◉沖藤武彦

 

ども。取材とデスクワークの合間を縫って、取材でさんざん延期になった北アルプスにようやく出かけられた金曜日、てっきり電波が届かないと思っていた雪渓で会社から電話で呼び出され本気でびっくらこいた沖藤です。

ヤッホ~!

 

 

今週の金曜日も電波の届かない場所にいる予定なので、あらかじめ日誌を書いているところ。さあ、これを書いたら逃亡だ!

 

え? ただでさえ文章が長いんだから、とっとと釣りの話を書けって? はいはい。分かりましたよ。

 

 

カワハギ好調予報?

秋~冬に盛り上がる説&

最強の泳がせカンパチ絶好調

 

今年は目立って調子のいい釣り物がない代わりに、どの釣り物も模様がいいというか、大崩れしないと思っていたのですが、夏を迎えてそれが確信に変わりつつあります。

 

カツオ・キハダについては「日誌」月曜版で編集部近田が追跡しておりますので割愛して、ここではワタクシが取材で釣行した6つの現場から、その模様、近況を紹介します。

 

 

 

【三浦半島・カワハギ】

 

 

7月上旬の取材日は大雨の後で数はのびないものの、釣れれば大型。産卵後のヒレが傷んだ魚体もいれば、産卵前とおぼしき個体も多い印象でした。

 

 

 

S名人とI名人によると、昨年よりも個体数は多い印象で、8月の剣崎沖解禁から楽しめそう、との見通し。

 

 

ただしピークが例年遅れている流れから、今年も11月から冬にかけてかも……と予測しておりました。

 

これは西から来遊する早生まれの稚魚が黒潮大蛇行や磯焼けの影響などで減少し、関東沿岸でこれから育つ稚魚が主な供給源になっているとの(沿岸の生物調査の)知見と一致していて、カワハギ名人たちの慧眼に感心させられます。

 

 

【銭洲遠征・泳がせ釣りのカンパチ】

 

 

ここ数年、伊豆諸島ではカンパチが好調。中でも日帰りで大物釣りが楽しめる「銭洲遠征」の好調ぶりは出色で、今年も盛り上がっています。

 

 

 

 

ワタクシが釣行したのは初夏のイカ泳がせが終わり、小型のムロアジ(クサヤモロ)が増え始めたころ。いわゆる「チビムロ」泳がせのシーズンが始まった7月上〜中旬。

 

ヒラメ釣りを想像すると分かりやすいと思うのですが、生きエサの泳がせ釣りの面白さは、なんといってもエサが暴れて、竿先がたたかれ、食い込ませるのを待つ緊張感と、合わせる瞬間の手応え。

 

 

ムロアジ泳がせのカンパチ狙いは、エサの暴れっぷりも、アタリの激しさも、合わせたときの手応えも、引きも、全てケタ違いに強烈、深く考えずに言いますが、ワールドクラスのパワーゲームです。

 

 

しかも銭洲遠征は潮回りがリズミカルで、水深も浅いため、何回も何回もそのチャンスが訪れます。

 

 

この夏もムロアジは多く、カンパチも入門にやさしい3キロ級から10キロ級、あるいはハリス30号がブッチ切られるモンスターまで、ガンガン泳ぎ回っています。

 

 

自分の限界を超えるチャレンジをしたい人や、見たことのない世界へ踏み出したい人に、おすすめです。

 

 

 

【マダコ(餌木タコ)】

 

 

一昨年の大発生、昨年の好調に比べると、今年は落ち着いた感じの東京湾のマダコですが、6月の湾奥開幕当初に多く見られた小ダコが徐々に育ち、400~500グラムの、いわゆる「夏ダコ」サイズを中心に楽しめるようになってきました。

 

 

 

 

照英さんが持つとみんな小さく見えますが、食べごろサイズのマダコです。ちなみに、高木真一さん(レーシングドライバー・左)の持つマダコは、小型です(笑)。

 

 

取材日は湾奥千葉側を狙いトップで20杯超え。平均でツ抜けするかしないかですが、バラシや空振りも多いので、釣りとしては一日中楽しめる展開でした。

 

 

その中で、最近、ちょっと気になる釣り方というか、仕掛けで、根掛かりを避けつつ連発している人を見かけたのでご紹介を。

 

 

まあ、単純な話なのですが、その仕掛けは餌木を1本にして、オモリを8~15号と軽くしただけ。

 

 

餌木の抵抗と重量が減る分、オモリが軽くても着底を取りやすく、根掛かりも少ない。ゆえに、マダコが釣れるというワケです。

 

 

もちろん乗合船では基本的にオモリ号数を15~30号で統一しているので無断でチャレンジしてはいけませんが、船長に確認のうえ、オマツリしないのであれば(餌木を1本にして)オモリを軽くするのも一手。

 

 

ただし、道糸は根掛かりに備えてPE3号以上にしましょう。

 

 

ちなみに、すでに15年以上前、小型ボートでバスタックル+トトスッテの直リグでのマダコ釣りが流行していた浜名湖では、オモリは3~5号。つまり、現在のタコ餌木であればノーシンカーで楽しんでいました。

 

 

私もノーシンカー・餌木のみの、ティップラン的マダコ釣りを試したことがあるのですが、エンジン流しの乗合船ではオマツリします。仕立てやマイボートで、かつ、潮が緩く風のない日の浅場で楽しんでみてはイカがでしょう。

 

 

ただ、ちょっと心配なのが東京湾奥の貧酸素水塊。たまにはほどよくシケて、うまく攪拌してくれるといいのですが……。

 

 

 

シチュエーションでモードが変わる?

東京湾のタチウオは面白いぞ!

