フグ釣りの穴場「相模湾」
ショウサイフグ主体に好調!

相模湾腰越港出船…腰越〜茅ケ崎沖

レポート◎丸山 利明

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※料金等データは2019年4月のものです。

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関東でフグ釣りが盛んなエリアといえば東京湾や外房〜茨城方面だが、フグマニアの間で穴場として話題になっているのが相模湾腰越。関東でフグ釣りが盛んなエリアといえば東京湾や外房〜茨城方面だが、フグマニアの間で穴場として話題になっているのが相模湾腰越。 目下、当地で唯一のフグ専門船を出している池田丸では、腰越〜茅ケ崎沖の水深20〜30メートル付近を狙い、ショウサイフグを主体にトップで20〜30尾釣れている。

 道具立ては、オモリ10号のカットウ仕掛けの上に2本バリの食わせ仕掛けを付けるスタイルが主流で、いわゆる湾フグ用のタックルで楽しめる。 「相模湾では水温が上がるにつれて釣り場にフグが増える傾向があるので、これから夏に向けてがいい時期です」とは橋本浩平船長。 大型連休後半も相模湾のフグは期待度◎だ。

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◉相模湾腰越港発➡腰越〜茅ケ崎沖
相模湾にもフグ専門船!!相模湾にもフグ専門船!!
初夏は数型ともに期待大

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昨秋、相模湾ではめずらしいフグ専門船を始めた腰越港の池田丸。昨秋、相模湾ではめずらしいフグ専門船を始めた腰越港の池田丸。 橋本浩平船長に当初の話を伺うと、以前から時期になると定置網ではフグが獲れていたそうで、カワハギ船の交じりでフグが増えた9月に試し釣りをしたところ、2人で18〜36尾とまずまずの結果が出たので翌日から乗合船をスタートさせたそうだ。 目下はショウサイフグ主体にトップ20〜30尾ほどで釣れていて、最近はフグのお客さんが増えているという。

 釣行した4月6日は好天に恵まれた週末とあって、乗船者21名とほぼ満船。 皆さんにあいさつをして回ると、常連客の大野賢治さん、渡辺秀明さん、加藤弘政さんの3人が、「ずーっと東京湾のフグ船に通ってたんだけど、地元の池田丸が始めてくれたんで、今じゃもっぱら腰越だよ」と、うれしそうに話してくれた。

食わせ仕掛けは必須
 7時に出船し、船長はゆっくりと船を進めながら釣り方をアナウンスする。「フグの釣り方は色いろありますが、初めての人は空合わせを繰り返す方法がおすすめです。ポイントによっては根掛かりする所もあるので、着底したら仕掛けを50センチから1メートルほど持ち上げて、7秒に1回くらいのペースで軽くシャクってください。シャクリ幅は30センチくらいが目安です。 カットウ仕掛けだけでも釣れますが、食わせ仕掛けを付けたほうが数がのびるようです。食わせ仕掛けがない人は船にも用意がありますよ」 ここで、エサについて触れておきたい。同船で配られるエサは15センチ前後のアルゼンチンアカエビと7センチほどのアマエビの2種。

 船長が乗船者にレクチャーしたエサの付け方は左ページ写真のとおりで、アルゼンチンアカエビはカットウ仕掛けのエサバリに付ける。ハリの向きを変えつつ縫い刺しにすることでエビが外れにくくなるそうだ。 一方のアマエビは食わせ仕掛け用。エビの頭と尾羽根を切って皮をむき、三等分に切り分けてハリに刺す。 10分ほど走って江ノ島の東側、水深25メートル付近に到着してスタート。 開始間もなく数名にアタリがきたが掛からなかった様子で、仕掛けを上げると皆さんエサを取られていた。 その直後、左胴の間の太田和男さんと右ミヨシの加藤さんがリールを巻き始める。コンコンと竿先をたたきながら上がってきたのは、いずれも20センチ級のショウサイフグ。 続いて同じ2人に良型らしきがヒット。上がってきたのはどちらもカワハギだったが、25センチ級の良型ぞろいだ。

 しばらく流してアタリが遠のくと、船長は江ノ島の南側に移動した。 ここではムシガレイが立て続けに釣れたが本命は顔を見せない。「アタリが続かないですね。昨日のシケで底荒れして、魚が散ったのかもしれません」 船長は近場に見切りを付けて船を走らせ、20分ほどで茅ケ崎沖の20メートルダチに到着した。 ここは魚礁周りのポイントのようで、1時間ほどで20〜25センチ級のフグが船中で15尾上がり、太田さんが当日最大となる32センチをキャッチ。すると船長が、「江ノ島の周りでも、いつもはこれくらいは釣れるんですよ」と安堵の表情を浮かべた。

トラフグ登場!
 食いが一段落すると船長は移動してくれて、10分ほど走った25メートルダチで再開。ここはマダイやイシダイが交じるポイントらしい。 再開直後、左胴の間で強烈な引きを見せる魚が掛かり、船長が操舵室から飛び出してタモを構えた。「ありゃあ、イシダイだな」 常連客の大野さんがつぶやく。しかし痛恨のハリス切れ。船上のあちこちでため息が漏れた。 その後はホウボウやカサゴなどが釣れたが本命のアタリは遠く、船長は再び魚礁周りへと船を戻す。 すると、大野さんが30センチを超えるトラフグを釣り上げた。当地では数は少ないながら、ポツリポツリと顔を見せるようだ。

 このころから潮が流れなくり、次第にエサも取られなくなった。 その後は転々と移動を繰り返したが好転せず。 最後に流した鎌倉沖の水深10メートル付近で、右胴の間の山田洋さんが30センチ級のヒガンフグを釣り上げたところで14時に沖揚がりを迎えた。 釣果は20〜32センチが0〜12尾。竿頭はトラフグを釣った大野さんで、渡辺さんが9尾で次頭。「今日はダメでした。昨日のシケで底荒れしたうえ、後半は潮が止まっちゃいました……」と船長は残念そうだ。

 しかし、今後の展望を尋ねると目に輝きが戻り、「フグは水温が高くなると増えてくる魚ですから、これから初夏に向けてもっと楽しめるようになりますよ。 海が落ち着けば水深7〜8メートルの浅場でも釣れるので楽しみに来てください」 船長が言ったとおり、数日後にはトップ20〜30尾と復調。 釣れたフグは、船宿で併営している飲食店にふぐ包丁師の免許を持っている板前さんがいるので、沖揚がり後にさばいてもらえる。

 相模湾のフグはオモリ10号の湾フグスタイルで手軽に楽しめて、海上から望む江ノ島やエボシ岩など湘南の景観も魅力。ゴールデンウイーク後半にぜひ!


 湘南腰越湘南腰越
池田丸

☎0467・32・2121

60 61 08

▶料金=フグ予約乗合一人9500円(エサ付き)、氷100円
▶備考=7時出船。駐車場500円。ほかライトヒラメ、カワハギなどへも出船

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