◎内山高典

 冷凍技術のめざましい進歩で、遠洋から運ばれてくる冷凍マグロの味は、生のマグロと食べ比べても遜色がないおいしさです。

 しかし、私が生のマグロを食べるときに感じる野性味のある独特の香気は、冷凍マグロは薄れているように思えます。

 香り立つ美味な生のマグロを思う存分に食べるには……釣るのが一番。今年も相模湾に来遊したキハダは、イワシなどの小魚をたっぷり食べて、はち切れそうな豊満ボディに育っています。

 釣れたキハダにズバッと大出刃を入れたとき、あたりに広がる独特の香りがたまりません。淡いピンクの身は脂が乗って全身中トロ状態です。今年私はキハダを釣っていませんが、知人からいただいたキハダの味は極上でした。

 例年、9月下旬の2週間はキハダが荒食いする時期。天候の変わり目がビッグチャンスです!

キハダの大トロは格別です!

 

 

夕げのしめは漬け丼。漬け汁のレシピは様ざまありますが、甘めが好きなわが家は、ミリン1、酒1、しょう油3の割合。ミリンと酒を鍋に入れ、沸騰したら中火で30秒ほど煮詰め、しっかり冷ましてしょう油を加えます。刺身を漬け込み30分ほどで食べごろに。一晩漬けた濃いめの漬けもおいしいです。器にご飯を盛り、海苔をちらし、漬けを乗せ、いりゴマを振り、刻んだ大葉を添えればでき上がり!

 

分厚く切ったマグロステーキも最高です!