 

 

【東京湾のタチウオ①】

大雨の後の濁り

with 三石忍

 

今年の東京湾のタチウオは好不調を繰り返しつつ、梅雨明けとともに走水~猿島周辺でドラゴンモードに突入、昨年ほどとはいかないまでも、数、型ともに好調です。

 

この日はドラゴンモードに入る前の、大雨後の濁りの中での釣り。テンビン仕掛け、テンヤ、ともに誘いが合っていないとオデコになるかもしれないほど、シビアでした。

 

ただし、タチウオ釣りにかぎっては、シビア=定活性とか、魚影が薄いということではないように思います。

 

なぜなら、誘いが決まっている人は好調時と同じように釣れますから「ストライクゾーンが狭い」といったほうがいいかもしれません。

 

 

そんなシビアな状況でも、テンビン、テンヤ双方で「釣れる誘い」を導き出すのが三石忍で、もう、見事としか言いようがありません。

 

 

 

 

8月1日発売の『隔週刊つり情報』では、三石忍が最新の東京湾タチウオ釣法(テンビン&テンヤ)と、ルールとマナーを解説。発売と動画アップまで、しばしお待ちくだされ。

 

 

 

【東京湾のタチウオ②】

濁り取れ始めの小潮

with イカ先生・富所潤さん

 

濁りから数日後、同じく東京湾は走水~大津沖へ出ると、濁りはそこそこ取れて、通常の夏の東京湾の潮色(海面)でした。

 

この日はイカ先生・富所潤さんとの釣行。ナギよく、水色よく、小潮と、テンヤタチウオに絶好の条件。

 

いわゆるバイブレーション釣法でアタリが出た範囲を密に誘う方法で順調に数を重ね、10時すぎからは大津沖の50メートル台でドラゴン連打、同船のお客さんも大型を釣り上げる好日になりました。

 

模様としては、昨年の「やや難しい日」といった感じで、テンビン、テンヤとも、普通に誘っていればオデコはないものの、やはり「決まる誘い」がありました。

 

その誘いは、テンビン、テンヤともに、最近の傾向でもある「あまり巻き上げずに小さく誘う」方法。

 

コツは一瞬、竿先からテンションが抜けるように誘うこと、のようです。

 

 

 

 

それにしてもイカ先生は釣り方を簡潔に、だれでもできるよう噛み砕くのが上手です。こちらも誌面(8月15日発売予定)と同時に動画収録してありますので、編集し次第、アップロードしていく予定です。

 

 

 

【東京湾のタチウオ③】

澄み気味の長潮

with ヨッシー(吉岡 進さん)

 

東京湾のタチウオ取材・三連続のラストは沖の潮が差し込んだのではないかと思うほど潮が澄み気味で、午前船のほとんどの時間が緩やかな上げ潮。走水沖では1投目からタチウオが上がります。

 

船が少ない間は、テンヤでは速く大きなストップ・アンド・ゴーでも突き上げアタリが出たり、テンビン仕掛けは緩く大きく誘って竿先が突っ込む、いわゆる「モーニングサービス」。

 

船が増えてからはアタリの出方が大人しくなりますが、ここ3回の釣行の中では、最も「色んな誘い」でアタリが出続けました。

 

テンヤでは最近話題の「バイブレーション釣法」が数をのばしていましたが、当日はそれ以外、デッドスローや、小刻みなストップ・アンド・ゴー、ワンピッチ、またはショートピッチのジャーク(シャクリ)など、様ざまな誘いでアタリが出て、しかも、後半の大津沖では大型出現率が高まり、昨年の「ドラゴンモード」さながらの釣りになりました。

 

この日はヨッシーこと吉岡進さんとの撮影だったのですが、ヨッシーは様ざまな誘い、アクションを試して「自分のその日の釣り」を追求していくタイプ(と勝手に書いてます)。魚に問いかけるように、色いろと変えて、よりよい答えを引き出そうとします。

 

だから、何本釣れた、よりも、どうやって釣ったか、その答えとして、魚が小さくても感謝、大きければ最高の満足=テンション高まる=する男です(と勝手に書いてます)。

 

 

 

スタッフの都合もあってヨッシーとロケをするのは久しぶりでしたが、やっぱりこの男も面白い。釣れる方法が分かっていれば、その上を求めるし、一つのパターンに固執しない。

 

簡単に言うと「ガチ」なんだけど、それは釣果や競争にではなく、自身の内面と魚と自然に向いているんですね。

 

ヨッシーだけは、青年のままでいてほしいと思った梅雨明けの大津沖でしたよ。

 

ちなみにこの日、ヨッシーがテキパキと船上でテンヤのヘッドとフックを交換していたのが、

 

 

 

ジャッカルの新製品

「替針式アンチョビドラゴンテンヤ」

 

 

 

 

ヘッドのカラーと重さ、フックの種類をわずか数秒で交換できる目からウロコの新型タチウオテンヤは、追って動画でも紹介します。

 

 

 

おっと、そうだ、動画ですよ、奥さん!

 

本日7月23日金曜日、東京オリンピック開会式直前の18時に、イカ先生・富所潤さんの動画

 

 

 

「デイメタルで釣れない5つの理由」

がYouTubeつり情報チャンネルにアップロードされます。

ご視聴はこちらからどうぞ! ←クリックでジャンプします

 

 

「イカ先生と一緒に釣りをしている感」満載のお気楽&お役立ち動画ですので、ぜひ、軽~い気持ちで楽しんでください。

 

 

 

 

替える、かえる、カエル。

 

 

それではみなさん、夏本番、熱中症に気をつけて、感染予防にも気を付けつつ、連休と夏休みの釣りを楽しんでくださいね!

 

ではまた来週!