◉沖藤武彦 

 

 

令和4年6月1日から新たなクロマグロ遊漁の規制が始まります。

 

 

◉小型魚(30kg未満)は採捕禁止

 

・釣れてしまったらただちにリリース。

 

 

◉大型魚(30kg以上)のキープは1人1日1尾まで。

 

・1尾キープした後に別のクロマグロが釣れたら、後に釣れたクロマグロを直ちにリリース。

 

 

◉キープしたクロマグロの重量・海域等を水産庁へ報告。

 

 

・キャッチ&リリースしたものについては報告義務はありません

 

 

※採捕報告は「遊漁採捕報告のお願い」から報告。

↓こちら

https://yugyo-saihoryo.jp/index_free.php

 

 

◉採捕数量が以下の時期ごとに概ね以下の数量を超えるおそれがある場合、その期間中は採捕禁止となることが公示される。

 

 

◇令和4年6月=10トン

 

 

◇令和4年7~8月=10トン

 

 

◇令和4年9~10月=10トン

 

 

◇令和4年11~12月=10トン

 

 

◉全体の採捕数量が40トンを超えるおそれがある場合、令和5年3月31日まで採捕禁止となることが公示される。

 

 

◉採捕禁止期間中はキャッチ&リリースも禁止

 

 

以上が水産庁「クロマグロの部屋」

 

 

クロマグロを対象とする遊漁者・遊漁船業者の皆様へにて掲載された6月からのクロマグロ規制。

 

 

 

↓こちらです

https://www.jfa.maff.go.jp/j/yugyo/y_kuromaguro/kyouryokuirai.html

 

 

みなさんも記憶に新しい昨年夏以降のクロマグロの採捕禁止は、予想以上に早く遊漁に割り当てた20トンに達してしまいそうになったための措置。

 

 

今年度の規制の昨年との大きな違いは

 

 

・バッグリミット制の導入。

 

 

・キャッチ&リリースについて言及され(認められ)ていること。

 

 

・期間ごとの採捕数量目安を導入したこと(よーいドンで獲って終わらないように)

 

 

・あくまで留保枠ながら、採捕量が昨年の20トンから40トンになったこと。

 

 

今年度は時期を4シーズンに分けて、それぞれ10トンに達しそうになったらいったん採捕禁止、次の時期になったら再開、と、コントロール。

 

 

そして(採捕上限)に達していなければ「キャッチ&リリースは可能」。

 

 

これは極端なはなし、全員がキャッチ&リリースをしていれば、クロマグロ釣りを続けることが可能、ということ。

 

 

クロマグロのリリース方法については、JSA(日本スポーツフィッシング協会)がYouTubeに解説動画を公開していますので、一度、見てみてください。なかなか勉強になります。

 

 

 

↓こちらからご覧になれます

https://youtu.be/Isi50Nw-a2E

 

 

また「クロマグロ遊漁船事業者協議会」を発足、全国のクロマグロ遊漁船業者と水産庁の情報共有や遊漁における数量管理、有効な資源管理を進めていく予定とのこと。

 

 

機会があれば、追って紹介したいと思います。

 

 

 

さて。

 

 

話はちょっと逸れますが、船長たちからよく聞かれるのが

 

 

キハダは規制の対象になるのか?

 

 

ということ。

 

 

現時点ではキハダ遊漁に採捕量は設定されていませんが、長い目で見た場合、

 

 

いずれは数量を管理するのが国の方針です。

 

 

これは令和2年12月に施行された改正漁業法により、漁獲可能量(TAC)制が導入されて以降、漁業はもちろん遊漁も数量を管理することが基本方針となっています。

 

 

マダイもブリもタチウオもイカも、いずれは遊漁の採捕量も管理する、これが原則。

 

 

ちなみに、科学的知見に基づいて漁獲量を割り当てて「獲り過ぎ」を防止、資源を管理する法律は先進国では当たり前で、日本は資源ジリ貧に陥ってようやく導入されたのが実情です。

 

 

とはいえ、そのためには「どれぐらい釣られているのか」を調査しなくてはならず、「釣獲量」を魚種ごとに把握することはたいへん長い道のりと言われています。

 

 

水産庁の遊漁室でもその困難さは覚悟しているようですが、現在、

 

 

遊漁採捕量等実態調査を進めています。

 

 

 

↓こちらから

https://yugyo-saihoryo.jp/index_free.php

 

 

これは全国の遊漁者に採捕報告協力を求めて数量を把握するための調査。

 

 

あくまで任意の協力ですが、どのような方法、あるいは制度で調査を進めていくのか、注目していきたいと思います。

 

 

今後、遊漁のありかたがどう変化していくのか、少しずつなのか、クロマグロのように早く変化するのか。

 

 

いずれにせよ、無制限で獲る時代が終わりを迎えつつあることだけは確かだと実感している今日このごろです。