◎沖藤武彦

 まわりくどい書き方をせずに「緊急事態宣言」と書かせてもらいますが、まあ、避けがたき諸々の事情がありまして金曜の夜を神田岩本町の編集部で過ごしている沖藤です。

 で、窓を開けて換気していると、さっきから酔っ払いであろう若者が水天宮通りを絶叫しながら歩いてるんですよ。愛する神田の飲み屋街は静まりかえっているのに、どこで酔っ払うほど飲んだのだか。

 バカはどこにでもいるもんだと思いつつ、本質的にはおれもあまり変わらないかもしれないので、彼の無事を祈って仕事を続けています。

 今進めていたのが空撮写真の編集と整理。連載「そらうみ写真館」と、次号の特集のグラビアに使う写真。

 画像をあれこれ探して、いじっているついでに、人物を消したりして遊んでいたんですね。

 まず、最初はこちら。

 

※写真は2018年撮影のものです

で、消したのがこちら。

 

 

 船長、孤独ッス。まあ、処理は結構雑ですが、驚くのはおれですらこの作業に3分とかからないこと。

 いやあ、すごい世の中です。

 
※つり情報社では改正航空法に則ったうえで、許可が必要な場合は東京航空局に申請、許可を得てドローンの飛行を行っています。

 

 

本を作っていてなんですが
こんなときこそ「会話」のすすめ。

 

 最近は昼間はだれかと話をしていたり、企画や連載などを考えていたりするので、原稿に集中できる時間がほとんどなく、夜、キーボードをたたくことが増えています。

 まあ、仕事に関してはメールのほうがシンプルに片付くことが多いのですが、悩みごとや不安や意見、つまり考えごとについては、電話でお互いの声で話をするべきだと思っています。

 休業や自粛や将来への不安から希望まで、船長とも、釣り人とも、とりとめがなくなって電話が長くなるんですね。でも、ぜったいに会話は必要だと思うんですよ、個人的に。

 先日、三宅島の船長から釣具について電話がかかってきたときには、落ち着いた声と一緒に三本の風景や海の色を思い出し、本当に救われました。LINEでも連絡は取り合うのですが、断然、心持ちがちがうんです。で、これは会話だと。会話がストレスを解消してくれているのだと確信したんです。

 偶然、翌日は八丈島の船宿と話をしたんです。するともう、八丈小島や小岩戸の激流まで思い出せるし、気持ちが晴れやかになる。やっぱり、声でつながるってすごいことなんですよ。

 文字を扱う仕事をしていながら、現に今、文字で何かを伝えようとしながら「会話をしたほうがいい」と言うのもおかしな話ですが、声のトーンや相づちや、冗談やウソも含めたニュアンスまで、会話のほうが直接的で、双方向的で、しかも誤解が生じてもすぐに修正できます。

 こんなときですからね、親しい友人がSNSで汚い言葉を投げつけているのを見るのは悲しいものです。ぜひ、毒を吐きたくなったら、話をしましょう。

 

 

次号は別冊級の大特集
その次は「会話」がテーマ?

 

 というわけで、緊急事態宣言の中、ムックレベルの大特集を製作してセルフオーバーワークに陥っている『つり情報』編集部ですが、その次あたりは「会話」をテーマにしてみたいと考えています。

 東日本大震災と現在を比べるにはかなりの思慮が必要ですが、あのとき、メディアとして一番「やってよかった」と思った仕事が、船長たちとの会話でした。

 会話の力を、活字にどう変換して、焼き付けて、読んでくれた皆さんと現場(船長)を繋ぐことができるか。

 まだまだ考えなくてはいけないことが山積みですが、やってみます。

 で、会話といえば川柳。家族で川柳をひねってみると、結構、盛りあがります。

 

 

 

 こちらも5月15日までたっぷり応募期間がありますから、とっておきの川柳をお待ちしております。

 それでは皆さん、また来週!