◎尾川 泰将

 防寒ウエアが必要なくなった心地のよい季節。この時期、真っ先に釣りたくなるのは乗っ込みダイやイサキでしょうか?
 ところが山々にまぶしい新緑に染まるこの頃に、私の場合はなぜかメバルが脳裡をよぎる……。

 

 Wednesday尾川です。


 えっ、そりゃきっと夜釣りの好期に入るからだろうって? たしかに夜メバル、夜アナゴ、夜ムギイカと、色んな夜釣りが盛り上がる季節。湿気が多い夏の夜釣りと違って、今時分はサラッと空気が乾いてて気持ちがいいんですよね。
 まあ確かにそれもありなんですが、私は真っ昼間に、この場所のメバルに行きたくなるのです。

 景色を見ただけでどこだか分かる人は相当なナチュラリスト(言葉が古い?)。場所は三浦半島の小網代湾です。なにかと開発が進んでしまった三浦半島の海岸線で、当地の湾奥には昔のままの自然が残されています。

 そして、この入り江の中にひっそりと隠れているのがメバル。水深3〜5メートルの浅場に透けて見える……

 

 ……こんな根の崖の落ち込みに、けっこう隠れているんです。
 その場所へボートをこぎ着け、がっちりとアンカリングしたらコレをまく。

 

 生きたモエビです。パラリ、パラリと10匹もまいてしばらく待つと……潮が澄んでいる時なら、ヌーッと現れる黒い魚影が目視できる。それがメバル。
 その周りへ仕掛けを落とすと、クク、クッときて、キューン!
 軟らかいメバルロッドや磯竿0号、ノベ竿なんかがしぼり込まれる快楽を味わえるんですなぁ。


 すがすがしい青空と新緑に囲まれてメバルの元気な姿を見ると、なんともいい気分。首都圏の一大レジャースポットである三浦半島にも、こんなに素晴らしいメバルの穴場が残っているのだと、頬を緩めてしまいます。

 小網代湾のボートメバルは5月1日発売「5月15日号」のボートコーナーで取り上げますので、興味のある方はご一読ください。