日本海新潟のコマセダイ
プレ乗っ込みカウントダウン!

新潟県上越市直江津港出船…直江津沖

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※料金等データは2019年3月のものです。

レポート◎高田 光

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春先に期待が高まるターゲットの一つが日本海新潟のコマセダイ。例年、当地の乗っ込みが本格化するのは5月ごろだが、迎える3月はプレ乗っ込みと呼ばれる1キロ前後の中小型を主体とした数釣りが始まる時期。春先に期待が高まるターゲットの一つが日本海新潟のコマセダイ。

 例年、当地の乗っ込みが本格化するのは5月ごろだが、迎える3月はプレ乗っ込みと呼ばれる1キロ前後の中小型を主体とした数釣りが始まる時期。

 今シーズンのマダイの模様を占うべく2月下旬に取材した直江津港の謙信丸では、直江津沖の水深60メートル前後を狙い、最大3.8キロの良型交じりでトップ5枚の結果を得た。

 兼玉武雄船長の見立てでは、今のところ食いにムラはあるものの、反応は連日バッチリ出ていて、いつプレ乗っ込みが始まってもおかしくない状況とのこと。今後の盛り上がりが楽しみだ。

 

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新潟県上越市直江津港発➡直江津沖
日本海新潟のマダイ上昇気配日本海新潟のマダイ上昇気配向春のプレ乗っ込み間近!?

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新潟県上越地方の沖釣りのメインイベントたる〝マダイの乗っ込み〟の時期は、超ダイナミックな爆釣を見せるため船宿の予約を取るのも難儀だが、その開始日は温暖化の影響もあってか、近年ますます早まっている。

 新潟県上越地方の沖釣りのメインイベントたる〝マダイの乗っ込み〟の時期は、超ダイナミックな爆釣を見せるため船宿の予約を取るのも難儀だが、その開始日は温暖化の影響もあってか、近年ますます早まっている。

 過去には6月3日に乗っ込みが始まった年もあったが、一昨年は5月9日、昨年に至っては5月6日にマダイの荒食いが始まった。

 しかし、3月ごろに〝プレ乗っ込み〟と呼ばれる1キロ前後の中小型を主体とした数釣りが始まる時期に至っては、早い年もあれば遅い年もありムラがあるようだ。

 そんなマダイの様子を探ろうと2月22日、上越市直江津港の謙信丸にお邪魔した。

 

 

3キロオーバー登場
 早朝6時、直江津港に集合した釣り人は6名。そのうち4名は希望で右舷に並び、私は左舷胴の間に、同行の釣友は左ミヨシに席を取る。

 6時半に出船(3月から6時)し、航程30分ほどで直江津沖60メートルダチに到着。「コマセカゴを海面から40メートルまで落としたらコマセを振り出して、35メートルに合わせてアタリを待ってください。ここは前回出船した19日に8.7キロがヒットしたポイントなので油断は禁物ですよぉ〜!!」といつも元気な兼玉武雄船長のアナウンスで開始。 しかし私は3カ月ぶりの釣行でとにかく寒さが骨身にしみる。手はかじかみ、足腰はガタガタ震えてしまい、とても釣りを始める気になれない。

 一方、ミヨシに座る同世代の釣友は寒風もどこ吹く風を気取り、大張り切りで投入。そんなライバルに励まされた私は老体にムチ打って、ブルブル震えながら仕掛けを海中に送り込んだ。 しかし、ここ数日の低気温の影響かアタリが一向に訪れない。船上がシーンと静まり返ったまま1時間ほどが過ぎ去った。

 すると、突然私の竿にググンと小ダイ特有の派手なアタリが訪れた。ポケットからおもむろに片手を抜き出し、ずぼらにも置き竿のまま電動のスイッチを押す。

 そしてエイッとばかりにゴボウ抜きにしたのは1キロ弱のマダイ。まずは本命の顔を拝めてホッと一安心だ。

 プレ乗っ込みで釣れるマダイのレギュラーサイズは1キロ前後だが、食味にいたっては脂があってなかなか美味な代物である。私見では、この時期のこのサイズのマダイが一年を通して一番おいしいと思っている。 同時刻、右舷で1キロ弱と3キロオーバーのマダイが釣れ上がった。私は現金なもので、大ダイの姿を見てメラメラと釣り魂に火が付いた。そして貪欲釣り師モードにシフトアップ。

 しかし、寒さをはねのけ、必死に奮闘努力するも、今度はエサ取り軍団が猛烈な勢いで勢力を拡大し攻撃を仕掛けてきた。船長は、「ジャミ(エサ取り)の下にはマダイの反応がバッチリ出てますが……食ってきませんか?」と不安げに問う。

 そのうち食い上げるようなアタリがきたので巻き上げると、エサ取りの主犯格・ウマヅラが上がってきた。

 

最後の流しで再び大ダイ
 やがてポイントを移動。しかし、移動後の2〜3投は船内ポツポツとレギュラーサイズが釣れるのだが、コマセが効き出すころにはエサ取り軍団が大挙して押し寄せてくる展開。 もしマダイの群れが大きく、エサ取りの群れをしのぐ活性があれば、ウマヅラなどのエサ取りも早々と退散するに違いないが、あいにくこの日のマダイは活性が低いようだ。

 その理由として考えられるのは、潮がほとんど動いていないこと。潮さえ動けばエサ取りも減るはずなのだが……。 10時を過ぎると太陽がさんさんと輝きだし、一気にポカポカ陽気となった。 私は帽子と防寒着を脱ぎ捨て、今度は睡魔が襲ってきた。マダイのアタリが遠いことも手伝い、静かな船上でウトウト、コックリ……。ハッとわれに返り、慌てて眠気覚ましにカテキン茶をグイッとあおる。

 本来はエサ取りが多いときこそまめに付けエサを確認することが大事なのだが、私は老齢化のせいか今ひとつ気力がなく、3〜4分間に一度のインターバルで入れ替えるのがやっと。 午後1時半の最終局面でマダイの好反応を探り当て、「本日一番の結構な反応がありますよぉ〜。食ってきますよぉ〜!!」と船長のアナウンスにも力が入る。

 しかし、沖揚がりまで残り30分足らずとなり、焦りが頂点に達するなか、船中一丸となって最後のあがきで手返しする。

 それが功を奏し、私は1キロ弱を追釣。釣友は鋭い引き味を堪能し、見事に3キロ級を手中に収めた。

 ところが、集中して竿先を見つめる我われをあざ笑うかのごとく、エサ取り軍団が幅を利かせ始めた。こうなると付けエサは3分と持たないだろう。「残り10分です。がんばってくださ〜い!!」 私は気合を込めて最後の投入をしたが、海の女神はほほえんではくれなかった。

 当日の釣果は0.5〜3.8キロが0〜5枚。好反応が出ていたわりに食い渋ったのは、ひとえに潮が動かなかったせいだろう。

 しかし船長によれば、反応は連日バッチリ出ているので、いつプレ乗っ込みが始まってもおかしくないとのこと。

 これから「プレ乗っ込み」、「乗っ込み本番」と期待が高まる上越沖のマダイから目が離せない。


謙信丸

 新潟県上越市中央5-19-10 025-543-8316

http://tj-web.jp/funayado/6.html

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