ヒラメのトップシーズン突入
日立沖は数型ともに期待大!

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※料金等データは2019年12月のものです。

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12月に全面解禁となった茨城県エリアはヒラメ一色。ここ日立久慈漁港もヒラメ狙いで出船する船がほとんどで、1キロ前後を主体に2〜3キロの良型交じりでトップ3〜5枚前後と釣況も順調だ。 ポイントの水深は20〜30メートル前後。日立沖のヒラメ釣り場は比較的平たんなため、根掛かりが少なくビギナーでも釣りやすい。 船長によれば、イワシなど小魚の反応が見られる日が増えており、今後は渡りの大ビラメが期待できるとのこと。年末年始の動向に注目だ。

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初釣りの大物狙いの本命
日立沖のヒラメ良型連発

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沖釣りのターゲットを大別すると、数釣りを楽しめる魚種と、よくても5〜6尾、時にはオデコも覚悟しなければならない魚種に分けられる。沖釣りのターゲットを大別すると、数釣りを楽しめる魚種と、よくても5〜6尾、時にはオデコも覚悟しなければならない魚種に分けられる。 前者は手返しのよさや様ざまな誘いを駆使することで釣果が変わるため、必ずといってよいほど経験豊富なベテランが上位の釣果を上げる。

 一方、後者は運に左右されることも多く、時に初挑戦の人が竿頭になったりもする。その代表的な魚種の一つがトップシーズンを迎えたヒラメ。 とはいえ、運頼みだけではダメで、一日に何度もないチャンスを確実にものにするためには最低限の釣り方の知識は必要だろう。 ヒラメの場合は、エサのイワシに本命が食い付いてから、合わせを入れるタイミングの見極めが肝心だ。 代表的なアタリの出方は、ヒラメがイワシをくわえるとググッ、ゴツゴツと竿先を不規則に揺さぶるような魚信。最初のアタリに続いて、ヒラメがエサを食い込んで反転すると、竿を押さえ込むような大きな引き込みがくる。この瞬間に魚を竿に乗せるようなイメージで、大きく竿を立てて合わせを入れる。

 しかし、実戦ではアタリの出方は様ざまであり、合わせのタイミングを待つときのドキドキ感もヒラメ釣りのだいご味だろう。 そんなヒラメを狙って12月8日、茨城県日立久慈漁港の釣友丸に釣行した。

 

多彩なゲストが登場

 同船は集合時刻になると電話予約の順に名前を呼ばれ、釣り座を決めて受け付けを行うスタイル。集合時刻までに港に到着すればいいのだ。 当日のヒラメ船の担当は若林一船長で、大船長の正行さんは一つテンヤ船で出船するとのこと。 5時20分、右舷に5名、左舷に6名を乗せて出船。私の席は左ミヨシだ。 ゆっくり20分ほど走ると沖堤防の手前のポイントでイワシの群れの反応が見られ、さっそくエサのイワシが配られた。水深は19メートル。当地のヒラメ釣り場は所どころにツブ根があるものの、底は比較的平たんで根掛かりの心配はあまりない。

 全員エサ付けを済ませたころ合いで、「左舷の方は80号、右舷は60号のオモリでやってください。左舷の方はあまり道糸を出さないで、入れ直しをしてください」とのアナウンスでスタート。 船の流し方は比較的釣り座による優劣が少ないといわれている、舷に風を受けて船を流す横流し。同船は流し変えのたびに舷を入れ替えるので、オモリをその都度替えるのがお約束となっている。 さっそく左胴の間で竿をしならせたのは、本日が沖釣り初挑戦の浦本さん。しかし海面を割ったのは本命ではなくマトウダイ。ヒラメ釣りでは定番ゲストで、ムニエルにすると絶品だ。

 その後も浦本さんは絶好調。ホウボウ、マトウダイ、イナダと立て続けに釣り上げ、まるで釣りの神様が舞い降りたかのような勢いだ。 しかし、周りでもイナダなどのゲストは上がったものの、肝心のヒラメのアタリが遠く、6時45分に移動となった。

 

痛恨のハリス切れ……


 水深30メートルで再開すると、釣友の塙くんに待望のアタリがきた。ガタガタと竿先をたたくような引きが続き、合わせたい気持ちを押さえて耐えている彼に、「まだよ、まだまだ」とアドバイスを送る。間もなくギュンギューンと竿が海面に突き刺さったところで、「今だ、合わせろ!」と声をかけると見事にフッキング。上がってきたのは後検量2.2キロ、良型のヒラメだった。 ほぼ同じタイミングで左トモの山本さんがヤリトリを開始。駆け付けると1.2キロのヒラメがまさに海面に浮き上がりタモ取りされる瞬間だった。 右舷ではトモの山田さんもヒットさせてリーリング中。カメラを構えているとボッコリと浮き上がったのは1キロはありそうなソイだ。 急に食いが上向き、画撮りで船上を動き回っていた私に、「記者さんの竿にもアタってるよ」と船長が教えてくれた。

 急いで席に戻ると、これでもかといわんばかりに竿がバタバタ暴れている。 慌てて竿を手にして合わせると、ガツッと重たい手応えとほぼ同時に、ブチッと嫌な感触……。ほったらかしにしていたのが災いしたのか、ハリス切れで孫バリがなくなっていた。 気を取り直してエサを付けて投入すると、すぐにアタリがきたがこれはホウボウ。 再投入するとまたもやアタリがきたが、上がってきたのはマトウダイでなかなか流れに乗れない。 左トモの山本さんが2枚目、3枚目と1キロ前後を追釣したものの、その後はヒラメからのラブコールは遠のいてしまった。

 ヒラメの活性が低いのだろうか? そのうえ風もなく潮もあまり流れていないので、横流しでポイントを広く探れないのが辛いところだ。 ようやく好転したのは沖揚がり30分前。釣友の塙くんが1.5キロのヒラメを釣り上げ、左ミヨシの柳沢さんが1キロ級をキャッチ。 これに続いて、船酔いでダウン気味の左ミヨシ3番の山田さんにアタリがきて800グラム級を釣り上げる。彼も沖釣り初挑戦だったので、ヒラメの顔を見たうれしさで船酔いも吹っ飛んだようだ。 山田さんたちのグループリーダーである沖釣り経験者の竹部さんは、「重いけど引かないなぁー」と慎重に巻き上げてマダコをゲット。

 そして塙くんが本日最大2.5キロを釣り上げたところで沖揚がりの時間を迎えた。 ヒラメの釣果は0.8〜2.5キロが0〜3枚、トップ3枚が2名。当日は潮が流れず厳しい状況だったが、今後はイワシの回遊とともに大型の渡りビラメの期待が高まる時期。 釣友丸は年明け3日から出船。ハラハラドキドキのヒラメで初釣りに出かけてみてはいかがだろう。


茨城県日立久慈漁港 釣友丸
☎0294・22・7436

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▶料金=ヒラメ乗合一人1万2000円(エサ、氷付き)
▶備考=5時集合、駐車場あり。ほか一つテンヤマダイ、ルアー青物へも出船

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