◎尾川 泰将

 Wednesday尾川です。
 まだまだ残暑厳しいので、ちょっぴり背筋が寒くなる「沖釣りでハリ掛かりしてくる変な外道たち」を、毎週紹介していきます。

 一発目はこの画像。

 相模湾でオニカサゴを釣ってたら、巻き上げ途中にグンと重みが……。テンビンに絡んでいたのは液体でタポタポしているコイツです。
「コラァ、ペットボトル捨てんなよ!」と血圧が上がったんですが、よーくみると生物……!?

 調べてみると尾索動物のサルパ目サルパ科という、ホヤに近い分類群の仲間らしく、この個体が数珠つなぎになって浮遊していることもあるとか。

 その種は多岐にわたり、多くは10センチ未満の小型種が多いようなんですが、この個体は20センチ以上あるので「オオサルパ」と呼ばれる種ではないかと思われます。

 調べてみると、浮遊しているこのオオサルパの中に小さなタコが住み着いている姿も確認されていました。
 サルパと共生しているのか、はたまた遠くへ移動して子孫を増やす船として利用しているのかは定かでありませんが、ユニークな生態です。
 ちなみにこれを釣り上げたときは、気味が悪いので、写真だけ撮ってすぐ捨てちゃいました。もっとよく観察していれば小さなタコがいたかもしれないのに。


 運よく引っ掛からないとサルパには出あえませんけど、もしペットボトルっぽい透明な物体が釣れたら、よーく中身を見てみましょう。
 そして何かが住み着いていたら、写真を撮って、本誌の「おでこ長屋」コーナーへぜひ投稿を!