◎尾川 泰将

 熱中症で倒れる寸前のWednesday尾川です。全国の天気を見ていると伊豆諸島や小笠原、沖縄のほうが最高気温が低いという異常な状況ですな。
 さてとそのワタクシ、沖縄のほか、地学的に「伊豆・小笠原・マリアナ島弧」と呼ぶ伊豆諸島、小笠原、サイパン、グアム、パラオまでスキューバダイビングと釣りで上陸してきました。でも、距離的には都心から近いのに三宅島と八丈島の間にある御蔵島だけは、船で接近したことがある……程度なんです。
 御蔵島は大半が断崖絶壁で、集落も島北部の高台にこじんまりとあるのみ。原生林のエコツアー、島に棲むイルカウォッチングなどが人気のようですが、宿泊施設のキャパシティが少なく交通事情も今一つなのでぽーんとは行けない秘境なのです。ま、私もあと6年で還暦、さっさと定年して時間ができたら真っ先に行くぜーっ!

 そんな憧れの御蔵島へ、またも「島の周りだけ」の釣りではございますが久しぶりに取材で行ってきました。下田須崎発・宝栄丸の「御蔵島遠征」乗合です。深夜1時過ぎに出航し、キャビンの布団に潜り込んで航程4時間半……。

     いよいよ憧れの御蔵島が目前に迫ります。

 

 出迎えてくれたのはこの御蔵島を集団繁殖地の一つとするオオミズナギドリ。同地域では通称カツオドリ(和名カツオドリじゃありませんよ)と呼ばれていて、カツオ・マグロ漁のトリヤマ探しに重要な鳥。
 続いて眼に飛び込んでくるのは、名瀑(めいばく)だらけの崖。まるで御山のてっぺんから溢れ出るように、絶壁のあちこちに幾筋もの滝が流れ落ちています。こんな壮大な光景は、この島でしか見たことがありません。御蔵島は栄養分が少ない黒潮流路のど真ん中にある孤島ですが、いわば砂漠の中に存在する「奇跡の水の島」でもあるのです。

 その特別な海にいる、シマアジ、大型青物、モロコ狙いまで可能な「大人のためのスーパー日帰り遠征」の記事はお盆発売の本誌9.1号をご覧いただくとして、今回出かけた伊豆下田までの道路事情にうれしい変化が現れています。

 

 それは伊豆縦貫道!(図は「国土交通省 中部地方整備局・沼津河川国道事務所」のHPより)。

 すべてが開通すれば東名沼津インターからなんと「60分で下田着」という、昭和のころからウン十年も続いている道路造成が、急ピッチで進行中です。ご覧のとおり中伊豆の手前まで延伸し、下田へ行くにも西伊豆土肥へ行くにも15〜30分くらい時間が短縮されました。
 今まで遠路はるばる出かけていたご同輩、とにかく走ってみてください。間違いなく感激します!

 現在は下田〜河津間が工事中で、そのあと最後の難所「天城越え」の道路造成に着手する様子。全面開通まで最低でも10年程度はかかりそうですが、実現すれば大好きな南伊豆がとんでもなく近くなる!

 大人の隠れ家的ボート釣り場、子浦(妻良湾)へも気楽に行けますよ、これは。


 あ、そのころは免許返納の齢ってか!? かんべんしてよもぅ(泣)。