クロムツ、マハタ、カサゴetc.
南房のフラッシャー根魚五目盛況

南房太海港出船…太海沖

レポート◎鈴木 良和

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※料金等データは2019年4月のものです。

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初夏は根魚の模様が上向く季節。ここ南房は浅場から深場まで様ざまな根魚が釣れる、ファンにはたまらないエリアだ。太海港の聡丸では、早朝は水深90〜160メートル付近にてフラッシャーサビキでクロムツ(ムツ)を主体に狙い、その後は40〜50メートル前後で根魚五目に興じる、一度で2倍楽しいリレー釣りスタイルで出船。初夏は根魚の模様が上向く季節。ここ南房は浅場から深場まで様ざまな根魚が釣れる、ファンにはたまらないエリアだ。太海港の聡丸では、早朝は水深90〜160メートル付近にてフラッシャーサビキでクロムツ(ムツ)を主体に狙い、その後は40〜50メートル前後で根魚五目に興じる、一度で2倍楽しいリレー釣りスタイルで出船。

 クロムツは30センチ級主体に40センチオーバーの良型交じりで、いい日は20尾以上釣れている。後半の根魚五目はカサゴやアヤメカサゴなどのカサゴ類、マハタやアカハタなどのハタ類のほか、ホウボウやガンゾウビラメなども交じって釣果は賑やか。色んな魚を釣って楽しみたい五目釣りファンにイチオシだ。

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◉南房太海港発➡太海沖

浅場&深場の根魚を狙う南房の欲張りリレー盛況

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黒いダイヤと称されるクロムツ(ムツ)は、希少価値が高く、抜群の食味とあいまって宝石にたとえられる人気魚。黒いダイヤと称されるクロムツ(ムツ)は、希少価値が高く、抜群の食味とあいまって宝石にたとえられる人気魚。

 そんなクロムツをほぼ周年釣らせてくれるのが南房太海港の聡丸。同船は夜明け前後の時間帯にフラッシャーサビキでクロムツを釣ったのち、根魚五目やイカ、オニカサゴなど、その時期に模様のよい釣り物に転進するリレー釣りで楽しませてくれる。 目下のクロムツの釣況は、早朝2時間ほどの短時間でトップ20〜30尾と好調。後半は浅場の根魚五目で様ざまなおいしい魚が釣れている。


将来有望な逸材
 4月7日、集合時刻の3時半に受け付けを済ませて船着き場に行くと、船長から各自の席を指示される。当日の乗船者は12名、4時に出船して20分ほどで太海沖の水深90メートルに到着。この釣りは明るくなるまでの2時間ほどが勝負時なので、できるだけトラブルなく釣りたい。 一番ありがちなトラブルは投入時の手前マツリ。 船長おすすめの投入方法は、釣り座の船ベリ下側に付けられた発泡素材にハリを並べて刺しておき、オモリ側から順に1本ずつハリを下ろしていく方法だ。 持参したマグネット板にハリを並べる場合も、オモリを放らずに仕掛けを下ろしたほうがトラブルが少ないそうだ。 また、クロムツは歯が鋭くハリスを切られることも多いので、予備の仕掛けを準備しておくことも大事だ。「反応は底から15メートルまで出てます。底から10メートルの範囲を探ってください」とのアナウンスでスタート。

 船宿仕掛けは全長が11メートルほどあるので、着底後、底を1メートルほど切れば反応の範囲をおおむねカバーできるが、上へ10メートルほど探って食い気のある魚がいるタナを探し出し、次投から当たりダナを集中して狙うのが釣果をのばす秘訣になる。 また、当地はフラッシャーサビキで十分クロムツが釣れる。ハリにエサを付けたり、水中ライトなどを付けると、かえって食いが落ちることがあるそうなので要注意。 残念ながら一流し目はノーヒット。船長の話では、魚探に反応は出ているが、前日より水温が2度も下がり、あまり潮が流れていないので魚の活性が低いとのこと。 しかし、次の流しからクロムツが顔を出し始める。最初に釣り上げたのは右トモから3番目の斎藤さんで30センチ級をキャッチ。

