◎尾川 泰将

 Wednesday尾川プレゼンツ、釣りバリに引っ掛かってくる奇怪な生物シリーズ第2弾でございます。

 数年前に相模湾の水深120メートルあたりでオニカサゴを釣っていたら、もっさりモジャモジャした、ゴミだか海藻だかわけの分からんこの物体が引っ掛かってきたんですよ。全体としては直径25センチくらいだったと思います。

 

 いんや~気持ちわるぅ……と思いつつ見ているうちに、背筋がゾワゾワっ。枝分かれした先端が、ゆ~っくりと動いてるじゃありませんか……。
 これがシュパッ! と襲いかかってきたらエイリアンそのものなんですが、距離をとって身構えていても、そんな気配は無し。
 緊張しながら恐る恐る触ってみると、見た目のとおりザラザラごわごわした感触でした。船長いわく、
「そいつ、たま~に引っ掛かってくるんだよ。なんだか、クモヒトデのでっかいやつらしい」
 あ……ヒトデの仲間ですか。というわけで妙に安心したところで、ようやくシャッターを切ったわけです。

 調べてみると、クモヒトデ網ツルクモヒトデ目に属する「テヅルモヅル」という深海生物。一応分類はされていて数種類いるようですが、生態などの詳しい知見は見当たりません。

 笑いながら名付けたとしか思えないテヅルモヅルという名の由来は「いくら考えても分からへん!」という近畿地方の方言が有力……らしいんですが、本当にそんな言葉があるんでしょうか? ご存知の方、ぜひとも「おでこ長屋」へ投稿願います。