◎尾川 泰将

  沖縄石垣島にある「日本最大のサンゴ礁がほぼ死滅」とのニュース。連動して魚も激減し、地元漁師は苦しんでいるそうです。

 Wednesday尾川です。ぴきぴきのサンゴに群れる、透き通るように美しい魚たちが消えつつあると思うと気分が滅入ります。上の画像は20年前に小笠原父島の境浦で撮影したんですけど、今も残っているのでしょうか?

 さてつい先日、ようやくスタートした東伊豆のワラサ取材に行ってきましたよ。
 5.3キロを筆頭に今シーズンは極太のやつが釣れてまして、その後は7キロのブリも交じったとか。今週はチャンスです!
 船長いわく、
「食い出すのが1カ月ずれてるから、しばらく続いてほしいよね。水温もやっと下がってきたけど、一昔前までは沖へ去っていたデカいサメもまだ残ってるし、俺らが若い頃は見かけなかった巨大なキハダもいるしで、いやぁもう昔の常識は通用しない」と首を傾げていました。東伊豆名物の夜ムツも閉幕する時期らしいんですけど、ここ数年は11月まで釣れ続くのが普通なのでまだまだイケそう、バリバリ釣れてます。
 南国だけでなく、身近な海にも異変が生じているのは間違いありません。

 国内のみならず世界中で海水温の上昇の異変が叫ばれています。頻度を増した凄まじい豪雨も、温暖化が主因とされていて「水害は今後ますます増して、過去の推定よりも深刻な状況になる」という新たな論文が、世界的科学雑誌に掲載されました。
 大量の雨水は河川を通じて下水、農業用の肥料などを沿岸に注ぎ込み、海水中の栄養が異常に増します。すると「窒素が増大し、サンゴの白化、光合成の阻害など、沿岸の生態系にダメージを与える」という新たな研究報告もなされています。
 人類の便利な生活が、哀しいかな、海の生物を死滅させている可能性があるわけですが、実はその一方で前記した石垣島で高水温に耐える別種のサンゴが芽吹き始めたそうです。
 環境に合わせて生き抜く術を、地球上の生物は知っているのでしょう。 自然の法則に逆らって、しっぺ返しにあたふたしている人間のほうが、このままいくと先に絶滅しそうです。