丸まる太った良型交じりで
東京湾のカサゴ好模様!

東京湾奥川口市鹿浜橋出船…本牧沖 

レポート◎丸山利明

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※料金等データは2019年3月のものです。

 東京湾のカサゴは初心者や子供も気軽に楽しめる人気魚。乗合船が増えるのは例年春先で、取材に訪れた東京湾奥川口市鹿浜橋・松陽丸では2月にカサゴ五目船をスタート。主な釣り場は本牧沖の水深15〜30メートル前後で、取材日は25〜30センチ級の良型を交えトップ30尾オーバー、初心者でも10尾ほどの好釣で、大人も子供もカサゴの引きを満喫した。東京湾のカサゴは初心者や子供も気軽に楽しめる人気魚。乗合船が増えるのは例年春先で、取材に訪れた東京湾奥川口市鹿浜橋・松陽丸では2月にカサゴ五目船をスタート。主な釣り場は本牧沖の水深15〜30メートル前後で、取材日は25〜30センチ級の良型を交えトップ30尾オーバー、初心者でも10尾ほどの好釣で、大人も子供もカサゴの引きを満喫した。

 同船は貸し道具完備で仕掛けも販売しているから手ぶら釣行も可能。もちろん釣り方も船長が教えてくれるから、ビギナーの仲間を誘って春の行楽釣行を楽しむにもピッタリだ。(詳細は58ページ参照)

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◉東京湾奥川口市鹿浜橋発➡本牧沖
手軽で手堅いカサゴ五目手軽で手堅いカサゴ五目良型ぞろいで大満足!

埼玉県に海はないものの、沖釣りを楽しめる船宿がある。川口市を拠点とする松陽丸もそのうちの一軒だ。埼玉県に海はないものの、沖釣りを楽しめる船宿がある。川口市を拠点とする松陽丸もそのうちの一軒だ。

 松陽丸の船着き場は、荒川の中流にある鹿浜橋のたもとにある。埼玉県、あるいは東京都の足立区や北区からのアクセスが抜群で、近辺に住む沖釣りファンにとっては身近な存在。のんびり川下りを楽しんでから東京湾で釣りを満喫し、帰路はキャビンでひと休み。自宅から近い方なら交通費が節約できるメリットもあるだろう。

 2月24日、そんな松陽丸のカサゴ五目へ釣行した。


朝イチからアタリ活発
「うちは初心者のお客さんも多いので、手軽に釣れるカサゴ五目は人気があるんですよ」 そう話してくれた間門陽介船長がもやいを解いて6時45分に出船。乗船者は15名、航程1時間半ほどで本牧沖に到着すると、「はい、どうぞ始めてください。水深は22メートルです」との合図でスタート。

 竿を立て、胴つき2〜3本バリ仕掛けを振り子の要領で投入する。エサのサバのタンザクがキラキラ輝きながら海中に吸い込まれていく。期待が高まる瞬間だ。 着底を知らせる糸フケを取ってしばらく待つと、ブルブルッと小さな振動が竿から伝わってくる。 大きく聞き上げてからリールを巻くとゴンゴンと竿がたたかれ、海面を割ってカサゴが飛び出してきた。

 食いはすこぶる順調。朝イチから皆さんカサゴの引きを楽しんでいる。「ストラクチャーを探して、そこに船を着けますからね。仕掛けを下ろした所にカサゴがいるというより、ストラクチャーに隠れているカサゴが落ちてきた仕掛け(エサ)に飛びついてくる感じです」 そうアナウンスした船長に釣り方のアドバイスを聞くと、「オモリを底に着けておかないとカサゴは釣れません。でも着けたままじゃ仕掛けの位置も変わらないし、根の上を流してカサゴを釣っていくわけだから、オモリを置きっぱなしにすると根掛かりしちゃいます。だから底を小づいて、仕掛けを根歩きさせるんです。

 それと、船が流されてオモリが浮いたときに道糸を出す人がいますが、それだとオモリの位置が変わらないから探れません。そういうときは、道糸は出さずに仕掛けが船に寄るのを待つか、いったん巻き上げて入れ直してください」とのこと。寄るのを待つか、いったん巻き上げて入れ直してください」とのこと。

 船長は、初心者のお客さんにこうしたアドバイスを熱心に送っている。すると、皆さんは教わったとおりにオモリで底を小づいて探り、アタリをとらえて20〜30センチ級のカサゴを次つぎに釣り上げていく。

 1時間ほどで食いが一段落したところで移動となり、水深20メートルで再開。 ここではいきなりメバルが登場。うまく群れに当たったようで、あちこちで立て続けに20センチ級が数尾上がった。

ベテランの業
 その後はメバルは交じらなくなったが、カサゴの食いは順調だ。 そんな中、ひときわハイペースで釣っていたのが左ミヨシの浅井明さん。 浅井さんは松陽丸の常連で、カサゴやメバル釣り歴20年以上の大ベテラン。当日カサゴ36尾を釣り上げたトップ2名のうちの一人だ。 浅井さんに釣り方を聞くと、「オモリで底をトントンやってると、ストンとくぼみにオモリが落ちるような感じの所があるでしょ。そういう所で釣れるよね」 カサゴ釣りで狙うストラクチャーは様ざまだが、当日は護岸際のゴロタ場が中心。ゴロタ場の石の隙間にカサゴが隠れているということだろう。そんなふうに海中を想像しながら、浅井さんの釣り方を見学させていただいた。

 浅井さんは、5秒に1回くらいの間隔でオモリを持ち上げては下ろす動作を繰り返している。注意深く見ていると、その動作の中で、時どき竿先がガクンと下がるタイミングがある。そのとき浅井さんは、オモリを底に着けて小づくのをやめ、仕掛けを止めてアタリを待っている。

 ブルン! 浅井さんの竿に、隣で見ていた私にも分かる明確なアタリが出た。大きく聞き上げると細身の軟調竿が深く曲がった。浅井さんは慣れた手つきでカサゴを取り込み「ほらね!」とニッコリ。

 やがて14時に沖揚がり。「今日のカサゴは良型ぞろいでしたね。ここのところ食い渋っていたメバルも釣れたのでよかったです」 鹿浜橋へ向けて船を走らせる船長が満面の笑みで話してくれた。 たしかに、20〜30センチ級主体に朝から沖揚がりまで釣れ続いたのだから皆さん大満足。当日は親子連れも乗船し、カサゴの引きを存分に楽しんでいた。

 手軽で簡単に釣れるカサゴはファミリーフィッシングにもうってつけの釣り物といえるだろう。 しかしその一方で、仕掛けや釣り方などベテラン好みの奥深さもあるのがカサゴの魅力。同船の常連客はファンが多いようだ。

 最後に船長はこう締めくくってくれた。「これからは、潮がほどよく濁ってカサゴの活性が上がってくる時期です。ぜひ楽しみにきてください」 東京湾のカサゴ五目は春本番に向けて視界良好だ。


松陽丸

埼玉県川口市元郷6-7-4 048・223・9951

http://tj-web.jp/funayado/466.html

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