航程15 分の近場で1キロ級連発
真鶴港出船のオニカサゴ絶好調

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冬の根魚釣りにも色いろあるが、相模湾で好期を迎えているのがオニカサゴ。真鶴港の「ふみ丸」では1キロ前後を主体にトップ6〜8尾と安定した釣果が続いている。

 釣り場は港から航程15分ほどの真鶴沖水深100メートル前後。急深な海底地形を擁する当地は驚くほど岸に近い海▼当日は水深80~100メートル前後を探った(詳細はページ参照)域でオニカサゴ釣りが楽しめるうえ、冬の西風にも強く出船率が高いのも特徴だ。 同船のオニカサゴは午前・午後の乗合船のほか、平日は3名から、土日祝日でも4名からと少人数での仕立も受け付けている。気の合う仲間と貸し切り船で楽しみたい向きにもぴったり。

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※料金等データは2021年1月のものです。

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3〜4人から仕立可能な
真鶴沖のオニカサゴ狙い

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皆さん初釣りの釣果はいかがでしたでしょうか。 我われ釣りを趣味とするものにとって初釣りはその一年を占う特別な釣り。私は釣友から初釣りでオニカサゴ仕立を計画しているので取材に来ないかという誘いがあり、1月上旬に相模湾真鶴港のふみ丸にお邪魔した。 今回のメンバーは私を含めた6名。今年一年の安全と釣果アップを願って海と愛竿にお神酒を注ぎ、6時10分に出船となった。

 ポイントは港から目と鼻の先の真鶴沖で15分ほどで到着。松澤船長によれば、ここの海底は急激に深くなっていて、その水深80〜100メートル付近に点在する根周りに沿って船を流していくとのこと。 そこで、根周りのオニカサゴ釣りのアドバイスを船長に伺うと、「とにかくエサの存在をオニカサゴにアピールするのがキモです。同じタナを誘っていたら根の影になって魚に見えない場合もあるので、時折大きく誘い上げて、ヒラヒラと上から落ちてくるようなアクションも有効ですよ」とのことであった。 ちなみに私を含めた左舷の3人はオモリ100号の通常タックル。右舷の3人はライトタックルでオモリ60号にて挑戦することとなった。

 このエリアはオニカサゴ釣りとしては比較的水深が浅く、波も穏やか。ライトタックルだと一日中楽に誘えるし、とにもかくにもオニカサゴのゴゴゴッとくるアタリをより味わえるのが魅力。船長によると近ごろはライトタックルを使う人も増えているらしい。 ただし、PE2号以下の細い道糸を使用するため、根掛かりによる高切れ防止で仕掛けのハリスは3〜4号とするのが無難なようだ。

潮上の釣り座で連発

船で支給されたサバの切り身や、各自で持ち込んだ特エサなどをハリに付けて投入。 早々に右トモの牧野さんにアタリがきたが、小型のオニカサゴでこれはリリース。 次にアタリをとらえたのは左トモの山崎さん。こちらは600グラム級の煮つけサイズだ。「今度はまあまあですよ」と再び牧野さんが巻き上げ開始。海面をのぞき込むとオレンジ色の魚体が浮かび上がってきて、スパッとタモ取りしたのは1キロ級のグッドサイズ。

 間を置かずに山崎さんも連釣したのだが、姿を現したのは25センチのアヤメカサゴ。これもおいしい魚なので大事にキープ。 このときはトモ側が潮上で、この両名にアタリが集中。牧野さんはオニカサゴとアヤメカサゴを一荷で釣り上げて気を吐いていた。 潮上で釣ってしまうから、こっちまで回ってこないよ……と言いたげな顔をしていた右胴の間の石渡さんにもよう右胴の間の石渡さんにもようやくアタリ到来。 巻き上げ中に時折ゴッゴッと竿をたたくような抵抗をするのは良型のオニカサゴの特徴。石渡さんは慎重に巻き上げ無事1キロ級を釣り上げた。

 写真撮りの合間に私も竿を出し、リリースサイズのオニ出し、リリースサイズのオニカサゴ2尾とアヤメカサゴ2尾を釣り上げた。 やがて風向きと潮具合が変わり、私のいるミヨシ側が潮上となった。 チャンスタイム到来に果敢に誘いを入れる。するとゆっくりと誘い上げたとき、コツッと小さな変化が竿先に出た。 オニカサゴの場合、底でパクッとエサを捕食したらその場にとどまるので、この時点では魚のサイズは分からない。 誘いを止め、ジックリ食わせるとゴツゴツと強いアタリがきた。ここで聞き合わせるようにゆっくり竿を立て、グググッと抵抗してきたところでリールを巻きながら強めに合わせを入れてハリ掛かりさせた。 合わせが甘いと、硬い上アゴにハリを貫通させられずスッポ抜けることがあるので要注意。そして巻き上げは慎重に。口吻の薄皮にハリが刺さった場合、強引に巻き上げるとハリ穴が広がりやすく、取り込みなどでラインのテンションが緩んだ拍子にハリが抜けることがあるからだ。

 今までにない重さと断続的な激しい抵抗に大型を確信。慎重に巻き上げて取り込んだのは後検量1.2キロのオニカサゴであった。 その後も潮上の有利もあってか私に頻繁にアタリがくる。1キロ前後のオニカサゴをコンスタントに釣り上げていると、負けずに石渡さんも同級を釣り上げて猛追体制だ。 そんな展開の中、一人釣果に見放されて苦戦していたのが右ミヨシの高橋惠子さん。 エサは私と同じサバの切り身やイカタンを付けているし、誘い方も特段悪いわけでもないのにアタリが全くない。 唯一の違いは仕掛け。私が2本バリで彼女は3本バリ。つまり若干長い仕掛けを使っているわけだ。底潮の流れが緩慢だとすれば、長い仕掛けと3つのエサの重さもあって、エサが底を這っていた可能性があるのではないだろうか。

毒トゲに要注意!

「やられたー」と山崎さんが声を上げて私の席に駆け寄ってきた。オニカサゴの背ビレの毒トゲが指に刺さったのだ。苦悶の表情を浮かべる山崎さんに急いで応急処置を行う。 その30分後、私はオニカサゴの口に掛かったハリをペンチで外したとき、勢い余ってチで外したとき、勢い余って毒トゲを指に刺す失態を犯してしまった。

 みるみる指が腫れて痛みが強くなる。オニカサゴ釣りで一番気を付けなければならないのがこの毒トゲ。真っ先に背ビレなどのトゲを処理すべきだと痛感した次第。 お昼前に沖揚がり。私の釣果はオニカサゴ7尾にアヤメカサゴ2尾。オニカサゴのトップは9尾を釣った牧野さん。 真鶴沖は西風に強く、冬の時期でも比較的穏やかな日が多いので仲間と仕立てて楽しむにも持ってこいだろう。 さて、私の初釣りは釣果はまずまずだったが痛い目をみてしまった。今年は気を引き締めて釣行せねばなるまい。


相模湾真鶴港ふみ丸

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10465・68・2694(詳細は巻末の情報欄参照)

▼料金=オニカサゴ乗合一人 9000 円(エサ、氷付き)

▼備考=予約乗合。出船時間は電話確認。仕立船は 平日3名まで2 万7000 円、1人増し6000 円。 土日祝日は4名まで3万6000 円、1人増し6000 円

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