八景沖の浅場でコマセダイ上昇
ワラサ・イナダ交じりで秋本番

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秋を迎えて各地のマダイが上昇気配。東京湾奥出船のコマセダイもいい感じに釣れている。 9月中旬に取材した金沢八景の太田屋では八景沖26メートルダチの浅場を中心に狙い、1キロ級主体に最大4キロを交えてトップ5枚。これにワラサやイナダ、クロダイ、アジも釣れて賑やかな一日となった。 海も穏やかな八景沖の浅場で楽しむコマセダイは秋の行楽にイチ推し。太田屋は貸し道具完備はもちろん、釣り方も船長が教えてくれるからマダイ入門にもおすすめだ。

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※料金等データは2020年9月のものです。

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4キロ、3キロ、大ダイ連発
八景沖のコマセダイが熱い!

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「ハリス6〜8号で、6メートルの仕掛けを付けといてください」 久里浜沖に向けて船を走らせる太田一也船長が、そうアナウンスする。 9月13日、日曜日。今回の取材釣行は東京湾奥金沢八景・太田屋のコマセダイ船だ。 コマセダイで6〜8号?  そう思われる方もいるかもしれないが、ピンときた方も多いだろう。ご推察のとおり、久里浜沖のマダイポイントでワラサ・イナダが釣れているからだ。 7時11分に出船した第八太田丸は、航程約40分で久里浜沖に到着する。そしてその10分後に、船長から開始がアナウンスされた。「はい、どうぞ。水深は36〜37メートル。上から28メートルでやってください」

 私を除く11名が仕掛けを下ろす。周囲にはワラサ船と思われる船が数隻浮かび、すでにイナダやワラサがタモ取りされている。 しかし、ここはやはりマダイ釣りのポイント。右ミヨシの吉岡さんが、いきなりマダイのアタリをとらえる。40センチ級のマダイを手に「1キロないなあ」と不服そうだが、キレイな魚体だ。 そしてその後、コマセが効き始めたのかイナダ・ワラサが釣れ始まる。右トモの小川さんの1.5キロ級を皮切りに、吉岡さんが同級を釣ると、小川さんが2本目を追加。左トモの大渕さんと右胴の間の小中さんがそれぞれ2キロ級と続いた。

初心者が大活躍!
 11時ごろ、第八太田丸は東に向けて走り出す。向かうは太田屋コマセダイのメインポイント、八景沖だ。船を走らせながら船長は、「仕掛けをマダイ用に替えておいてください。ハリス3号、8メートルでお願いします」とアナウンスした。 そして約35分で到着し、「はい、やってみましょう。水深26メートル。底からハリス分か、ハリス分プラス1メートルでやってください。アジが何尾かは釣れると思いますよ」という船長のユーモラスなアナウンスで船上が笑いに包まれた。

 しかしその直後、船上の雰囲気が一変する。吉岡さんが1キロ級のマダイを釣ると、左ミヨシの新井さんにもほぼ同級。再び吉岡さんと、左5番の長内さんも800グラム級を釣り上げた。 まだ終わらない。新井さんを挟んで、吉岡さんが4枚目。新井さんが負けじとマダイを釣ると、左トモの大渕さんにもマダイ。その大渕さんに今度はワラサがヒットすると、左胴の間の赤石さんに2枚目となるマダイ。 小川さんが1キロ級のマダイに続いて2キロ級を連釣する。これがこの日の最大だとだれもが思ったはずだ。 しかし、ここでドラマが起こる。左胴の間の井上穂乃花さんが、折れるかと思われるほど曲がり込んだ竿を起こし、必死にリールを巻いている。周囲の視線を集めてタモ取りされたマダイに、船上のあちらこちらで歓声があがった。なんと77センチ、後検量4キロジャストの大ダイだ。

 さらにその15分後、再現フィルムでも見ているかのような光景が展開される。井上さんが再び渾身の力を込めてリールを巻き始めたのだ。 時間をかけて上がってきたマダイは67センチ、3.1キロ。 大ダイ2枚を釣り上げた井上さんは、沖釣りは数回目、マダイ釣りにおいては二日前に続いての2回目の挑戦だという。いずれも船宿は太田屋とのことなので、おそらく太田船長のアドバイスに忠実に釣りをした結果なのだろうと思った。

マダイ入門にもおすすめ
 その後も新井さんにクロダイ、左2番の佐藤さんが竿頭を決める5枚目のマダイを釣り、右胴の間の小谷郁恵さんにもマダイが釣れた。 船着き場からほど近い浅場で、こんなにもマダイが釣れるのか。しかも型も申し分ない。こんな状況にもちろん私もマダイを釣りたいと気合を入れて竿を握ったりもしたのだが、船上のどこかで魚が釣れるこの状態に、気合を入れると撮影、釣り座に戻るとまた撮影、竿に集中できるのは船上でもアタリが遠のいたときというサイクルが最後まで繰り返され、オデコのまま道具を仕舞うことになった。

 そして15時に沖揚がり。釣果は0.3〜4キロのマダイが0〜5枚。これにイナダ、ワラサ、クロダイ、アジなどが交じった。 今年は9月からスタートした金沢八景・太田屋のコマセダイ船は出足良好。浅場で釣るマダイは引きが強くスリルがあり、その分タモに入った瞬間は爆発的な喜びを感じることができる。 また、仕掛けも8メートルとコマセダイにしては短めなので、仕掛けさばきに慣れるまでに時間もそれほどかからない。船長の指示ダナを守って置き竿で待つ釣り方が主流なので、とくに高等テクニックも必要としない。

 井上さんが夢を実現させたように、マダイ釣りにチャレンジするならまさに今。この秋、イチオシの釣り物といえるだろう。 私も近いうちに、ぜひリベンジしたいと思っている。そのときは、井上さんのように太田船長のアドバイスがもらえる胴の間に釣り座を取るつもりだ。


東京湾奥金沢八景太田屋

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1045・782・4657

▼料金=マダイ乗合一人1万 1000円(コマセ、氷付き) 女性割引あり▼備考=予約乗合。7時15分出船、ほかルアータチ ウオ、テンヤタチウオ、ライトアジへも

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