ぐマダイたちは、コマセを求めておおむね10メートル浮いてくる計算だ。 指示ダナからさらに仕掛けの長さの半分ほど仕掛けを沈め、そこからコマセをまきながらリールを巻き、指示ダナに合わせる。皆がシンクロした動作を終えたところで、左胴の間の石岡さんの竿が曲がり込んだ。 海面に浮かせたマダイを見た石岡さんは、小型と見切ってこれを抜き上げる。すると、その隣の河原さんも仕掛けをたぐり、マダイを海面に浮かせた。 これを見た石岡さんは私が向けたカメラのフレームから外れ、タモを持つと河原さんの2キロクラスのマダイをすくい上げた。 開始早々いきなりの2連発。この二人の撮影をしていると、「右のトモでも上がりましたよ」と操舵室から顔を出した船長が教えてくれた。 駆けつけると、西浜さんの足元のオケにも2キロクラスのマダイが浮いている。開始早々いきなりの3連発だ。

アタリが止まらない

 ところが3連発どころではなかった。西浜さんの撮影を終えて左ミヨシ2番の釣り座に戻ると、左ミヨシの吉原さんがリールを巻いている。慌てて海面をのぞき込むと、またマダイ。 吉原さんにカメラを向けたとたん、今度は私の置き竿が暴れだした。これも1キロクラスではあるが、きれいなマダイだ。 このマダイの口元に掛かったハリを外そうとしていると、右ミヨシ2番の星さんが2キロクラスを釣り上げる。 続けて石岡さんにも2キロ。左トモの中村さんにもほぼ同級のマダイが釣れ、この撮影中に西浜さんが3枚目となるマダイを釣るその直後に中村さんが2枚 その直後に中村さんが2枚目を連発すると、負けじと西浜さんが4枚目となるマダイのアタリをとらえた。この撮影を終えると、今度はこの日の最大となる2.5キロのマダイが右胴の間の春日さんの竿を曲げ、星さんも2枚目を釣り上げた。 ここまで約1時間半。正直な話、土曜日や日曜日などの休みの日は、釣り人も多ければ船も多い。実際、周囲には数えるのが面倒になるくらいマダイ船が浮かんでいる。なので、この日はまさかここまで釣れるとは想像していなかった。しかしこの釣れっぷりだ。乗っ込みのマダイ釣りはだ。乗っ込みのマダイ釣りは何年も経験してきたが、剣崎沖の乗っ込みダイは今シーズンも絶好調だと確信した。

タナを上げて本命ゲット

 その後フィーバーもひと段落し、船上ではポツポツとメジナが釣れるがマダイからのシグナルはなくなった。ここで私も釣りにシフトする。 乗っ込み期のマダイは、産卵を控えているので臆病にな卵を控えているので臆病になっている。なので、あまり仕掛けを動かさずに静かに釣ったほうがいい。そう考えて、置き竿で待つことにした。 竿先を凝視していると、モゾモゾと何者かが付けエサにアタックしているようだ。しかし、そのあと竿先が引き込まれることはなく、仕掛けを巻き上げてみると付けエサがない。もう一度試してみると、やはり同じ状態で仕掛けが上がってきた。 これはマダイではなく、おそらくエサ取りの仕業だ。そう考え、次の投入ではタナ下でコマセを3回振り、あとはコマセをまかずに指示ダナのコマセをまかずに指示ダナの24メートルまで一気に巻き上げる。そしてエサ取りから逃げたいので、さらに3メートルリールを巻いてキーパーに竿を置いた。 そして腰を下ろそうとしたその瞬間、ギュン! 竿先が海面に突き刺さる。慌てて竿を手に取り大きく合わせる。ズシッと重みを感じ取り、手で巻き始める。リールを巻いていると、時折グン、グン、グン! と強い引きがくる。この引きは間違いない、マダイだ! この釣りで最も楽しい時間を堪能し、手にしたマダイは1.3 キロ。小ぶりではあるが、きれいな桜色のマダイだった。 12時20分、船長が沖揚がりのアナウンスをする。この日の釣果は、船宿レンタルのライフジャケットを身に着けた初心者数名が残念な結果となってしまったものの、最多は西浜さんの4枚。 西浜さん以外は、皆2枚ずつのマダイをクーラーボックスに収めた。サイズ的には1キロ前後かサイズ的には1キロ前後から2.5キロ。大半が2キロ前後の食べておいしいと評判のサイズだった。 港に向けて船を走らせる船長に「今シーズンも好調ですね」と話しかけると、船長はこう話してくれた。「そうですね、いい日はツ抜けするくらい釣れてます。型も2〜3キロなら普通に出てますし、このあいだは5キロが出ました。このまま、しばらく楽しめそうですね」 比較的竿数の多い週末でもこれだけ釣れたマダイ。今シーズンの剣崎沖の乗っ込みダイの好調ぶりはすさまじい。マダイを釣るなら、乗っ込みのラストスパートとなる6月が勝負だ!


三浦半島剣崎松輪港 大松丸

マダイ3

1046・886・1244(詳細は巻末の情報欄参照)▼料金=マダイ乗合一人9500 円(エサ、氷別)▼備考=出船5時半、無料駐車場あり。ほかアジ、 イサキへも出船

 

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