◎尾川 泰将

 近年、東京湾、そして銚子から九十九里でほぼ毎年「オオニベ」が釣れるようになってきました(画像は銚子犬若・孝進丸HPより転載)。

 

 Wednesday尾川です。

 釣りキチならばご存じのとおり、ニベ(イシモチ)の仲間であるオオニベは、全長150センチ以上、体重30キロ前後まで成長する巨大魚。
 一番の産地は宮崎県で、同県を代表する「旬の魚」の一つに指定されています。もちろん釣りのターゲットとしても人気があり「宮崎、オオニベ釣り」でWEB検索すると、驚くほどデカいオオニベの画像がぼこぼこ表示されて驚きますよ。

 一方、関東で増加しているオオニベは、まだそれほど大きな個体は見かけず、だいたい50〜60センチ前後。11月初旬現在、最も遭遇率が高いのは銚子〜九十九里の「ヒラメ乗合」のようですね。船宿の釣果情報を見ると10月後半から「ヒラメのほか、オオニベも」という文字を頻繁に目にするようになったのでチェックしてみてください。

 東京湾も侮れません!

 ここ2〜3年、内房沿岸や三浦半島東岸の小アジ泳がせなんかでまとまって釣れる時期がある(11月〜1月が多いような気がする)のですが、つい先日、湾奥のライトアジ乗合でも50センチ弱のオオニベが浮上しました。

 上写真は南六郷・ミナミ釣船提供。釣り場は大師沖の水深20メートル付近で、私が知るかぎり東京湾最北の記録です。

 さらに今現在、三浦方面の魚市場にも、トロ箱に入ったオオニベがけっこうな頻度で並んでいるそうですよ。
 たまたまではなく数年にわたって関東に出現しているオオニベは、おそらく定着し、越冬・産卵していると推測されます。大型はもちろん、幼魚を釣った方は読者ページ「おでこ長屋」へ情報と画像をお寄せください。
 何処で産卵し、どんな場所で釣れ、大きくなるのか。データが集まればシーズンに応じたポイントが判明し、数年後には宮崎に次ぐ巨大オオニベ・フィッシング釣り場が誕生するかもしれません!?

 標準和名オオニベの特徴は、ニベやシログチよりも胸ビレがかなり短いことです。上の画像をよーく見てください。胸ビレ先端が、背ビレ中間の凹部直下に達してません。さらにもう一つ、釣れたてのオオニベは側線に沿って小さな斑点が等間隔で点在しています(よく似た種に深場で釣れるクログチがいますが、こちらはその名のとおり口内が真っ黒)。

 味覚も大いに気になるところで、宮崎では刺身、塩焼き、西京焼き、ウロコの空揚げなどで賞味され、鍋料理もクエに負けない逸品とか。
 関東産のオオニベを食べた皆さまからの感想も、ぜひ編集部にお寄せください!