1〜2キロ級の良型ぞろい!
外房大原のオニカサゴ盛況

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※料金等データは2019年8月のものです。

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鍋やしゃぶしゃぶがおいしいオニカサゴは周年狙えるターゲット。冬の釣り物というイメージが強いが、ここ外房大原では海況が安定する夏場が、冬のシケた海では狙えない大型が潜むポイントを攻められる好期でもある。鍋やしゃぶしゃぶがおいしいオニカサゴは周年狙えるターゲット。冬の釣り物というイメージが強いが、ここ外房大原では海況が安定する夏場が、冬のシケた海では狙えない大型が潜むポイントを攻められる好期でもある。

 8月中旬に取材した大原港の力漁丸では、航程1時間ほどの大原沖110〜130メートルダチを狙い、2.4キロの特大を筆頭に1キロオーバーの良型ぞろいで船中13尾の結果を得た。デカオニ狙いの穴場、大原沖は今がチャンス!

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オニカサゴの宝庫・外房大原
大きめのエサが攻略の第一歩

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「沖釣りのターゲットで一番好きな魚種は何ですか?」とよく聞かれる。 魚種によって釣り方も違えば、それぞれに楽しみ方や魅力も違うので、どれが1番とか2番とかは自分でもハッキリとは分からないが、あえて言うなら、釣行前日に気持ちがワクワクするものほど好きな釣り物なのだと思う。 そんな私にとって、ワクワク感Aランクに入っている釣り物の一つがオニカサゴ。

 オニカサゴはヒットしてから海面まで断続的に突っ込む引き味と、なんといっても食味のよさが魅力だ。 加えて様ざまなゲストが交じるのもこの釣りの魅力で、これまでアラ、アカムツ、ハタ、オキメバル、ウッカリカサゴ、メダイ、イシナギなどが釣れたことがあり、変わったところでは仕掛けの落下途中で食ったのだろうか、カツオが掛かった経験もある。

 そんな大好きなオニカサゴを楽しみに8月10日、釣友の塙くんを伴って外房大原港の力漁丸へ出かけた。

 

まずはエサ用のサバ釣り
 私のオニカサゴのレコードは2キロだが、事前情報によると大原沖では連日2キロオーバーがボコボコと釣れており、記録更新の期待が膨らむ。 私たちは右ミヨシ2〜3番目の席を確保。乗船者14名で4時に出船し、1時間ほど走ったところでエンジンがスローダウン。 早朝の30分ほどエサ用のサバをフラッシャーサビキ仕掛けで釣るのだが、もちろんサバが釣れない場合に備えて船には塩漬けのサバエサも用意されている。

 それでもやはり新鮮なサバの身エサは何よりの特エサとなるので、エサ釣りとはいえ手を抜けない。「海面から20〜40メートルの範囲に反応がありますよぉー」と中井聡船長が合図を送った直後、各所でバタバタとサバが取り込まれる。 中には丸まると太った個体も交じり、こちらは血抜きなどの下処理をしてお土産としてクーラーにしまう。 各自が十分サバを確保したところでオニカサゴのポイントへ。移動の間にサバをさばいて身エサを作っていると、隣の常連さんが、「そんな小さいエサではアタリが少ないよ」と言う。

 私が作っていた身エサの大きさは幅1.5センチ、長さ8センチほど。しかし当地では幅2センチ、長さは20センチほどとエサが大きいほうが断然アタリが増えるとのこと。船長に確認すると、やはりエサは大きいほうが食いがいいとの返事であった。 15分ほど走ってオニカサゴのポイントに到着し、「水深は120メートル。やってください」のアナウンスでスタート。 船長によると、海底はほぼフラットの砂地で、所どころに小さな根が点在しているようなポイントとのこと。

 釣り方は、底ダチを取ったら50センチから1メートルほど巻き上げたところで、ゆっくりと竿を上下して誘うのが基本。ゴツゴツ、ググッといったアタリがきたら、一呼吸置いてしっかり合わせを入れればいい。 しばらくすると右胴の間の知久さんが魚信をとらえた。 巻き上げ途中でゴゴッゴッと断続的に強烈に引き込むのはオニカサゴの特徴。船長の差し出すタモに収まったのは後検量1.2キロのグッドサイズ。

 

大原のゴジラ登場!
 船内の様子を見て回っていると、私の目の前で左トモ2番の佐藤さんに魚信が到来。じっくり食わせてからしっかりと竿を立てると見事にフッキング。 終始ギュンギュンと派手に抵抗することから、てっきりメダイかと思ったのだが、海面下に浮かび上がってきたオレンジ色のシルエットを見た周囲の人が、「デカイ!」と声を上げる。

 無事タモ取りされたのは後検量2.4キロのデカオニ。その威風堂々たる姿はオニの名にふさわしく、存在感がハンパではない。 船長が言うには、このサイズにもなるとゴジラと呼ぶらしく、「今年は3キロも釣れたよ」と平然としている。大原沖はデカオニの魚影が濃いエリアなのだ。 船の流し方は、40分ほど潮に乗せて流したら15分ほど走って元の場所に戻り、筋を変えて潮回りを繰り返す。当日は速が速く、「もう少し潮が緩いともっと釣れるのになぁー」と船長は少々ぼやき気味。

 それでも時折掛かるオニカサゴはどれも1キロオーバーの良型ぞろいで釣り応えは十分だ。 左胴の間の女性アングラーの石川さんにヒット。慎重に巻き上げて釣り上げたのは1.5キロの堂々たるオニカサゴであった。 右トモで広田さんが巻き上げている。しかし最初は激しく抵抗していたものの、途中から軽くなり、「あれっ? バレちゃったかな……」と不安そうであったが、海面にポッコリと浮かび上がった魚の正体は2キロ近いウッカリカサゴ。 オニカサゴと違って浮き袋が膨らんでしまうため、途中で引かなくなったのだろう。

 さて、肝心の私はダメダメの連発。最初は隣の方の撮影中に置き竿にアタリがきたので、軽く合わせを入れてそのまま置き竿で巻き上げたらバレていた。 次のアタリはしっかりフッキングさせたものの、巻き上げ途中で大サバが食ってしまい、ブンブン振り回されて本命が外れた。 極めつけは、ゴツゴツとした魚信からグッと絞り込まれた瞬間に合わせを入れると、プッと道糸が切れるというハプニング。おそらくオマツリしたときに道糸が船底にこすれて傷がついていたのだろう。 結局私は30センチほどのウスメバル2尾とふがいない結果であった。

 11時に沖揚がり。釣果は1〜2キロ級の良型ぞろいで0〜2尾。トップの2尾が4名であった。 船長によると、例年どおり9月ごろから潮が緩くなれば釣果がさらに上向くとのこと。 ファンならずとも、外房大原のデカオニを求めて出かけてみてはいかがだろう。


外房大原港力  漁丸

☎0470・62・0575

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▶料金=オニカサゴ乗合一人1万2500円(エサ、氷付き)
▶備考=出船時刻は電話確認、駐車場あり。ほか一つテンヤ、イサキへも出船

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