好調続くアカムツの大場所犬吠埼沖へ急行せよ!

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犬吠埼沖のアカムツが好調だ。九十九里飯岡港の三次郎丸に釣行した2月上旬は、水深250メートル付近を流して30〜40センチ級主体に50センチの特大サイズを交えて、トップが楽らく規定数の10尾に到達する良日となった。「犬吠埼沖は潮が速くて釣りづらいときが多いのですが、今日は早朝からしばらく潮が落ち着いていたのでラッキーでした」と滝沢健司船長。

 アカムツの就餌層は底付近がメインで、釣り方の基本は竿を上下に動かして誘った後、オモリを底に着けたゼロテン状態でアタリを待つ方法。潮が速いときは誘ういときは誘うたびに仕掛けが流されるため、オモリが着底するまで糸を送り込むのだが、極端な速潮時はどんどん糸を出しても着底せず釣りにならないこともあるとのこと。「魚はいますから、潮が緩んだチャンスタイムを逃さず釣り込むことが釣果をのばす秘訣です」とは船長のアドバイス。 犬吠埼沖のアカムツは1〜6月が釣期だが、数型ともに絶好調の今を逃す手はない!

 

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※料金等データは2021年2月のものです。

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潮が緩めば勝機あり!犬吠埼沖アカムツ乱舞

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赤いダイヤ、白身のトロなど、最上級の形容で紹介される超高級魚アカムツ。「ノドグロ」という別称のほうがなじみがあると言う人もいると思うが、この魚は600グラムを超えるものはとくに良型とされ市場価値も跳ね上がる。 しかし、以前10年ほど魚屋さんをやっていたという、この日の竿頭となる鈴木眞人さんにそう話しかけると、こんな即答が返ってきた。「そんなもんじゃないですよ、ここのアカムツは。とにかくデカいんで、あんなの魚屋やっててもまず見ないですね」 我われ5名分の期待を満載した第八三次郎丸は、飯岡港を出ると一路犬吠埼沖へと向かった。 犬吠埼沖は、大陸棚のカケ上がりになっている地形からたくさんのアカムツが居着き、豊富なプランクトンが含まれる親潮と黒潮がぶつかって沖のほうへ流れ出ていく潮目ができることから、アカムツがよく育つと言われる。 だから犬吠埼沖は好漁場なのだが、このあとその驚くべき実態を目の当たりにすることになる。

着底後10秒が勝負

6時を少し回ったころ、ブザーを鳴らした滝沢健司船長が開始をアナウンスする。「はい、どうぞ。水深は250メートル。潮が流れ始めちゃうと釣りづらくなっちゃうんで、潮が落ち着いている今のうちに釣っちゃってください」 私を除く4人が仕掛けを投入。そしてオモリが着底すると、全員が同じように竿を大きくあおっては下ろすという釣り方を始めた。4人はグループで、神み輿こしと釣りが好きな仲間なのだという。

「神輿が担げる所と、アカムツが釣れる所はどこへでも行きますよ」という鈴木さんにどうやって釣っているのかと尋ねると、こう話してくれた。「オモリを浮かせてゆっくり下ろす。着底したら10秒も待てばアタリが出ますから。10秒待ってアタリがなければ、またオモリを浮かせる。この繰り返しです。オモリが底に着いていないと不思議とアタリが出ないので、しっかり底に着けて待つのが大事ですね」

 アカムツは胴つき仕掛けの幹糸から付けエサが離れたときに食いついてくる。鈴木さんたちがやっている誘い下げは、シャクリ上げた仕掛けをゆっくり下ろしていく最中に枝スが幹糸から離れて付けエサが漂う。このタイミングでアカムツに食わせるイメージのようだ。 ゆっくりと仕掛けを下ろすのは、付けエサが漂う状態をできるだけ長く保つため。鈴木さんが言う「オモリが着いていないときにはアタリが出ない」という状態は、潮に流された仕掛けの幹糸と枝スが重なるため付けエサが離れていないのだろうと想像する。

タモ使えよ!

開始から約20分後、鈴木さんが電動リールのモーター音を響かせる。しかし、これはサバ。 その後もまだ夜が明けきらない暗いうちはサバが頻繁にアタリを出した。 そして周囲が明るくなり始めた7時ごろ、「これはサバじゃないでしょう!」と藤田さんが声を上げる。駆けつけると、確かに竿の曲がり具合が違う。上がってきた仕掛けをたぐり、一気に抜き上げたのは約40センチのクロムツ(ムツ)。3名から祝福の声が飛ぶかと思った次の瞬間、「タモ使え!」と声が飛んだ。 続けて藤田さんがまたアタリをとらえる。海面下に漂う魚体は赤と白が交互に輝いている。そしてデカい!「アカムツだ!」と叫んだ藤田さんは、これを力任せに抜き上げた。「タモ使えよ、タモ!」という複数の声をものともせず、藤田さんは両手を突き上げロッキーポーズ。それもそのはず、このアカムツがこの日の最大となる50センチ、1.8キロの超特大サイズ。確かに鈴木さんが言っていたとおり、そのデカさは驚愕だった。

 そしてここから、その場にいても信じられないような爆釣劇が始まる。 鈴木さんが約40センチのアカムツを釣ると、並んで竿を出している鈴木さんの父親も負けじとばかりに同級を釣る。 これに対抗するかのように、また鈴木さんが今度は50センチ弱のアカムツを釣り上げ歓声を上げる。その隣でクロムツを釣って肩を落としていた林さんも、直後に待望のアカムツを手にして満面の笑みだ。 全員の写真がそろったところで私も仕掛けを下ろしてみると、いきなりのアタリだったがこれはメダイ。それを取り込んでいる最中に、今度は鈴木さんが良型アカムツの一荷を披露して船上が沸きに沸く。 船長も、この驚愕サイズのアカムツの入れ食いタイムに、「このポイントで潮がこれだけ長い時間止まってくれれば、こうなりますよ」と興奮気味に話してくれた。 しかしこの直後から潮の流れがきつくなり、ついには誘い上げたオモリが着底しないほどになってしまう。 また、天気予報どおりに北西からの強風が吹き、海を荒西からの強風が吹き、海を荒れさせる。鈴木さんが規定数の10尾目を取り込んだところで、船長は早揚がりをアナウンスした。 この日の釣果は30〜50センチのデカアカムツが2〜10尾。4人で20尾ジャストだ。 もう何も言うことはない。犬吠埼沖へ急行せよ!


九十九里飯岡港 三次郎丸

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10479・57・3371

▼料金=アカムツ乗合一人 1万3000 円 (ホタルイカ1パック、氷付き) ▼備考=予約乗合。4時集合。ほか一つテンヤマダイ、 ヒラメ、オニカサゴ、ヤリイカなどへも出船

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