◎沖藤武彦

 最近、海洋プラスチックごみのニュースが頻繁に取り上げられていて、現状が分かってくるにつれて「こりゃなんとかせんといかんだろ」って感じになってきてますよね。
 海はめっちゃ広いですからね、海洋プラスチックごみの全貌も影響も、いま分かっているのは氷山の一角だと思うと、釣りのときの根掛かりとか、ペットボトルとか、ビニール袋とか、目指すべきはゼロだよなあ……って思いますよね。
 とか言って、一昨年までバナナの皮を海に捨てていた沖藤です(不要な有機物を海に持ち込まないのが海洋環境保全の原則だそうです。反省)。
 え、釣りの話はまだかって?  はいはい、おまたせしました。

 

黒潮大蛇行と接近で
関東キハダ&カツオは今年もアツい!?

 先週末、平塚庄三郎丸のシイラ乗合で突如釣れ始まったカツオは週明け21日まで釣れ続いたものの、シケの翌日からは姿を消した模様。ただし今年はシイラが絶好調。相模湾の外にはカツオのほかキハダが回遊しているので、いつ湾内にきても不思議ではない状況、というより、来ますよ、これ。
 根拠は相変わらず豪快に蛇行している黒潮。紀伊半島沖を大きく南に迂回した黒潮がズガーンと関東に突き上げている。一都三県海況速報を見ると伊豆から房総半島にかけて、もう、くっついちゃうぞ!ってな勢いですよ。
 相模湾はすでに20度以上、黒潮の接近度合いにもよるが今後の予測を見ても上昇の一途をたどる可能性大。てことは、黒潮でフタをするようにカツオ、キハダほか青物が持ち上げられてくるかも。
 印象としては、伊豆諸島と関東沿岸がぶっとい川でつながっちゃう感じ。何せ潮が速いので、茨城以南の深場釣りはちょっと苦戦するかも……。

◎一都三県漁海況速報(神奈川県水産技術センター)より

 

週末のイチオシはマダイ。
中でも日本海新潟がハンパない

 相変わらず剣崎沖で釣れ続いているコマセダイだけど、この十数年間、数、型で全国でもナンバーワンと言われてきたコマセダイフィールドは新潟の上越、名立沖。その新潟のマダイが、いよいよ火を吹いた。
 とはいえ、それはトップ20とか船中100とか数の話ではなく「型」。数がドーンとのびる「本乗っ込み」のクライマックスが、海面下10メートル以浅のタナで狙う大ダイ。紅白歌合戦でいえばアイドルグループがわーっと出てきて盛り上がった後、北島三郎とか、小林幸子とか、和田アキ子がドーンと出てくる感じですわ。
 いやいや、マジメなはなし一昨日より名立沖で大鯛モードに突入、これから6月上旬、アツいシーンが続きます。切られるか、釣り上げるか、残雪輝く妙高を仰ぎ見て、横っ走りする大ダイと対決です。

◎新潟県名立港・海遊丸ホームページより

 

数釣りならイサキ
東京湾ならシロギス

 一方、必ず(とは言い切れないけど)アタって、食べるぶんは釣れる、という釣り物ならイサキとシロギスが好調。
 外房〜南房のイサキは相変わらず好調、東伊豆も順調。東京湾のシロギスはそろそろアカクラゲも沈静化して10メートル前後で太いキスが釣れるころ。

 

軟体系はデカアオリと
相模湾のムギ。がんばれマルイカ!

 水曜担当の尾川が2週連続で報告しているとおり、アオリイカは各地で乗っ込みの大型が釣れている。2キロが当たり前のように上がるのはまれで、これも温暖化や黒潮大蛇行の影響か?
 だとすればもっとムギ・スルメが増えてもいいのに……と思っていたら今週、三戸輪沖でニョロッと上昇、このまま高位安定といくか。
 さて、今やM系釣り人は釣果に関わらず釣行するマルイカは、よかったと思えば低調、の繰り返し。火曜のシケ以降イマイチなので、周期でいえば好転か。

 そうそう、冒頭の海洋ごみ問題についてだけど、実際、自分もまだまだ認識不足なんです。海の環境が気になるのはもちろん、仕事柄、各種の報道内容をきちんと判断できるよう、ちょっと勉強したいなあって思っているところなんですよね。
 そんな折、6月17日に「海ごみゼロ国際シンポジウム」が開催されるんです。参加は無料、申し込みはメールで簡単にできます。
 参加受付は6月3日まで。興味のある方、会場でお会いしましょう。
https://uminohi.jp/umigomi/zerosymposium/