手軽で手堅いライトアジは
春のレジャーにイチ推し!

※無断コピー・転載禁止
※料金等データは2020年2月のものです。

01 DSC 4322

船宿データベースはこちら。

東京湾のライトアジが連日好調だ。午前、午後の半日釣りでは実質3時間ほどの釣りとなるが、それでもトップ50尾以上を釣っている。 出船は電車釣行でも便利な横浜、金沢八景、川崎、羽田など湾奥各地から乗合船が出ているうえ、貸し道具など初心者の受け入れ体制を整えている船宿がほとんどだからビギナーや子供連れでも安心して釣行できる。春休みのレジャーにイチ推しの釣り物だ。


 

手軽な半日船でライトアジ
横浜沖の近場でエンジョイ

東京湾のライトアジが異常なほどに盛り上がっている。本来2月の厳寒期はガタッと釣果が落ちるのが通例だが、衰えるどころか勢いは増すばかり。いや、最盛期をもしのぐ釣果も飛び出しまさに絶好調である。 文字どおり手軽な道具で楽しめ、しかも脂のたっぷり乗った金アジがターゲットだから人気が出ない訳がない。 休日ともなると川崎沖から横浜、本牧といった主だった釣り場にはたくさんの釣り客を乗せたライトアジ船が集まり、盛んに竿を上げ下げしているのを見てもその盛況ぶりがうかがえる。

 そんな状況だからアジ釣りの取材依頼も多く、というより最近はライトアジ専門のライターみたいになっちゃっているのだ(笑)。 2月12日、今回出かけたのは横浜の渡辺釣船店。タチウオや青物のルアー船で名の通った船宿だが、ライトアジでも人気を集めている。 その理由の一つが釣り場の近さであろう。目下、東京湾のライトアジの中心ともいえる横浜沖が目の前に広がり、近い所ならものの10分で到着する。 その好立地ゆえに同宿では午前と午後の半日船で出船。出船時間を選べるとあって、ベテランはもとより初心者や子供連れのファミリーにも好評を得ている。 もちろん一日バリバリ釣りたい人は、午前午後と通しで乗れるからノープロブレム! 割引もあるからお得でもある。


だれでも釣れる!
 午前6時半前に船宿に到着したが、すでに大半の方が乗船していて出船を心待ちにしている。当日は祝日とあって総勢25名と盛況。親子連れも何組かいたし、バチコンのルアーマンも数人いて何とも賑やかだ。出船前のひと時は、今日はどんな魚との出会いがあるかとベテランでも心躍るときでもある。 定刻7時に出船。杉村裕二船長が「今日は外に出てみます」と出船前に話していたが、ベイブリッジを潜って少し行くと船はすぐスローになりポイント到着だ。航程15分程度と何とも近い。

 しかし最初のポイントでは反応がなかったようで即移動となった。と言っても2〜3分走った近くである。 ここでは反応があったようですぐ釣り開始となった。「水深17メートル。タナは底から2メートルでやって」と船長からアナウンスがある。 ベテランから手ほどきを受けている初心者を除き一斉に仕掛けが投入され、コマセワークの開始だ。 コマセまきは大事な共同作業の一つ。船下にアジが集まればこっちのものである。 すぐに船中第一号が顔を出したが活性が低いのか、集まり方がまだ少ないのか、アタリは今イチ少ない様子。

 そういえば一昨日の日曜日は厳しい寒さのうえ、本牧で18メートルの強風が吹いたから、その影響も多少あるのかもしれない。当日も多少風とウネリが残っていたし……。 まあそれでも慌てることもない。まだ始まったばかりだし、そのうち群れが集まれば釣れ始めるだろうと思っていた矢先、東京中野区からお父さんと来ていた岩間優奈ちゃん(10歳)が25センチ級の中アジを「釣れたよ〜」と言いながら見せに来てくれた。 昨年から本格的に沖釣りを始めたという優奈ちゃんだが、驚いたことにバチコンで釣ったという。それも投入から取り込みまでだれのサポートもなく1人で釣ったとのこと。 あっぱれである!

 2〜3年もすればルアー船に乗ってブイブイ言わせているだろう。 それがきっかけになったのか、少しずつ状況は上向いてきたようで船中だれかしらが竿を曲げ取り込んでいる様子が見られるようになってきた。 ベテランから手ほどきを受けていた初心者たちも、最初はぎこちなかった動作が次第に様になってきて、幅広のアジを釣り上げてうれしそうだ。

終盤戦は良型狙い
 ほとんどが単発でバリバリの食いではなかったが、20〜25センチ級が飽きない程度に釣れてくる。 しかし、初心者を指導していたベテランが竿を出したらいきなり入れ食いだったから、食い渋りでも決して魚影が薄いわけでもないようだ。 ちなみに別のベテランも、子供たちの面倒を見ながらコマセでもバチコンでも入れ食いだった。 簡単に釣れるときほど、経験が釣果に表れるのを実感した次第である。

 当日は昼ごろまで下げ潮が効いている状況だから、よほどのことがない限り食いが途切れることはないだろうと勝手に安心。 これなら画撮りするのも楽で、ちょっと隣で待っていればすぐ笑顔がいただけた。むしろ入れ食いで夢中になられるよりは私的(画撮りする)にはありがたい。 1尾ずつの単発の食いだって、手前マツリなどしないで手返しよく釣れば数ものびる。 今日はこのまま移動なしでいくのだろうと思っていたら、沖揚がり30分ぐらい前に船長から「上げて〜」との指示が出た。

 えっ、今から移動? 決して食い自体は悪くなかったのだが、船長は朝イチのポイントへ逆戻り。そして着いてすぐ再開の合図が出た。 すぐにアタリが出たようでアジを取り込む姿があちこちで見られる。しかもサイズが25〜28センチ級と先ほどに比べよくなった。時折30センチ級も交じって竿の曲がりも大きくなっている。 お客さんもその違いが釣っていて分かるようで、後ろ姿に真剣さが漂っている。 船長がこのポイントに固執するのはこれかと私も納得である。 後で船長や常連さんに聞いたら、やはりあのポイントは良型がそろうとのこと。タイミングよく移動したからきっと船長のフェイバリットポイントなのだろう。あっぱれ!

 結局ここで沖揚がりの11時を迎えた。トップは57尾で平均20〜30尾。初心者も10尾前後を釣って晩のおかずはしっかりゲット。やはり横浜沖は裏切らなかった! すでに立春も過ぎ春の到来を告げている。これからは日ごとに暖かくなり沖釣りには最適なシーズンになるし、アジの活性も高くなる一方。脂の乗った金アジが早くおいでよと呼んでいましたぞ!


 

東京湾奥横浜 渡辺釣船店

☎045・622・8381

▶料金=ライトアジ乗合午前・午後船6000円(コマセ、付けエサ、氷付き)、一日通し9000円。女性・子供割引きあり
▶備考=午前船7時、午後船12時半出船。駐車場あり。タチウオ、ルアー青物へも出船

船宿データベースはこちら。