◉沖藤武彦

ども。本誌の読書投稿ページ「おでこ長屋」に掲載されていた釣具を生かした防災グッズを読んで(校正=チェックして)いて「こりゃ便利だわ」と、すぐに通販サイトでポチッと購入してしまった沖藤です。

 

▲自動車のバッテリーに使えるってことは釣具用にも……

もちろんこれだけでは使用幅が少ないので、ここからアレンジするのですが、なるほどね!といったアイデアなど詳しくは、次号(10月1日発売号)「おでこ長屋(投稿フォームで募集中!)」をご覧ください。

 

テンヤタチウオ特集は

イワシエサにフォーカス!

ちょっと早く次号の宣伝しちゃったところでもう一つ宣伝させていただくと、話題沸騰のテンヤタチウオでは、ヤマリアの山中陽介さんに登場いただき「イワシエサ」の付け方、船での保存など、見落としがちなこだわりを解説していただきました。

 

 

テンヤタチウオが「できる船」「イワシエサの有無」がひと目で分かる乗船ガイドも掲載。すべて電話取材しているデータですので、ぜひ、ご活用ください。

 

このシケすぎれば秋の海

海の快適化に期待!

さてさて、心配された台風12号も進路が南にそれて大きな被害もなく、関東周辺の船も明日から週末は出船できそうで一安心です。

温暖化の影響でただでさえ水温が上昇傾向にある昨今、今年はとくに水温が高い状態が続いていましたが、今回の台風12号にともなうシケで、ようやく水温が下がってきました。

説明すると長いのですが、ようするに今年の関東周辺の海は「沸かしたて」の風呂、しかも蓋をしたまま、みたいな状態。その蓋を取って風を当てながらかき混ぜたのが、台風によるシケ。

この一週間で駿河湾、相模湾、東京湾口、南房の海水温は26~27度から、一気に25~24度に下がったようです。

 

▲9月18日。秋彼岸の海とは思えないトロピカルオーシャン(神奈川県水産技術センター海況図データベース 関東・東海海況速報)

 

▲こちらは9月24日。黒潮の流路はほぼ同じながら、海水温が一気に下がった(神奈川県水産技術センター海況図データベース 関東・東海海況速報)

剣崎沖で釣れ盛っているワラサが、さらに上向きそうな水温、外房~東京湾のマダイも期待できそうです。

で、この水温分布は、過去、相模湾でキハダが釣れ盛かったときのパターン

一般にキハダは海水温24度が上限と言われてきたのですが、相模湾では25度前後から20度へ下がるときに、大型のキハダが湾内で釣れ盛ってきました。

その理由を昨年、釣り好きな魚類研究者に聞いたときの答えが、「水温が下がると最初に(小さな)カツオやキメジが抜けるため、大きなキハダが残り、釣りやすくなるのではないか」というもの。

また、大型のキハダはある程度水温が下がっても対応することができるのではないか? オキアミに付いていればその傾向が強まっても不思議ではない、との見解でした。

だとすれば、今週末から、キハダがさらに上向くかもしれません(今年はコマセに付いているかちょっと不安だけど……)!

 

東京湾奥は貧酸素水塊減少

江戸前の秋の釣りが楽しみ

と、ここで秋に北寄りの風が吹くと心配になるのが東京湾奥。

他の海では表層と底層が循環すると海が活性化することが多いのですが、こと東京湾奥では北風によって河口周辺の海底に溜まった貧酸素水塊が海面に出て、化学反応を起こして「青潮」を発生させます。

初夏~夏に貧酸素水塊がたまり、秋に青潮で大ダメージ……。過去、何十回と繰り返された悪循環ですが、今回は大丈夫そうです。むしろ、9月上旬に広がっていた貧酸素水が急激に減少しているんですわ、これが!

 

▲千葉県 貧酸素水塊分布予測システム 推定図 右が9月15日、左が9月24日。貧酸素水塊が減少

このぶんなら、マハゼはもちろん、スミイカ、イイダコ、冬に向けてマダコ、マコガレイと、湾奥の浅海の海底にすむ生き物も期待できそうです。

あとは、極端な大雨が降らないことを祈りましょう。

さてさて。すっかり秋めいてきたこの週末、うっかり風邪を引かないよう気をつけてくださいね。

レインウエアの下に一枚、フリースを着ていくぐらいの用心をして、楽しみましょう。

もちろん、手洗い、うがい、マスクを忘れずにね!

それでは皆さん、秋のよい週末を!