◎沖藤武彦
令和初の台風が足早に過ぎ去ったものの週末は雨のち風、しかも予報がサイトによって割れていて、気が気じゃない人も多いと思います。編集部も各自、週末の取材予定を調整しつつ、天気予報とにらめっこの金曜日です。
釣具店ではすでに店頭に並んでいる所があるかもしれませんが、最新号、『隔週刊つり情報』7月15日号が刷り上がりました。
今回の巻頭特集はズバリ、シロギス。
よく、テンビンは遊動式と固定式どちらががいいの、とか、仕掛けの長さは短め、長め? とか悩みませんか? そんな数かずの疑問に、シロギス名人・戸嶋浩明さんと、平林潔さんに答えていただきました。
そしてマジメなお遊び企画「ワームでKISU!」。簡単なはなし、ワーム(ソフトルアー)でシロギスを釣るワケですが、ワームの種類によってアタリ方、有効な誘い方があってなかなか面白いんです。
お子さんや女性とシロギス釣りに行こうと思っている方も必見ですよ!
キスに続く特集は、湧きに沸きまくっている東京湾のマダコ。テンヤ、餌木タコのハウツーをまとめてあります。
このほか、穴場的な東伊豆のカイワリ、実は今が大ダイのベストシーズンである南房のタイラバ、動画も同時配信している「忍塾THEムービー」ではフグなど、盛りだくさんの内容になっています。
そうそう、海洋環境研究家・木村尚さんの連載「沖釣り海遊学」ではワタクシもドローンで撮影に参加、グラビア「そらうみ写真館」でもアマモの空撮写真を掲載しております。アマモの環境に与える影響や役割、シロギスなど浅場の生き物との関係など、詳しく解説されています。
木更津・金田漁港に群生しているアマモ(右側)。
[訃報]
6月26日外房御宿岩和田港・
長栄丸の岩瀬勝彦船長が急逝されました。享年61。
岩瀬勝彦船長は外房のヒラマサに代表されるオフショアルアーフィッシングの黎明期、オフショア・ネット創立メンバーの一人であり、現在の一つテンヤマダイが乗合になる以前より実験的乗合を出し、数々のオリジナルアイテムを開発、数年前よりタイラバ専門に切り換えると関東で初のドテラ流しの本格的専門船としてディープゾーンを開拓、西日本に釣行するなど研究を重ね、最近はスーパーライトゲームにも出船、常に新しいことに挑戦、というか、常に釣り人目線で、釣り人と楽しみながらトライしてきた船長でした。
あまりに急で、信じられない方も多いと思います。
私もまだ、実感がありません。20年以上前にシゲ爺&勝彦さんの船で2月の大ビラメ狙いを取材して以来、憧れのヒラマサを初めてカメラに収め、Xシートでマダイを狙い、電動ジギングを試し、タイラバで200メートル以深を狙い、マダコを試して根掛かりに悶絶したり、漁船に追突されて長栄丸が大破したり、船を直すついでにスパンカーを外してドテラ流し専用にしたり、復活出船をドローンで追いかけて撮影したり、思い出は尽きない、と言うより、まだ、現在進行形です。
6月19日にタイラバの取材で訪れた際、足の具合が悪いため、簡単な手術をすると話しておりました。
この日は速潮、澄み潮の前に本命ゼロで終わったため、船長の顔写真は撮影しませんでした。
私と船長の間で、沖揚がり後に顔写真を撮らないのは、再取材をする約束でもあります。
「すぐに足を治して、またがんばります」
これが、岩瀬勝彦船長と交わした最後の言葉になってしまいました。
これからもっとたくさん、タイラバもジギングも色いろ試して、発見していくはずだったのに、本当にこれからなのに、残念でなりません。残念という文字を何千、何万、打ち込める限り並べても足りないほど、残念です。
岩瀬勝彦船長のご冥福を心よりお祈りいたします。