崎松輪港出船のワラサ・イナダ
秋本番に向けジワリと上昇気配!

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※料金等データは2019年8月のものです。

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青物ファンお待ちかねのワラサ・イナダが、8月上旬ごろから三浦半島剣崎松輪港出船でジワリと上昇。 中旬に取材した剣崎松輪港・伝五郎丸では、下浦沖の水深40メートル付近を終日流して2.5キロを筆頭にトップ2本。

 今のところワラサとイナダの中間クラスがメインだが、本誌発売の9月以降は例年、剣崎沖でワラサが本格化する時期。 現況では、ほとんどの船がマダイとワラサの両狙いで出船しており仕掛けはハリス3〜4号8〜10メートルが基準だが、ワラサがメインのケースではハリス8号6メートルと太く短い仕掛けでガンガン引き上げてオマツリを防止しよう。

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剣崎松輪港発のマダイ船で
ワラサ・イナダが好気配!

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三浦半島剣崎沖のワラサは、お盆のころから釣れ始まることが多かった。もう10年近く前になるかもしれないが、平日の釣行でワラサが入れ食いになった日の記憶が鮮明に残っている。 あのときは、コマセをまき続けてさえいればチャンスタイムが何度もあって、大型クーラーボックスのふたが閉まらないほど釣れた。船の数や竿の数が多い休日に釣行しても、オデコで帰ることなどなかった。

 剣崎沖のワラサはそれくらい釣れた。それ以来、毎年夏になると剣崎沖のマダイ船の釣果にワラサが交じらないかと、毎日心待ちにしたものだ。 今回釣行した剣崎松輪港の伝五郎丸の鈴木長喜船長にそう話しかけると、「去年は、釣れ始まったのは10月でしたよ。その代わり最初っから型がよくて、ワラサと言っていいサイズでしたけどね」と話してくれた。 確かにあのころと比べると、釣期は後ろにずれた。しかし、それでもワラサは釣りたい。

 難しくはない釣りだが、ハリスの太さやコマセワークに興味を持つと、それなりに奥深さがある。また、嫌になるほどの強引さはなく、重量感あふれる釣趣はやみつきになる。そして、なんといってもうまい。これにつきる。 さて、今年のワラサはどんなスタートになるだろうか。

 

まずは2キロオーバーまずは2キロオーバー
 8月10日、5時20分に港を離れた伝五郎丸のワラサ・マダイ乗合は下浦沖で停船した。 5時45分ごろ、「はい、いいですよ。水深は約30メートル。上から25メートルでやってください」とのアナウンスでスタート。 船長によると、前日にマダイが8枚釣れたポイントとのこと。 いきなり左胴の間の辻さんの竿が曲がり込む。皆が期待を込めた視線を送るが、これはシイラ。 続いて辻さんと左トモの菱沼さんにアジが釣れ、続けて辻さんがワカシを釣る。

 ここから30〜40センチほどのワカシがポツリポツリと釣れ続いた。 1時間半ほど経過したころ、船長はわずかに移動した。 すると、菱沼さんが60センチクラスのサワラを上げた。「ワラサじゃなくてサワラ」という菱沼さんの言葉に、船上で笑いが起きた。 しかし、そのなごんだ雰囲気が直後に一変する。左ミヨシの佐々木さんがワラサとイナダの中間クラスの2キロ級を釣ったからだ。 待望のチャンスタイム到来。辻さんと右ミヨシの立川さんが同級を上げ、右舷2番の伊藤さんが当日最大となる後検量2.5キロを釣り上げる。 続けて、佐々木さんが無念のハリス切れに泣いた直後、伊藤さんがもう1本。 このペースに爆釣の期待が高まる。しかしこの日のチャンスタイムはここまで。 その後はアタリが遠のき剣崎沖に移動。置き竿でじっくりとマダイからのシグナルを待つ展開となり、12時半の沖揚がりを迎えた。

 釣果は7名で2.3〜2.5キロが6本、1人あたりは0〜2本。ワラサ級は顔を見せなかったが、ワカシが多数交じり今後に期待の持てる結果を得た。 一方、当日本船ではマダイはたまたま顔を見ることができなかったが、他船では3キロクラスが上がっておりこちらも有望だ。

 

ワラサのタックルと釣り方ワラサのタックルと釣り方
 当日よく釣れたワカシやイナダ、そしてワラサへと、これからサイズがアップしていき、本誌が発売されるころにワラサが急浮上している可能性は大いにある。 もしワラサが始まっていれば、こんなタックルを準備するといいだろう。 竿はマダイ竿でもいいが、曲がり過ぎるとヤリトリで苦労するので、マダイ竿よりやや硬いワラサ専用竿や青物竿が望ましい。マダイ竿は胴調子だが、専用竿や青物竿は6:4〜7:3調子だ。 次に道糸だが、ワラサ釣りにオマツリはつきもの。PE3号だとオマツリしたときに切れやすいので4号以上がおすすめだと船長は言っていた。

 仕掛けのハリはヒラマサ9〜12号、ワラサ10〜13号などが用いられる。 ハリスは6〜8号。ハリス6号以上なら多少無理をしても切れにくいので、高速で巻き上げてオマツリを軽減できる。長さは6〜8メートルくらいが適当。ワラサはまいたコマセに突っ込んでくるので、ハリスはあまり長くしないほうがよく、ワラサがメインであれば6メートルでいい。 釣り方は、伝五郎丸では指示ダナプラス3メートル下で止めて、そこからコマセシャクリの要領で2回に分けてコマセをまきながら指示ダナに合わせる、とビギナーには教えているとのこと。

 先にも述べたとおり、ワラサはコマセに突っ込んでくるので、コマセはいわゆるドカまきする。コマセカゴの調整は、サニービシの場合、上の窓は全開、下はオキアミが通るくらい開けておくとドカまきができる。 そしてなにより、手返しが重要だ。コマセが潮で流されていき、付けエサだけがポツンと取り残されている状態でも釣れないわけではないだろうが、まいたコマセの中に付けエサが交じっていたほうが当然釣れる確率はアップする。

 1分待つか待たないかくらいのペースで手返しをするといい。また、まめな手返しは船の周囲を遊泳しているワラサを船下に集めるという大きなメリットを生むことにもなる。逆に、船上でだれもコマセをまいていない状態が続くと、船下に集まったワラサが離れていってしまうということも頭に入れておくといいだろう。 ひとたび釣れ始めれば、いい年は12月ごろまで楽しめる当地のワラサ。今年もこうご期待だ!


三浦半島剣崎松輪港   伝五郎丸

☎046・886・1534(詳細は巻末の情報欄参照)

▶料金=ワラサ・マダイ乗合一人9000円(エサ、氷別)
▶備考=5時半出船、無料駐車場あり。仕立船も受け付け

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