 この1尾を皮切りに、船上のあちこちでクロムツ特有の派手なシグナルが到来したが、やはり活性が低いのか上がってくるのは単発ばかりで数がのびない。 そんな中、目を引いたのが親子で来ていた小宮さん一家。10歳の保挺くんと、8歳の完款くんは2人とも竿を出して楽しんでいる。 だいたいこの年齢だと、酔うか飽きるか、はたまた寝てしまうのがお決まりなのだが、集中力を切らすことなく釣り続ける姿に感心してしまった。 とくに保挺くんは10歳にして、沖釣りの釣行回数が100回を超すベテランの域。お父さんのアシストを受けることなく、次つぎにクロムツを釣り上げる姿に脱帽。将来がとても楽しみな逸材だ。

カサゴとマハタが登場
 少し移動し、水深130メートルで再開すると、ようやく多点掛けも見られるようになった。サイズは25〜30センチがメインで時折40センチクラスも顔を出し、左ミヨシの岡本さんが4点掛けで取り込み気を吐く。 次に移動したポイントは水深160メートル。ムツ狙いの残り時間が少なくなったので、私も竿を出した。

 着底後に底ダチを取り、デッドスローでジリ巻きしながら、時折チャッチャと誘いを入れる。するとガガガッとすぐに明確なアタリがきたが、巻き上げ途中のハリス切れでバレてしまった。 次投も着底直後にアタリがきて、今度は25センチ級を無事取り込み、その次も35センチとまずまずのサイズを釣り上げた。 太陽が顔を出して明るくなると、いよいよムツ狙いの時間は残りわずか。そこで、今度は最初のアタリがきてもすぐには上げず、追い食いを狙って誘い続けると竿が激しくたたかれ、してやったりと巻き上げ開始。 ところが、お隣さんとオマツリし、掛かっていたクロムツが私の道糸に絡んでパッツリ……。一瞬固まってしまったが、これも釣りなので致し方ない。

 そうこうしている間に6時半となり、浅場の根魚五目に転進。移動の途中で1回停まってサビキ仕掛けを下ろし、根魚五目のエサにするサバと、お土産用のアジを釣る。 聡丸では根魚五目用にサバのタンザクを用意してくれるのだが、やはり釣れたてのほうが光沢もエサ持ちもよいので、皆さんサバをさばいてエサにしている。またカタクチイワシやドジョウを持参している人も見受けられた。 到着したポイントは水深50メートルほどで、主なターゲットはカサゴ、マハタ、ホウボウなど。根掛かりしやすい場所も多いため、竿を手に持ち、まめに底ダチを取り直しつつ底付近を探る。 さっそく斎藤さんが良型のカサゴを取り込み、続いて小宮兄弟が同時にヒット。

 お兄ちゃんの保挺くんはムシガレイを釣り上げ、弟の完款くんがホウボウをダブルで取り込む。 その後も間を空けずにあちこちで竿が曲がってカサゴが釣れ上がる、どれも型がよいので申し分ない。私もゴゴゴッときて25センチのカサゴを釣り上げた。 右胴の間の日暮さんがマハタを取り込む。この方はマハタ狙いでカタクチイワシを持参しており、すぐにまたマハタを連釣してみせた。

 その後も順調に釣れて10時半に沖揚がり。当日は水温低下と流れない潮の影響でクロムツの釣果はトップ9尾に留まったが、数日後には復調して20尾以上釣れている。 船長によれば、食いの良しあしは潮次第だが、反応はバッチリ出ているそうなので今後の盛り上がりが楽しみだ。


南房太海港
聡丸

☎04・7092・0505

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▶料金=フラッシャー根魚五目一人1万500円(エサ、氷付き)
▶備考=集合時刻は要電話確認。ほか午後船でマルイカ、マダイにも出船

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