シロギス1

初心者からベテランまで、だれもが気軽に楽しめるシロギス。取材した東京湾奥金沢八景の新健丸では、中ノ瀬の水深17メートル付近を狙い、20センチ前後の良型主体にいい日はトップ40〜50尾という好模様。 東京湾では間もなくシロギスが水深10メートルを切る浅場へ入ってくるトップシーズンを迎え、より釣り味が増す。竿先を引ったくるようなシビれるアタリと小気味よい引きを楽しもう。

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※料金等データは2021年5月のものです。

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派手なアタリと引きにシビれる中ノ瀬のシロギス良型ぞろい!

シロギス2

だれでも気軽に楽しめる釣り物といえばシロギスが一番ではないだろうか。 東京湾では周年のターゲットとなっており、乗合船の出船スタイルも半日船、一日船、ショート船と様ざまある。 5月中旬に取材した東京湾奥金沢八景の新健丸は、7時半出船、13時〜13時半ごろ帰港のショートシロギス乗合だ。「釣り場にもよりますが、ショート船の釣り時間は4時間30分くらいです。車で来るお客さんは、ほどよく釣りが楽しめて、道路が渋滞する前に帰宅できるので、夕食前に魚をさばく時間にも余裕があってちょうどいいようです」と船主の新明秀幸船長。 同宿はシーサイドラインの野島公園駅から徒歩3分と電車釣行にも最適で、若い人のグループやファミリー、カップルにも評判がいい。 手入れが行き届いたレンタルタックル完備で仕掛けも船宿で販売しているから、最近のアウトドアブームで釣りを始めた初心者にもおすすめだ。 ショートシロギス船を担当する新明恵太船長に近況を聞くと、「ここのところトップ30尾前後で、いい日は40〜50尾くらい釣れますよ」と明るいコメントが返ってきた。

2020センチ級の良型連発

 当日は好天に恵まれ、平日にもかかわらず乗船者10名の盛況ぶりで定刻の7時半に出船。30分ほど走って中ノ瀬のポイントに到着、海はナギで最高の釣り日和だ。「どうぞ始めてください。水深は17メートルです」 開始早々、左トモの鈴木さんが20センチ級のシロギスを釣り上げると、その隣の佐野さんと胴の間の中村さんも同級をキャッチ。 お三方は「板橋釣友会」という釣り同好会のメンバーで、「いつもは釣友会の定例大会で新健丸さんにお世話になってますが、最近シロギスの模様がいいので今日は3人で遊びに来ました」と鈴木さん。 その後も船内ポツポツとシロギスが上がる。いずれもサイズは20センチ前後と良型ぞろいだ。「後ろでクロダイが上がりましたよ」 恵太船長の声に駆けつけると鈴木さんが1キロ級を釣り上げていた。キス用の細仕掛けでクロダイが上がったことに私が驚いていると、「キスはハリスが少しくらい太くてもそれほど食いが変わらないので、ハリス3号の自作仕掛けを使っています」とのコメント。

 ハリス1号前後の仕掛けは糸ヨレしやすく、その都度交糸ヨレしやすく、その都度交換すると手間もかかる。鈴木さんは太めの仕掛けで糸ヨレを軽減し手返しの効率を高めるとともに、クロダイなどのビッグゲストにも対応させているそうだ。 その後もシロギスの食いは順調。イシモチやカナガシラも釣れて船上は賑やかだ。 1時間ほどで食いが一段落して小移動。水深は変わらず17メートルで再開となる。 ここもシロギスがポツポツ釣れたが、この時期に釣り人を悩ませるアカクラゲが頻繁に絡まってくる。 この日は大半の人が胴つき仕掛けを使っていたが、シロギスが釣れたときだけでなく、入れ替えで回収した仕掛けにもアカクラゲが複雑に絡みつく。素手で取り除くのは大変だが、仕掛けにアカクラゲが残っていると食いが落ちるた派手なアタリと引きにシビれる中ノ瀬のシロギス良型ぞろい!◉東京湾奥金沢八景発➡中ノ瀬本誌編集部/内山高典Takanori Uchiyama▲産卵を控え食欲旺盛なこの時期のシロギスは太った個体が多く引きも強い▼慣れた人は船下に加え、キャストで広範囲も探ろうめ、皆さんタイムロス覚悟でていねいに除去する。

 そんな中、アカクラゲ対策でスポンジを持参していた中村さんは除去作業が早い。スポンジでこするとアカクラゲが簡単に取れるうえ、スポンジに付いたクラゲは水で簡単に流せて繰り返し使えるので効率がいい。 胴つき仕掛けは2本バリが一般的だが、アカクラゲが頻繁に絡まるときは1本バリで除去時間を短縮するのも一手。 右トモで釣っていたベテランの馬場さんは、クラゲが絡みやすい回転ビーズを外し、幹糸と枝スを直結したシンプルな1本バリ仕掛けに交換。ルな1本バリ仕掛けに交換。ハリ数を減らした分、アオイソメはチョン掛けの1匹付け。イソメが長い場合は10センチほどに切って、大きめのエサでシロギスにアピールし、アタリを出させて数をのばしていた。

キャストが吉

 この日はほとんどの人が胴つき仕掛けで船下を狙っている。ならば仕掛けを投げて探れば、もっと釣れる可能性もある。そこで、使い慣れた小型テンビンに袖バリ8号ハリス1号40センチの1本バリを結び、5センチくらいに切ったイソメをチョン掛けしてキャスト。大きくシャクって、着底、しばし待ち、アタリがなければ道糸を巻き取りながら竿先を下げる、の繰り返しら竿先を下げる、の繰り返しで探る。 ブルルン。答えはすぐに出た。上がってきたのは20センチ級のシロギスだ。魚を外し、絡まったアカクラゲを取り除いて再投入。 1尾目と同じように誘うとブルルン。これがヒットパターンとなり連チャンモードに突入。アカクラゲの除去に手間取り思うように数はのびないものの、毎投空振りなしで釣れると気持ちがいい。

 1時間ほどで10尾を釣ったころ、潮止まりの時間となりアタリが遠のく。潮が効いていないときは、胴つき仕掛けをキャストして誘うシャクリ釣りが効果的なこともある。 そこで胴つき仕掛けに交換し、投げて積極的に誘うとアタリがきたが、上がってきたタリがきたが、上がってきたのは潮が効いていないときに釣れることが多いイトヒキハゼだった。 恵太船長は潮通しがいい場所を探して移動を繰り返してくれたが、その後は好転せず12時半ごろに沖揚がり。 釣果は14〜23センチのシロギスが6〜21尾。後半の食い渋りとアカクラゲのダブルパンチで数はのびなかったももの、サイズは20センチ前後の良型主体でほとんどの人が15尾程度は釣っていたので夕食のおかずには十分だろう。 これから夏に向けては10メートルを切る浅場で数が釣れるトップシーズン。釣って楽しく、食べておいしい東京湾のシロギスを楽しもう。


東京湾奥金沢八景 新健丸

シロギス3

1090・9314・3791

▼料金=ショートシロギス乗合 7500 円(エサ、氷付き)、女性・高校生5000 円、 親子ペア1万円▼備考=予約乗合。7時半出船。 ほかショートカサゴへも出船

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