東京湾の夏タチウオ!
指4~5本幅級
交じりで絶好調

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※料金等データは2019年7月のものです。

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「タチウオは幽霊みたいだ」「タチウオは幽霊みたいだ」 ときに神出鬼没なタチウオは、そう例えられることもある。だが近年の東京湾はほぼ周年釣れ続き、夏を迎えてさらに好況。アジやシロギスと並ぶ安定株と言っても過言ではなく  、60〜110センチ級がトップ30〜40本ほど釣れている。

 メインの釣り場は観音崎〜走水沖の水深50〜60メートル前後。取材した東京湾奥川崎の中山丸はエサ釣りとルアーが同船で楽しめる船宿のひとつで、人数が多いときはそれぞれ別船で出船。

 道具立ては、エサ釣りは道糸PE2号以下のライトタックルでオモリ40〜80号を状況で使い分ける。ルアーはPE1号以下で今のところメタルジグは130〜160グラムが中心だが、これから浅場になってくれば80〜100グラムと軽いジグで楽しめるはず。 いよいよ夏本番、東京湾のタチウオを釣りまくろう!

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エサもルアーも食い活発東京湾のタチウオ好模様!

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うだるような猛暑もなんのその。時には海面直下の浅ダナで楽しめる東京湾の夏タチウオはこれからが本番だ。 釣況を見るとトップ30〜40本ほど釣れており、メーターオーバーの良型も交じっている。そこで7月29日、東京湾奥川崎の中山丸に釣行した。

 当日は電車釣行で、出船時刻ギリギリの到着になる旨を事前に船宿に伝えて向かったのだが、予定よりも早く着いて一安心。心配して待っていてくださった中山賢大船長に笑顔で迎えられ桟橋へ。平日にもかかわらず乗船者19名と盛況で、エサ釣りは15名、舳先には4名のルアーマンが入っている。 ちなみに同宿では予約時に釣り方を伝えるシステムで、当日の割合で釣り座を仕切ってくれるからエサ、ルアー同船でもノープロブレム! 基本的にルアーの釣り座は舳先だが、人数によっては左右の舷に分かれたり、前後に分かれたりする。さらに人数が多ければ2隻に分けて出船することもある。

 いずれにしてもこういった配慮を船宿が事前にしてくれるのはうれしい限り。人気の船宿だと聞いていたが、うなずけるよね。

 

いきなり入れ食い!?
 そんなこんなで定刻6時45分に出船。後で知ったが当日は関東地方の梅雨明けが報じられた日で、どうりで朝から暑くて汗が止まらないはず。でも沖に出れば風が心地よいのはご存じのとおり。無風だとひっくり返っちゃうけどね。これからしばらくは暑さとの戦いでもあるから帽子は必携! 飲料水は多めに持参しよう。

 前日の週末は台風6号の影響が懸念されたが、意外にも東京湾のタチウオの釣り場は大丈夫だったようで、134・2センチを筆頭にドラゴン級が何本も上がっていた。この日もそのポイントを目指しているようだが、協定で午前8時を過ぎないと竿入れできない釣り場もあるとのこと。 まずは第二海堡を過ぎたあたりで船がスローになり、群れが見つかったのかほどなく開始の合図が出た。 中山勝之船長から水深40メートル、上から30〜35メートルと指示ダナがアナウンスされ、早くも竿を曲げている人がチラホラ。抜き上げられたのは指3〜3.5本幅のいわゆる夏タチサイズだ。

 極端に大きい魚は釣れないものの、指2本幅以下の小型もいない。 全員が入れ食いではないが、釣る人は投入するたびに掛けてどんどん数をのばしているし、エサを取られたりバラしたりしている人もいて食いは活発のようだ。 一方、仕掛けを上げるとエサがきれいに残っている人もいて、船長が誘い方などのアドバイスをアナウンス。時には操舵室を離れて実技指導も行われた。 そのかいあってか、しばらくして全員オデコを脱出し、次なるポイントの観音崎沖へ移動となる。

 

1メートル級もキャッチ

 観音崎沖に到着して先着の船と合流。その後も次つぎと船が集まり船団が形成されていく。このタチウオ船団は東京湾の沖釣りではおなじみの光景、とくに休日の船団は壮観だ。 海堡周りよりも少し深い水深60メートル前後で再開。「上から40〜50メートルの間を誘って」と最初にアナウンスされたが、その後は40〜45メートル、45〜55メートルといった具合にどんどん指示ダナが修正されていく。 船長いわく「今日は魚の動きが激しくて上下に行ったり来たりです」とのこと。 それでもアタリは多いようで、どこかしらで竿が曲がってタチウオが上がる。

しかもサイズアップした感じで、時折指4〜5本幅の1メートル級も顔を出して船上は賑やかだ。 水深といいサイズといい、秋口のタチウオ釣りの風情だが、考えてみればこの記事が掲載されるころは暦の上では秋の到来を告げている。 ジリジリと暑い暴力的な日差しが照り付けてはいるが、海の中は早くも秋の気配が漂い始めているのか? しかし神出鬼没で幽霊などと称されるタチウオだけに、再び浮上してきて海面直下で爆釣なんてことも起きるかもしれない。

 魚探に反応がバッチリ出ていてそれなりに釣れているが、食いに(釣れ方に)偏りがあるのが気に入らないのか、勝之船長はまめにポイントを変え、観音崎から走水沖にかけてラン&ガンを繰り返す。 タチウオ船の船長は我慢型と攻撃型の2通りのタイプがあるようだが、勝之船長は後者のタイプでアグレッシブに楽しませてくれる。 より食い気のある群れを探してくれているので、あとは釣り人の誘い方次第でクーラーは重たくなるだろう。

 実際よく釣る人は、小刻みに誘い上げて一日コンスタントに掛けていたから、アタリが遠かった人は誘い方が合っていなかったのかもしれない。「条件がいいと意外と簡単に釣れるけど、今日は誘い方で明暗が分かれて難しいタチウオ釣りになりました。 夏タチは手軽に楽しめる反面、気難しい部分もあるので、シャクリ幅やテンポを変えてヒットパターンを探してください」と勝之船長。 当日は梅雨明け直後の猛暑となり、船長はお客さんたちの体調に配慮して、少し早めの14時過ぎに沖揚がり。

 釣果は105センチを筆頭にトップはエサ釣りが33本、ルアーは21本。ひとケタ台の人もいたが、平均20本前後とお土産には十分な結果を得た。 今後さらにサイズアップが期待できる東京湾のタチウオ。良型の強引を皆さんにもぜひ味わっていただきたい。


東京湾奥川崎 中山丸

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☎044・233・2648

▶料金=タチウオ予約乗合一人9800円(エサ、氷付き)

▶備考=6時45分出船、駐車場あり。ほかライトアジへも出船

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