◎尾川 泰将

 陽気がよくなってくると釣りたい魚がドンドン増えてきますが、皆さん一番の本命はなんでしょう?

 Wednesday尾川です。
 私の場合はアオリイカ。これから6月末くらいまで、毎年のお楽しみとなってます。

 明日発売の本誌5月1日号では、ちょっと異例の様相を呈している相模湾のアオリイカ(中オモリの餌木シャクリ)の動向を取材しているので、何とかして2キロ超えのビッグサイズをキャッチしたいアオリファンはぜひともご覧ください。

 個人的にアオリイカが大好きになったのは、20年以上前のこと。1995年にアオリーQ(餌木。とくにピンク色のK8モデル)が発売されて1~2年後だったと思います。
 この初代アオリーQは本当によく釣れて、陸っぱりやボート釣り、そして釣り船まで波及して一世を風靡。今につながるエギングブームの火付け役となったといっても過言ではないでしょう。

 K8を手にしたそのころ、最もハマったのは、手こぎボートで楽しんだイカ曳き(曳き餌木方式のシャクリ釣り)。
 道具は手バネ、道糸は8号のナイロン、ハリスはフロロカーボン4~5号でした。

                       餌木はヨーヅリHPより転載↑

 ゆっくりとボートを流しながら餌木を曳き、6~8秒間隔でスパッとシャクる。アオリが乗るとシャクった手バネがドッ!と止められ、1拍置いてズーン、ズーンのジェット噴射。
 リールはないから道糸を手に取って慎重にたぐり寄せるわけですが、その緊張感と手に伝わるアオリの引き込みはたまらないものがありました。

 アオリファンならピンときたでしょう。このイカ曳き餌木という釣り方は、スピニングタックルで楽しむティップランエギングの原型。
『薩摩烏賊餌木考』という書物によると、イカ曳きという釣り方は少なくとも100年前から鹿児島県に存在したようです。
 道具や道糸は変われども、ベースとなる釣り方は、はるか昔からあった……。興味深くもアオリイカを釣りたいという熱意と創意工夫は、昔から脈々と受け継がれているのです。

 というわけでさあ狙いましょうか、でっかい1杯!