◎ども。東京・関西3府県に緊急事態宣言が発出されることになった今週末、マダコ釣りに出かける沖藤です。

 

・ソーシャルディスタンスとマスク着用

 

 

・立ち寄りは最小限にし、大人数での会食をしない

 

皆さんに呼びかけて、編集部でも共有している「新しい沖釣り様式」の一部ですが、気を引き締めて感染防止につとめたいところです。

 

まあ、ハッキリ言って、身近に緩んじゃってる人もいます。強制力はありませんが、仕事ですからね、嫌われるのを覚悟で小言を言うわけですが、ホント、イヤな役回りです。

 

でもね、分かりますよ。食事やコミュニケーションは「人間らしさ」を維持するうえで大切ですから。

 

と、いったところで「人間らしさ」ってナンだよ? と考えさせられるテレビ番組を観たんですわ、最近。

 

 

人間らしさは魚から受け継いでいる?

 

 

その番組ってのがNHKの「サイエンスZERO」の「びっくり!魚は頭がいい」。

 

イシダイやウマヅラハギが輪くぐりなどの芸をする。なんていうのは序の口で、

 

「魚は互いを認識している」

 

ところから、ジワジワと面白くなっていきます。

 

大阪市立大学の幸田正典教授によると、プルチャー(スズキ目カワスズメ科)は顔の模様でお互いを識別していて、判断する速度は0.4秒とか。

 

幸田先生によると、顔に模様のある魚はお互いを認識している可能性が高い、とのこと。

 

つまり、私たちが釣りで接することの多いベラやスズメダイの仲間、もしかしたらハゼやマダイやアマダイも、お互いを認識しているかもしれません。

 

じゃあ、サンマ、イワシ、サバ、マグロなど、顔に模様のない魚たちはどうか? となるのですが、これは「認識していない可能性が高い」そう。

 

確かにそうですよね。撮影していても、個性がありませんもの。

 

ちなみに以前、神奈川県水産技術センターで工藤孝浩さんから

 

 

「マダイは仲間の肉を絶対に食べない」

 

 

という話を聞きました。また、工藤さんは

 

 

「自分が何者であるか、マダイは分かっていると思います」

 

 

とも語っていて、海の中で出会ったとき、大ダイから意思のようなものを感じることがあるそうです。

 

で、話をサイエンスZEROに戻すと、やはり

 

 

「魚は自己を認識できる」そうです。

 

これは鏡像認知から分かるそうです。鏡像認知とは鏡に映る自分を見て「あ、オレか」と気づくことで、高度な能力とされています。

 

哺乳類ではヒトやチンパンジー、イルカ、鳥類の一部で確認されているのですが、現在までの知見ではごくわずか。

 

ええ、ウチのネコも鏡を見て、自分だとは思っていません。間違いなく。

 

番組ではホンソメワケベラ(スズキ目ベラ科)での実験を紹介しているのですが、これが驚き。

 

よく、鏡を見て「あ、顔汚れてるわ」と思って指で取り除いたり、拭いたりするでしょ? それと同じ行動をホンソメワケベラが行うんですわ。

 

もう、無精な人間よりよっぽど自己意識がありますよ、この魚。てか、魚類、すごい。

 

と、感心していると、たたみかけるように

 

「魚は状況を理解して行動を変えている」ことが実験で分かっている。

 

と、幸田先生。まじっすか。

 

それがコンビクトシクリット(スズキ目カワスズメ科=ペアを組むと添い遂げる習性がある)の、つがいを使った実験。

 

分かりやすく書くと……

 

実験①

ダンナの水槽に【エサ箱A】と【エサ箱B】を設置。

 

 

【エサ箱A】に入ると、自分だけにエサが落ちてくる。

 

【エサ箱B】に入ると、自分と、向かいの水槽にいるヨメにもエサが落ちてくる。

 

 

こんな感じです(番組ではエサ箱は色で区別されています)

 

で、ダンナはどうしたかと言うと、システムを認知すると、

 

 

ほぼ確実に【エサ箱Bに入って、ヨメにもエサが落ちるようにしたそう。

 

すごい! 純愛! と思ったところで

 

 

実験②

先ほどと同じシステムで

 

 

向かいの水槽にヨメではなく、見知らぬメスを入れる。

 

 

 

人間臭さをモニタリングする実験みたいですが、魚類の実験です

 

 

どうなると思います? つがいではないから【エサ箱A】に行くと思いきや……

 

ほぼ確実に【エサ箱B】に行って、見知らぬメスにもエサが落ちるようにしたそうです。

 

なんだ、メスならだれでもいいんだ。と思いますよね。

 

 

まあ、子孫繁栄は生命の第一目的ですから、当然といえば当然です。

 

と、ここで終わらないのが幸田先生。

 

ちょっと声はかすれていますが、コメントも歯切れよく次のネタをブッ込みます。

 

 

実験③

 

 

向かいの水槽には見知らぬメス

 

 

隣の水槽にヨメ。

 

 

【エサ箱A】に入ると自分だけにエサ

 

 

【エサ箱B】に入れば自分と見知らぬメスにエサ

 

 

 

「これNHKですよね?」by小島瑠璃子

 

 

さあ、あなたならどうします? ヨメ、見てまっせ。

 

結果は【エサ箱A】

 

ヨメがいると、見知らぬメスに知らんぷりを決め込んだそうです。

 

「しょーもない!」とスタジオで小島瑠璃子がツッコんでましたけど、まったく同感。

 

てか、オレもそうするわ!

 

で、これがナニを意味するかと言うと、コンビトシクリットは、利益(この場合は子孫を増やすこと)につながる複雑な思考、たとえば忖度などを行っていて、突き詰めれば……

 

「思いやり」のようなものを持っている。

 

そうなんです。

 

 

「思いやり」や「損得勘定」などは「人間臭さ」いや、「人間らしさ」だと思っていたのですが、これは……

 

 

魚類から受け継いだ能力

 

 

である可能性が高いと言うのです。ギョギョ!

 

我われヒトをはじめ、あまたある脊椎動物の祖先は魚類と考えられています。

 

その魚類が誕生したのが4億年前。4億年前ってたらあーた、カンブリア紀ですよ。

 

三葉虫とかアノマカリスとかがウニャウニャやっていたであろう水の中で、自己意識は生まれ、我われに受け継がれてきた……って、もうわけワカメです。

 

 

脳と神経の成り立ちも、脊椎動物ということで魚類と人間は基本的に同じだそうで、人間らしさをつかさどると「言われてきた」(研究者の間では過去形なんですね)大脳新皮質に代わる役割を果たす部位もあるとか。

 

 

で、あらためて思うわけですよ。

 

「人間らしさ」って、なに?

 

前出の工藤さんも含めて、よく「魚は頭がいい」って心から言う人がいますが、まさに、そのとおりなんでしょうね。

 

てなわけで、会食も、コミュニケーションも、人間らしさと言うより

 

 

「魚らしさ」

 

 

もしくは

 

 

「脊椎動物らしさ」

 

 

はたまた

 

 

「生き物らしさ」

 

 

なのかもしれません。

 

まとめちゃいますが、新型コロナ禍は

 

 

「生き物VSウイルス!」

 

 

だれがいい悪いではなく、全球規模で皆んなで気を引き締めていきましょう。

 

さて。明日はマダコ釣りに行ってきますが、マダコって自己意識あるよね、ぜったい。なんか、微妙な気分になってくるなあ……。

 

それでは皆さん、よい週末を!