大小交じりで食い活発!
茨城県鹿島沖のヒラメ順調

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※料金等データは2019年11月のものです。

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12月となれば青物、マダイに加えてこのヒラメも欠かせない。茨城県鹿島沖では部分解禁となった11月より、1キロ前後を主体に3〜4キロ級の大型を交えて、いい日はトップが規定数の10枚に達している。 鹿島港・大久丸での取材日は強い風と波があり釣りにくい状況となったものの、底荒れの影響を受けにくい水深40〜45メートル前後と深めのポイントを狙い早朝から食いは活発。3キロ級を筆頭にトップで6枚、ほとんどの人が3枚前後を釣ることができた。

 当地の船長によれば、今シーズンは職漁船も豊漁で例年以上にヒラメの魚影が濃いとのこと。 12月1日からは茨城県海域のヒラメ釣り場が全面解禁となるが、さらなる盛り上がりを期待したい。

 

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深めの釣り場でヒラメ好釣
早朝の2時間が勝負時!?

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11月に茨城県南部エリア、鹿島のヒラメが部分解禁。傾向として解禁直後は居着きの1〜2キロクラスがメインに釣れ、時折ヌシとも呼ばれるような10キロに迫るビッグサイズが姿を見せる。 そして季節が進み、海水温が20度を切るとイワシの群れが回遊してきて、それを追って「渡り」と呼ばれる4〜5キロ級のヒラメが釣れ始めるのがこのエリアの特徴だ。

 事前情報ではすでに10キロオーバーのヒラメが鹿島沖で上がっており、釣友2名とともに心を弾ませて鹿島港の大久丸に11月10日に出かけた。 待合室に顔を出すと大川船長が座っていたので、さっそく近況を伺うと、「ヒラメ漁では例年以上の水揚げがあったので、今年の魚影は濃いと思いますよ」とのこと。続けて、「昨日取材に来てくれれば、オデコなしで規定枚数の10枚に達した人もいたし、10キロオーバーのマダイも釣れたのになぁー。今日はこの風でどうなることやら」と船長が言うとおり、外は強い北東の風が激しく木々の枝を揺らしていた。 潮の流れ具合、潮色、水温変化、そして風や波も釣果を左右する重要な要因だ。

 

開始早々、連続ヒット!
 私たちは右舷のトモから並んで席を取り、5時を回ったところで乗船者10名で出船。 近場の30メートルラインの魚はたび重なる台風の影響で深場に落ちてしまっているのか、さらに沖の魚礁周りが現在のポイントらしい。 1時間ほどでポイントに到着すると、北に流れる真潮と北東風が正面からぶつかり合ってかなり波立っている。

 さっそくイワシが配られてスタート。水深は45メートル、魚礁の縁を横流しで探っていく。 開始早々ヒラメが食ってきた。右舷ミヨシ2番の一場さんが1キロ級を釣り上げ、間を置かずに左舷ミヨシの笹原さんも同級を取り込む。 横流しはスパンカーを畳んで風を船の舷に受けて流す方法で、移動のたびに舷を変えて探っていくので、釣り座の優劣があまりなくチャンスがまんべんなく訪れる。 しかし、その反面横波を受けるので、当日のように風が強く波が高いと船が揺れるため、釣りづらさはどうしても否めない。 したがって撮影で船上を移動する際も、手すりにつかまって慎重に動くことになる。 ミヨシで撮影をしていると、「記者さんの竿がアタっているよー」と大川船長が大声で知らせてくれた。

 転ばないように注意しながら釣り座に向かうと、「慌てなくても大丈夫だよっ。この引きならもうハリ掛かりしているからさぁー」と船長。 竿を手にすると、確かにフッキングしている手応えがあり、竿を起こしてリーリングを開始するとギュンギュンと力強く抵抗する。 竿尻を下腹に当ててリーリングを続け、ユラユラと海面を割ったのは後検量1.8キロの肉厚なヒラメだった。

合わせが肝心
 船内でアタリは頻繁に訪れるものの、食いが浅いのか、この波による上下動で違和感を感じてエサを放してしまうのか、フッキング率が極めて低くバラシが多発していた。 釣友の遠藤さんはヒラメ釣りの経験が少ないせいか、1度目は派手な魚信に反射的に合わせを入れてしまってスッポ抜け。 2度目のアタリは慎重になりすぎるあまり、しっかりと合わせなかったのでスッポ抜けと、すっかり意気消沈していた。

 その遠藤さんに3度目のアタリがきた。船長が操舵室から顔を出し、「まだだよ、まだまだ……」と合わせのタイミングを見計らっていると、ギューンと竿が曲がって竿先が海面に突っ込んだ。「今だ! 大きく合わせて!」 船長の声に遠藤さんが竿を立てると見事にフッキング成功。上がってきたヒラメは800グラム級の小型ながらもうれしい1枚を手にした。 私も2枚目の1.5キロを追釣すると、右トモの釣友の塙さんにも待望のアタリ到来。 彼も先ほどスッポ抜けを経験しており、今度こそはモノにしようと目つきは真剣そのもの。明確な引き込みがきたところでしっかりと合わせ、2.3キロのヒラメを釣り上げフーッと息を吐いた。 右舷ミヨシ3番の小池さんが激しく竿をしならせ3.5キロのワラサを取り込む。 撮影して釣り座に戻り、仕掛けを入れ替えると、着底と同時にガガガーッと派手な魚信が襲ってきた。

 合わせを入れて巻き上げるとこれまでにない強い突っ込みを見せる。竿のためでこらえていたのだが、一際強い突っ込みでプツッと道糸がテンションを失う。 ワラサか大型のヒラメだろうか……。ドラグをきつめに調整していたのが災いして、サルカンの接続部でハリスがブッツリ切れていた。 その後も強風は収まらず、風に押されて魚礁の上を船が通過してしまう場合があり、そんなときは根掛かりが多発する。 このような状況では、捨て糸を長めにして底を切ると、仕掛けが根に触れる確率が減りエサのイワシとハリスのダメージを軽減でき、仮に根掛かりしてもオモリだけのロストで済むのでお試しいただきたい。 開始から2時間ほどが過ぎると、あれほどあったアタリが極端に減ってきた。

 船長の話だと、最近の傾向として早朝の2時間ほどに食いが立って、その後は落ち着いてしまうパターンが多いらしい。 その後はポツリポツリの状況が続いて11時15分に、「これで最後の流しにします」と船長が告げる。 右ミヨシの神岡さんがアタリをとらえ、1.5キロ級を釣り上げたところで沖揚がりとなった。 釣果は0.8〜3キロが一人0〜6枚で船中27枚。私は4枚を釣り上げた。 本誌が発売となる12月1日は茨城県海域が全面解禁となり、さらに盛り上がることは間違いないだろう。


茨城県鹿島港 大久丸
☎0299・82・4776

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▶料金=ヒラメ乗合一人1万3200円(エサ、氷、仕掛け1枚付き)
▶備考=4時半集合。駐車場あり

 

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